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[ルツの勤労」
ルツ記、2章
ナオミがベツレヘムに着いた時、彼女は、町の女たちに「私は満
ち足りて出て行きましたが、主は私を素手で帰されました」と言っ
て(1章21節)、その苦しい胸の内を明かしました。ところが主は、
ナオミとルツに豊かな祝福を与えるために、「大麦の刈り入れの始
まったころ、ベツレヘムに着」くように彼女たちを導かれたのです
(1章22節)。
一、はからずもボアズの畑に落ち穂を拾いに行き、彼の関心
をひいたルツ(1~7節)
イスラエルには、貧しい者と在留異国人のために土地の収穫を刈
り入れるときは、畑の隅々まで刈ってはならず、収穫の落ち穂を集
めてはならないという情け深い主の律法がありました(レビ19章
9、10節)。ルツのように身寄りのない貧しい在留異国人が生計を
立てるためには、落ち穂を拾うしかなく、これが厳しい現実でした
(2節)。
しかし「このようにわびしくイスラエルの祝福にあずかることは、
人の施しではなく、むしろ神が与えてくださる権利として認められ
ていました」(A・イーダーシャイム)。それでもルツが落ち穂を
拾うことは、生易しいことではなく、イスラエルの神に対する信仰
としゅうとめナオミへの愛がなければ、決してできないことです。
主は、このようなルツをご自身の摂理の御手をもって導かれまし
た。ルツが出かけて行って落ち穂を拾い集めたのは、「はからずも
エリメレクの一族に属するボアズの畑のうちで」した(3節)。し
かも、「ちょうどその時、ボアズはベツレヘムからやって来」まし
た(4節)。そしてルツはボアズの目に留まり、彼の関心をひいた
のです(5~7節)。
二、ボアズの畑において、彼の至れり尽くせりの親切にあず
かったルツ(8~16節)
落ち穂を拾うことは、主の律法によって貧しい人や在留異国人に
与えられた権利です。しかし実際には、その権利を認めようとしな
い人たちがいました。落ち穂を拾い集める人は、刈る者たちの世話
をしている若者たちに、じゃまをされたり(9節)、恥ずかしい思
いをさせられたり(15節)、しかられたり(16節)、いじめられた
り(22節)したのです。
ルツは、ナオミからこのような厳しい現実を聞いていたことでし
ょう。またボアズも、このようなことは知っていました。彼は、ル
ツのことについてすっかり話を聞いていたので(11節)、若者たち
に彼女のじゃまをしてはならないと、きつく命じただけでなく(9
節)、彼女の飲み水や食べ物のことまで心を配り(9、14節)、さ
らに束からわざと穂を抜き落としておいて、拾い集めさせるように
と、そんなことまで命じたのです(16節)。
ルツは、取るに足りない者がこのようなボアズの至れり尽くせり
の親切にあずかって、初めは恐縮するばかりでした(10節)。しか
し彼女は、彼の立派な人格とそれを形造っている敬虔な信仰を知る
と(11、12節)、彼の好意にあずかることを求めたのです(13節)。
三、ボアズの畑で働いたことをナオミに話し、引き続きそこ
で働いたルツ(17~23節)
ルツは、夕方まで落ち穂を拾い集め、しゅうとめにそれを見せま
した。いままで「ナオミは、弱さによって不平を言い、不信仰によ
ってつぶやき、自分が神に捨てられ、また悩まされたと思っていま
した」(A・イーダーシャイム)。けれども彼女は、ルツが落ち穂
を拾い集めた所がボアズの畑であることを知ると、心から主に感謝
して、「その方は......買い戻しの権利のある私たちの親類のひとり
です」とルツに告げたのです(20節)。
「彼はもはや有力者(1節)でもエリメレクの一族のひとり(3
節)でもなく、近親者(20節)でさえない。彼は買い戻しの権利の
ある者である」(A・マクドナルド)。
その後、ルツは、大麦と小麦の刈り入れの終わるまで約二か月の
間、落ち穂を拾い集め、しゅうとめと暮らしたのです(23節)。
拙著「士師とサムエルの生涯」30「ルツの勤労」より転載
