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「人間観と神観と信仰」
甲斐慎一郎
創世記、2章4~7節
人間の本質は何かということについては、およそ次のような三つ
の考え方があります。
▽人の究極の実在は物質である(唯物論)
▽人の究極の実在は動物である(進化論)
▽人は、神の像に似せて造られた不滅の霊を持つ者である(聖書)
一、人の究極の実在は物質である(唯物論)
唯物論は、究極の実在は物質であるというもので、史的唯物論は、
マルクスによって提唱されたもので、マルクス主義とも呼ばれ、共
産主義国家の哲学的教条となっています。
二、人の究極の実在は動物である(進化論)
進化論は、無から有を生じる自然発生という偶然から始まり、無
生物から生物へ、そして猿から人間へ進化したというものですが、
唯物論者は、進化論を受け入れています。
「社会主義・共産主義・無政府主義、その他多くの『左翼』運動
の科学的で理論的な根拠として進化論が使われてきました。その一
方で『右翼』の哲学者は、『闘争』と『適者生存』というダーウィ
ン進化論の概念を用いて、ナチズム・人種差別・帝国主義・自由放
任的資本主義などの多くの有害な体系を正当化しようとしてきまし
た。前者に属するマルクス、レーニン、スターリンは熱烈な進化論
者でしたが、後者に属するヘッケル、ニーチェ、ヒトラーもやはり
熱烈な進化論者でした。
世俗ヒューマニズムの教義として有名なヒューマニスト・マニフ
ェストが一九三三年に宣言されましたが、その第一条と第二条では、
宇宙と人類が進化したことを事実としています。どんな形であれ、
無神論・汎神論・神秘主義は必然的に進化論に基づいてしまいます。
決定論・実存主義・行動主義・フロイト主義、その他同様の非道
徳的心理学体系も進化論に基礎をおいています。......実質、進化論
は、無神論やヒューマニズムだけでなく、汎神論(あらゆるものを
神として崇拝)・神秘主義(霊との接触やそれへの帰一融合)・ア
ニミズム(あらゆる事物に霊魂や精霊を認めてそれらを崇拝)など
さまざまな宗教の根幹をなす前提です。
広く信じられている民族宗教(道教・仏教・儒教・ヒンズー教・
他同様の信仰)はすべて、本質的にある形式の進化論に基づいてい
ます。......進化論の哲学は、ほとんどの反キリスト教的な社会哲学
・経済哲学・宗教哲学の基礎であるだけではありません。今日世界
を荒廃させている多くの反社会的で不道徳な行為(妊娠中絶、麻薬、
同性愛、動物的不道徳など)に対して、進化論という疑似科学が理
論的根拠を提供しているのです」
(ヘンリー・M・モリス『科学は聖書を否定するか』68~70頁、C
RJ出版、2006年)。
三、人は神の像に似せて造られた不滅の霊を持つ者である (聖書)
人は、いのちの息(霊)を吹き込まれたことによって「生きもの」
となりましたが(7節)、人の霊は、神の霊(聖霊)がともにおら
れることによってのみ生き続けることができます(創世記6章3節)。
ところが人間は、罪を犯し、堕落してしまいました。
人が堕落したということは、人の霊から神の霊(聖霊)が離れて、
その人の霊が死んでしまったということです(同2章17節)。
そこで神は、人に聖霊(神の霊)を与えて、人の霊を再び生き返
らせるように計画し、そのことを実行されました。これがイエスの
十字架による罪の贖いとその結果である聖霊の降臨です。「神はこ
のイエスをよみがえらせました。......神の右に上げられたイエスが、
御父から約束された聖霊を受けて、今あなたがたが見聞きしている
この聖霊をお注ぎになったのです」(使徒2章33節)。
「人の究極の実在は物質である」という唯物論も、「人の究極の
実在は動物である」という進化論も、人を罪から救うことができな
いだけでなく、いくつかの思想は人を罪に陥らせるものです。これ
に対して「人は神の像に似せて造られた不滅の霊を持つ者である」
という聖書の教えは、聖霊によって霊が生き返り、罪から救われる
ことができるのです。
緑の文字は、ヘンリー・M・モリス『科学は聖書を否定するか』
からの引用ですが、まえがきに以下のような謝辞を述べています。
本書の原稿は正確を期し、以下の専門家に査読して頂きました。
◇マルコム・A・カッチンス博士(オーバーン大学航空宇宙工学教
授)
◇カール・B・フライヤーマンス博士(デュポン株式会社微生物生
態学者)
◇ドナルド・D・ハマン博士(北カロライナ州立大学食物技術教授)
◇デイビッド・メントン博士(ワシントン大学/セントルイス解剖
学準教授)
◇ジョン・R・メイヤー博士(バプテスト聖書大学生物学教授)
◇ジョン・D・モリス博士(創造科学研究所地質学準教授)
◇ジョン・W・オラー博士(ニューメキシコ大学言語学教授)
◇ジョン・C・ウィットコム神学博士(グレース神学校大学院学長)
これらの方々の多数のすぐれた提言に感謝します。その大部分は
本書の中に取り入れましたが、本書の最終責任はすべて私にありま
す。 ヘンリー・M・モリス
