東京フリー・メソジスト教団付協力牧師 甲斐慎一郎 説教要約

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2006.12.20
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「ヨセフへの告知」

                  マタイの福音書、1章18~25節

 神は、ご自身の御子を世に遣わすために処女マリヤの胎を借りる
ことを定め、そのことを御使いを通して彼女に告げられました。こ
れが「マリヤへの告知」です。

 このことは当然のことですが、マリヤの婚約者であるヨセフにも
告げる必要がありました。これが「ヨセフへの告知」です。マタイ
は、救い主の法律上の父に選ばれたヨセフについて記しています。

一、ヨセフの離縁の決心(18、19節)

 ヨセフは婚約者であるマリヤが自分と「まだいっしょにならない
うちに……身重になったことがわかった」時(18節)、どんなに驚
いたことでしょうか。彼は、あのザカリヤとエリサベツのように、
「神の御前に正しく、主のすべての戒めと定めを落度なく踏み行っ
てい」ました(ルカ1章6節)。

 このように「正しい人」(19節)であるヨセフは、「婚約中の処
女の不貞または辱しめを受けたことに関する律法」に従って、石打
ちの死刑にして彼女をさらし者にするか(申命記22章23、24節)、
内密に離縁するかのどちらかを選ばなければなりませんでした。

 もしヨセフが正しい人ではなく、人を恐れて、その場をつくろい、
マリヤの子を自分の子であると偽って認知したならば、どうなるで
しょうか。このようなことをすれば、キリストの法律上の父として
の資格を失ってしまったことでしょう。しかしヨセフは、決してそ
のようなことをする不正な人ではありませんでした。

 神の御前に正しい人であるヨセフは、自分の子ではない子を宿し
た「彼女をさらし者にはしたくなかったので、内密に去らせようと
決めた」のです(19節)。

二、主の使いの受胎告知(20~23節)

 ヨセフがマリヤと離縁することを心に決め、「彼がこのことを思
い巡らしていたとき」、主の使いが夢に現れて、「恐れないであな
たの妻マリヤを迎えなさい。その胎に宿っているものは聖霊による
のです」と彼に告げました(20節)。

 ヨセフにしてみれば、婚約者であるマリヤが自分の子ではない子
を宿した事実を認めることも、またその事実をうやむやにしないで、
離縁を決心することも、心を引き裂かれるほどつらく、苦しいこと
であったにちがいありません。しかし、どんなにつらく、苦しくて
も、現実から目をそらしたり、逃避したりせずに、最善の方法によ
って対処しようとしました。

 このようなヨセフに対して神は、聖霊による処女懐胎という全く
新しい事実を示し、ヨセフが妻マリヤを迎えるという思いもよらな
い全く新しい道へと導かれたのです。

三、ヨセフの服従と節制(24、25節)

 眠りからさめたヨセフは、「主の使いに命じられたとおりにして、
その妻を迎え入れ」ました(24節)。彼は神の言われたとおりにす
る服従の人でした。その後のヨセフの行動について聖書は、次のよ
うに記しています。

 「見よ、主の使いが夢でヨセフに現れて言った。『立って、幼子
とその母を連れ、エジプトへ逃げなさい。そして、私が知らせるま
で、そこにいなさい』……そこで、ヨセフは立って、夜のうちに幼
子とその母を連れてエジプトに立ちのき、ヘロデが死ぬまでそこに
いた」(2章13~15節)。

 ヨセフがこのように神に全く服従することができたのは、彼が最
初にマリヤに対して正しく対処し、また神がそれにこたえて彼を正
しい道へと導かれたからです。神は、このようなヨセフをご自身の
御子キリストの法律上の父として選ばれたのです。

拙著「キリストの生涯の学び」10 「ヨセフへの告知」より転載





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Last updated  2006.12.20 08:41:21
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