ユーカリの木陰で里の行

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2012.03.22
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カテゴリ: 子育て
息子の初めての入院は続いている。
私も息子に付き添って、初めての小児科スティである。

この病院の小児科の朝は、遅い。
看護師さんが回ってくるのが8時ごろ、朝食は8時半過ぎである。

入院2日目の朝―、
結局、右手につけられた点滴は取ってもらえなかった。
点滴には抗生物質が入っているため、入院中ずっと必要なのだそうで。

ムゥは、看護婦さんから、
「ここには、あなたを治すためのお薬が入っているから外せないの。

 ちょっと扱いにくいかもしれないけど、
 あなたを治してくれる大切なバディだからね、仲良くしてあげてね!」
と言われて、妙に納得していた。

以後、点滴を「 バディ君 」と呼び、
「ここにいる間は、バディ君はムゥのお友だちなんだよ、
 ムゥを治してくれるグッドフレンドなの」スマイルと、俄然ポジティヴに扱い始めた。

時々、子どもの聞きわけの良さというか、
フレキシブルな状況適応能力には、感心させられることが多いけど、
今回この入院中は特にそうだった。

文句も言わずに受け入れてくれていた。

とはいえ、やはり、そこは五歳の子。
ともすると、バディ君の存在をすっかり忘れてしまう。
お目当ての物を見つけたり、トイレに急ぐとき、
ムゥの幼い頭から、点滴バディの存在は、ぽっかりと抜け落ちてしまっている。
度々 。

「ムゥ、バディ君! 忘れちゃってるよっ!」
点滴の針が抜け落ちてスプラッターな事態になっては大変!と、
そのたび私は青くなって、声を荒げるのだった。

でもって、暇を持て余したりすると、
無意識に、バディ君の足によじ登り、
公園の遊具で遊ぶかのように、ぶらぶら揺れてみたりしてしまうんだから。

「ムゥ、何やってんの!
 バディ君ごと倒れちゃったら、どうすんの!
 今度は外科、行きたいのっ!?」と、クラクラしながら叱ることに。


ここでは9時ごろにまず第一弾の医師団が、どやどやっと回ってくる。
夜中、子どもの付き添いで疲れ、だらりとした大人たちからは一線を画し、
彼らはユニフォームやスーツでびしっと身を固め、テキパキッと動いてゆく。
オーラの弱った病棟にあって、彼らのエネルギーの強さはほとんど軍隊的。

息子は毎朝、その気配を察するや、
「ママ、早く着替えないと!
 これ(朝食のトレー)、どかしちゃって!」
と俄然、きちんとしなくちゃ!モードに切り替わり、
背筋をしゃきっと伸ばして、良い子化する。

どうやら医師団に好印象を与え、一刻も早く退院したい一心からであるらしい。
 ムゥ、そういう問題じゃないんだよ、と
思わず小さな肩を揉んであげたくなってしまう。

ちなみに医師団の中では、息子の症状が、
 汗疹からの炎症か?
 はたまた、アトピーからの炎症か?
ということで、その意見が分かれていた。

結局、アトピーの専門医に診断を仰ぐ、ということで合意。

したものの、その病院に二人しかいない提携アトピーの専門医のうち、
一人はホリデー中。
残る一人は、シティにある別の病院で勤務中にて忙しく、
こんな遠くまで足は延ばせない、とのこと。

そこでやむを得ず、
ここでの息子の担当医が患部写真を自分のスマートフォンで撮って、
専門医にメールで送り、診断を仰ぐことになった。
 おいおい、そんな素人写真でちゃんと診断ができるのか!?しょんぼり
かなり不安ではある。


さて、空いた時間は、ムゥ待望の プレイ・ルーム へ。
昨夜発見してから、今日はここで遊ぶのだと楽しみにしていたのだった。

ただ、昨夜は予想もしなかった、
常に点滴バディ君と手を繋いで一緒に行動しなくてはならない、
という事態に陥ってしまったがために、
遊びにもかなり制限が加わってしまったのではあるけれど。

それでもムゥは、点滴バディ君と並んで小さなデスクに向かって、
工作を始めた。
右手をバディ君とつないでいるため、大したことはできないのだけど、
夕方、面会に来てくれるお姉ちゃんに何か作ってあげるのだ、と
楽しそうに日本の旗や紙人形をつくっていた。

私も小児科スティは初めての経験なので、他の病院のことはわからないのだが、
病院に、こういう空間が存在するというのは、素晴らしいことだと思う。

子供用のテーブルと椅子が置かれ、
絵本や工作、お絵描き道具にくわえ、ドールハウス、おままごとセット、
ファーム(農場)やオーストラリアの動物なんて遊具が並んでいる。
壁には子どもたちの絵が貼られ、
「子どもを褒める100の言葉」とか、温かくポジティヴな情報が掲げられていて、
ほとんど幼稚園のお教室って雰囲気。

そのうえ、ここには常駐の プレイ・セラピスト までいるのだ。
病気や事故で心が萎んでしまった子どもたちが、
遊びを通して元気を取り戻せるように精神的ケアをしてくれる。
親たちの相談にも乗ってくれるのだそうで。

セラピストのお姉さんは、ベッドから起き上がれない子どもたちのために、
出張サービスもしていた。
午前中それぞれの病室を回って、子どもたちに声をかけては、
おもちゃや本、工作の道具なんかを貸し出していた。

息子もプレイ・ルームとセラピストのお姉さんには、お世話になった。
お姉さんは、右手を点滴バディ君とつないでいるため、
お絵描きや工作が難しくなってしまったムゥと一緒に
カード遊びをしてくれたり、スペル遊びをしてくれたり。

最初の夜に入院してきたマシュー君(仮名)とも、ここでお友だちになったのだった。
お姉さんと一緒に三人で遊びながら、他愛無いおしゃべりや、
互いの入院の話なんかをするうち自然、打ち解けることができたらしい。

メェが面会に来たときには、
ここのドールハウスやファームで一緒に遊んでいたし、
病室にテレビがないので、ここにテレビを見に来たりもしたのだった。


この小児科には、
ホットドリンクの病室内への持ち込みは一切禁止 、という掟があった。
子どもが火傷をしないようにとの配慮らしいが、他の病院はどうなのだろうか?

そこで私はカフェラッテ欲しさと暇つぶしに、
ムゥを連れて病院のカフェテリアに行こうとしたのだが、
点滴をつけた子どもの小児科病棟からの外出は禁止 、という
別の掟に触れてしまい断念した。

代りに小児科病棟の中に休憩室「Sitting Room」があって、
そこでホットドリンクが飲めるとのこと。

行ってみると、その部屋にはテレビとカウチが置かれ、
申し訳程度にインスタントコーヒーと紅茶にカップ、
給油機なんかが置かれていた。

ラッテは諦め、ここのインスタントコーヒーで、
ムゥに絵本でも読み聞かせながら一息つこうかと思ったら、
「 子どもの入室厳禁 」とガラスのドアに貼り紙がしてある。
むむむ、第3の掟。子供を火傷のリスクにさらしてはならないのだった。

それで午後、ムゥがプレイ・セラピストのお姉さんと楽しげに遊んでいる隙に、
そそくさと休憩室に駆け込み、
かなり遅れてモーニング(?)コーヒーを楽しんだ。
いやぁ、インスタント・コーヒー一杯も、小児病棟にあっては贅沢品ですね。

やはりホットドリンクを求め、駆け込んでいた同じ病室のお母さんと
ほっと一息。

彼女の娘さんはムゥの向かいのベッドで、足をギプスで固定されていたから
交通事故か何かに遭ったのだろうと思っていたが、
なんと原因は、ヘビであった。

なんでもホリデー中に旅先で、ブッシュウォーキングを楽しんでいたら、
足をヘビに噛まれてしまったんだそう。
毒蛇じゃあなかったものの、傷口から化膿して炎症を起こしてしまい、
1週間入院が確定してしまったんだそうである。
とんだホリデーだった、と苦笑してらした。

入院も時が経つほど自然、他の方々と言葉を交わす機会も多くなる。

ムゥの隣のベッドには、
アジア系の男の子が母親に付き添われて入院していた。
毎晩お父さんとお姉ちゃんにくわえ、
お祖父ちゃんとお祖母ちゃんまで家族総出で面会に来るから、
ずいぶんと結束の固い大家族なんだナと思っていたら、
祖父母の方は、なんとベトナム在住の方々であった。

お気の毒にも、娘さんとお孫さんに会いに、
わざわざベトナムからオーストラリアまでホリデーにいらしたのに、
突然3歳のお孫さんが足の痛みから緊急入院になってしまって、
病室で束の間、娘さんとお孫さんとの面会を果たしているんだそうな。
まさにこちらも、とんだホリデーである。

もう一人、父親に付き添われ、夜中に慌ただしく入院してきた
マシュー君(仮名)は、一番後から入院したにもかかわらず、
一番最初に、やはり慌ただしく退院していった。
ムゥとはプレイルーム・メイトになっていたので、お別れの挨拶に来てくれた。
別れを惜しんでいた二人の姿が微笑ましかった。

余談だが、マシュー君のお父さんは生まれもオーストラリアのオージーだが、
お母さんの方はインドからの移民である。

以前、オーストラリアでは、
本人が外国で生まれたか、もしくは両親の一人が外国生まれのオージーは、
人口の4分の1に上るのだと聞き、
そのエスニック・パワーに驚いたものだけど、
この病室は、まさにその縮図みたいなものだった。

4人中、両親ともオーストラリア生まれの子は、
向かいのベッドに横たわる、ヘビに噛まれた女の子だけである。
その数時間後、マシュー君に入れ替わりやってきた男の子は、
インド系の移民だったし。


さて、汗疹かアトピーか?で揉めていた、ムゥの診断。
アトピーの専門医は、担当医がメールした患部写真を元に、
アトピー性炎症と診断を下した。
ムゥは重度のアトピーということで一件落着(?)を見たわけである。

そのさい担当医が、「専門医は、
アトピー性皮膚炎による炎症という診断に満足している」と伝えたのだが、
「満足」に「 happy 」という表現を使ったので(英語ではよく使われる表現ながら)、
ムゥの顔色が、瞬時にして変わってしまった。

「 ハッピー!?
 どうしてそのお医者さんは、ムゥがアトピーだと ハッピー なの?」と、
今にも泣き出しそうな顔で聞いてくる。
私は思わず吹き出しそうになりながら説明したのだけれども、
あの表情は未だに忘れられないな。


結局息子は、2泊3日と言われていたが、3泊4日入院した。
長かったような、あっという間だったような入院生活。

良く言われることではあるけれど、
病気になると、健康のありがたさが身にしみる。

普段は、慌ただしい日常に追われ忘れてしまうけれど、
家族そろって元気で暮らせるって、なんてありがたいことなんだろう。

息子の治療は退院してからも続く。
来月には病院で、
アトピーの専門医からワークショップを受けることになっている。
そこで私たちもアトピー性皮膚炎のことを学んで、
今後は入院しなくちゃならないほど悪化させないよう対処してゆきたいと思う。

健康って、ほんとありがたいですね。
みなさんのご健康を、
子どもたちの元気な未来をお祈りして。

OM MANI PADME HUM








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Last updated  2012.04.17 08:50:47
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ttsqhvtcy@gmail.com  
バーバリー t シャツ さん
こんにちは、またブログ覗かせていただきました。また、遊びに来ま~す。よろしくお願いします バーバリー t シャツ http://burberry.onasake.com/ (2013.03.10 16:05:08)

Re:ムゥ、初めての入院・その後編(03/22)  
ありがとうございます。またいらしてください。

rfmkfu@gmail.com  
財布 ヴィトン さん
今日は よろしくお願いしますね^^すごいですね^^ 財布 ヴィトン http://louisvuitton.gamagaeru.jp/ (2013.03.15 12:48:41)

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