ユーカリの木陰で里の行

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2010.06.20
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カテゴリ: チベット仏教

午前中に子どもたちのために開かれる
「 Dharma Club 」に行ってきた。
息子は家で遊んでいたいとぐずったので、娘だけを連れて。

お天気も悪く寒~いせいか、
子どもたちの数もいつもより少なくて、20人ほど。
まず輪になって、
チベット仏教徒で地元の学校教諭でもあるJ先生を囲んで、自己紹介。
瞑想 をした。

いつもなら、この後は子どもたちの年齢によって
3グループに分けられるのだけど、
今日は人数が少ないせいで、2グループに。
8歳のメェは、小学生の子どもたちに混じる。

この ダーマ・クラブ 、子ども相手でシンプルな仏教クラスながら、
大人が聞いても、なかなか面白いの。
子どもの教育に役立つ実践的なインスピレーションももらえるので、
私も時間があるときは、メェに付き添いがてら参加している。

で、今日のテーマは、 怒りのコントロール

まずJ先生が、仏教関係の絵本を読み聞かせる。
リトル・ブッダが怒りまくる友だちに穏やかに対応するってお話である。
それから子どもたちと、怒りについて話し合う。

 怒っている人はどんなふうに見える?
 素敵? 近寄りたくない? 恐い?


 イライラする? 哀しい? ハッピー?

 あなたが誰かに怒ったとき、何をしている?
 その人に怒鳴る? やさしくする? 攻撃する? 

 その後、相手はどうする?
 褒めてくれる? 怒鳴り返す? 

 それでその後、どんなことが起こるのかな?
 何かいいこと? いやなこと?

 怒りは、ほんとうにあなたをハッピーにしてくれた?

 怒りは、ずっと続くの?
 それとも、そのうち収まるもの?
 怒りは、あなた自身なの?

 怒りをコントロールするには、どうすればいい?
 怒ったとき、どうすれば怒りを鎮められるかな?

 誰かがあなたを怒ったら、どうする?
 怒鳴り返す? 逃げる? どうして怒っているのか尋ねる?

子どもたちは、怒りという感情について話し合ってゆく。
自分の中の怒りと向き合い、怒りの経験を探り、
怒りに対する対処法を考えてゆく。

それから怒りを観察・分析するためのシートが配られた。
さっきみんなと話し合って考えたことをもとに、それぞれが考えを纏めてゆく。
言葉に記すことで、怒りに対する理解を深めてゆくのだ。

子ども用にアレンジされたものとはいえ、
こういう 観察と分析によるアプローチ は、チベット仏教のエッセンスである。
仏教が、宗教と言うより、心理学だといわれるゆえんだろうか。

自分よりは2、3歳年上の女の子と組んで、
シート作業にいそしむ娘の後ろ姿を眺めながら、私も自分の怒りを考える。
私は怒りをコントロールできているんだろうか?
怒りに振り回されたりしていないか?、とか。

私はもともと怒りっぽい人間である。
20代のころは短気のうえ、忍耐力にも欠けて、瞬間湯沸かし器タイプで。。。
自分でもあのころから比べれば、だいぶマシになったとは思う。
とはいえ、いやぁ、まだまだだなぁ~。

ただ子どもを叱るときだけは、怒らないように気をつけている。
教育は、怒りからではなく、愛と英知からされなければならない、って
あの金言をなんとか守ろうとして。
もちろん、怒った振りはするけれど、決して心は怒らないように。
ワンちゃんたちの躾けも同様。

これも 言うは易し、行うは― で、実践するのは難しい。
とりわけ忙しいときに、
支離滅裂な我儘難題を突き付けて ギャーギャー 泣きわめく息子や、
エラソー生意気な言い訳並べ立てては逆切れする娘、
さっきトイレに行かせたのに、しら~とおしっこを床にしてしまう
愛犬チャールスやポーポーを前にしては。
演技じゃなくて、ほんとに声が震えてしまったりして。
それでも、なんとか怒らずに怒れているかな、とは思う。

私の場合、怒りのコントロールについて、
練習の場を多々提供してくれているのは、間違いなく ダディン である。
ダディンが、「お靴にお砂が入った~」と、むずがるムゥの靴を脱がせて
その靴を食卓の上にのせてしまうとき(ひぇ~、なんて不衛生なの~っ!?と
青筋立ったものだけど、靴を食卓に置いてしまうオージーダディや義父母は、
ママ友たちの話からすると、なにもうちのダディンだけではないらしい…)、
ヤツが真顔で、はったりをかましたり、
私がとてもそんな気温じゃないと言っているのに
子どもたちを海やプールに連れ出して、風邪をひかせてしまうときなんか――。
日々ささやかながら、けれど確実に私の忍耐が試される場を提供してくれている。

私は怒りからではなく、愛と英知から、話し合わなくてはならない。
そう頭ではわかっているけれども、心はただちに、 キーッ!!!
だから言ったのに~、あんたって奴は~っ!!
ほぉらね、怒りで声も指先も、 ピキビキッ 震えているでしょう。
彼なしに私の、忍耐や怒りのコントロールに関する学びの場はなかったかもしれない。
そう思うと、感謝、なのかなぁ…。て、違うか。

さて、怒りのレポートを完成させた子どもたち、
今度はJ先生の作った ゲーム を始める。
一人がメッセージの入った箱を手にして、みんなで音楽に合わせて歩く。
音楽が止まったとき、箱を手にした子が箱の中から紙を一枚、抜き取って、
向き合っている子に向かって、その言葉を投げかけるのだ。

箱の中には2種類の紙が入っている。
ピンクの紙は、「君はやさしい人だね~」とか「一緒に遊ぼう?」とか
ポジティヴな言葉。
緑の紙には、「君にはムカつくよ!」とか
「君なんか嫌いだ、向こうへ行け!」とかネガティヴな言葉が。
それを感情こめて、相手に伝える。

言われた子は、その言葉を受け取ってもいいし、
拒否してもいい。
受け取った子は、箱ごと受け取って、
次のメッセージを誰かに手渡すって、ゲームである。

ゲームを通して、子どもたちが学べるようになっている。
たとえば、何がポジティヴで、何がネガティヴな言葉なのかを認識してゆく。
そうして、それに続く結果(いわゆる、 カルマ ですねぇ)を学んでいく。
また、他者から投げられたネガティヴな言動は、
受け取らなくてもよいのだ、とゲームを通して練習してゆく。
誰かにネガティヴな言葉を言ったらどうなるか、
また、人から言われたネガティヴな言葉を、いちいち真に受けて
気にしたり、傷つく必要はないって、認識していることは大切だから。

ゲームの後、子どもたちは時間が余ったので、
絵本のぬり絵をして(今日の話にあった、
怒っている人と平常心の人のオーラを色で表現するってもの)、
それから小さい子のクラスも交じって、
みんなでモーニング・ティー(ほとんどランチの時間だったけど)を食べた。

ソーセージロールをほおばる娘を眺めながら、ふと思う。
私は子どものころ、ピアノや習字、通信学習や塾なんて
習い事を (わたしの希望でなかったことは別として) いろいろさせてもらったけれど、
自分の心と向き合ったり、人の心を考えたり、
心について学ぶ場はほとんどなかった。

もちろん、それは、人生の中で日々学んでゆくことではあるのだけれど、
あの莫大な時間をかける偏差値的学びを思うとき、
もっと心についての学習の場があっても良かったな~、と思う。

こういう場がいつの日か、娘の力になることを願いつつ。






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Last updated  2010.06.27 07:02:29 コメントを書く
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