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Dec 3, 2004

税理士法人ライブドア設立の脅威

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テーマ：ビジネス・起業に関すること。(20031)

カテゴリ：税理士の仕事

　球団買収問題で名乗りを上げたことが企業認知に大いに貢献したライブドア。堀江氏も広告塔として遺憾なくその威力を発揮した。その堀江氏の講演を先日名古屋で聞いてきて、質疑応答で私が「税理士に望む事」という質問を堀江氏にぶつけたばかり。あの時には既に、税理士法人ライブドアという巨大船体になるべく組織が設立させていたのですね。

　そのライブドアグループが税理士法人を設立し、東京税理士会に入会したのは９月だそうです。既にこの楽天日記でも書いてみえる人もいる。ライブドアが会計ソフト大手の弥生を買収して会計業界にどんな影響を与えるのかとおもったら、何ともう既に税理士法人の設立を済ませていた。弥生の持つ会計ソフトと税理士法人の独占業務である税務申告等と関連付けて、ライブドアは戦略を考えているに違いない。

　弥生の業務ソフトを購入した事業者が、年間保守契約を継続的に結んでいる数は１０万社近いらしい。弥生は、ソフトの操作指導や会計処理の相談にオペレーターを置いて応じている。会計処理の相談というものは大まかに言えば「仕訳の会計的な相談」と「税務相談」との２種類に分けられる。この両者を区別するのは難しいものがある。

　しかし、税理士法人を持つことで、この指導や相談業務を税理士法人に移せば、税理士法人ライブドアは「会計処理」と「税務処理」の相談業務をワンストップサービスで提供が可能であろう。独占業務を堂々と行える。来年から消費税の免税点の売上が１０００万円まで下がるので、ほとんどの事業者が課税事業者になると思われる。しかもその大半が中小零細事業者である。こうした事業者には、このワンストップサービスを低価格で利用できれば、利用者は増えるかもしれない。これが我々零細事務所に取っては脅威である。

　私の使用しているＪＤＬの出納帳会計もそうだが、弥生の会計ソフトは事業者と税理士事務所の間で会計データの送受信機能がある。月次の試算表作成は事業者が作成し、年度決算、税務申告に関わるものはネットで必要資料を送り、税理法人ライブドアが申告代行するであろう。昨年から始まった電子申告であるが、今現在普及が停滞している。名古屋国税局熱田支部管内でも何と０．２％である。しかし、これにより税理士法人ライブドアは電子申告を率先して進めるサービスをするだろう。そうして普及し始めると、マーケットが無限になり地域も関係なくなる。そうなると、公認会計士の監査法人のように、税理士法人がますます巨大化していくと思われる。我々みたいな中小零細事務所は、淘汰される運命にある。

　同時にライブドアは数多くの企業の財務内容のデータをつかむ事が出来る。その規模はＴＫＣの比ではなくなるかもしれない。会計ソフトとメールを使った顧問関係により、地域の専門家としての意義が薄れるかもしれない。いや、まだまだやち打ちできる武器も探せばある。

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