ユーカリの木陰で里の行

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2012.04.15
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カテゴリ: 愛犬
メルボルンは、 紅葉の秋 。
色づく木々を楽しもうと週末旅行に出かけてきました。

湖と木々が美しい癒し系の町、Daylesfordに。
ここは、とりわけこの季節、ポプラやモミジなんてヨーロッパ系の木々が、
黄金色や真っ赤に色づいて、とても綺麗なの。

去年は両親と姪っ子も一緒に行ったけど(去年8月のブログです^^)
今回は 犬 で。
ポーポー チャールス にとっては、2度目のホリデー旅行です。

犬連れなので、ドッグフレンドリーなホリデーハウスに滞在。
小さいながら、
犬もOKにしては、なかなかな素敵なエドワード調の家でした。

裏庭には大きなイチョウの樹が、真っ赤に色づき―
だけど残念、半分は既に葉を落としてしまっていました。
どうやら今年Daylesfordの紅葉は、例年よりも早かったらしくて。

それでもお天気に恵まれて、
日曜日にはゆっくりと湖畔のお散歩を楽しんできました。

かなり葉を落としてしまった木々もあったけど、
ポプラの木々など金色に色づいて、うっとりするほど美しい。

かさかさと落ち葉を踏みしめ、の~んびりと歩く―

ぽかぽか秋の木漏れ日の中、
子どもたちは、ライトセーバーを手に、スターウォーズごっこ。
ダディンはチャールス、私はポーポーの手綱を引いて、
さくさくっと落ち葉を踏みしめ歩く感触は、
う~ん、秋

途中、芝生の向こうに あひる の群れを発見。
14、5羽くらいいただろうか。
アヒルたちがちょこまかと草をついばんだり、日向ぼっこしたり。

「ママ~、アヒルさんだよ~!
 たくさんいるよ~
 かわい~大笑い
 写真撮って~!」と、息子。

「ほんとだ、かわいいねぇ」
私もカメラを取り出し、アヒルに向けてレンズを構える。

と、今まで、そこらを自由きままにふらついていたアヒルたちが、
なぜかいっせいにこちらを見た!ではないか。
でもって、長い首とお尻をふりふり、
ぺたぺた、ひょこひょこ 、アヒル歩きでこちらに向かってやって来る。

写真は、こちらへ向かい始めたアヒルたち、その瞬間。
この直後アヒルの群れは集団で、なぜかすごい勢いで迫り来たのでした。

「なんか、アヒルが私目がけて迫って来る気がするんですけど、
 気のせい?」
その迫力にビビりつつ、恐くなって
既に遠く向こうを歩いているダディンと子どもたちに叫んでみる。

「気のせいじゃないよ~、ママ狙ってるよ~!
 何やってんの、呑気に写真なんかとってないで早く逃げて!」と、娘。

「餌くれると、勘違いされてるんじゃないかな~」と、悠然とダディン。

「ママ~、やられちゃうよ~
 早く逃げてよ~、走ってよ~!!!」と、息子。

周囲にも何人か人がいたのに、なぜかアヒルたちは、
確かに私を目がけて、迫り来るのだ。
なぜっ!?

バクバクッ心臓を高鳴らせつつ、瞬時に様々な危機管理的思考が過る。
でも、ここでうかつに走ってしまっては、追って来られてしまうのではっ!?
犬は逃げると追ってくるっていうし…。
いっそ固まったまま死んだふりは?
あ、それはクマか…

「 ママのバカ~、何やってんの~ 早く逃げて~、走ってよ~! 」号泣

ムゥの切羽詰まった声に、子供を恐がらせてはいけないと微かな理性を取り戻し、
「大丈夫だよ~、今行く~」などと応えてはみるものの、
視界では、 アヒルの くちばし が大写しになってゆく。

この くちばし
 しかもくちばし、たくさん…
びっくり

そう思ったとき、
いざとなったらバッグとカメラを振り回して 逃げよう! と決意した。
って、そんなことして当たったら、アヒルさんの長い首、折れちゃいますよね。。。
ごめんよ、アヒルたち。菩提心からはほど遠く…

だけど心の中では、くちばしに突つかれるときの恐怖が蘇っていた。
子供のころに飼っていた、 ニワトリ のことを思い出していた。


その ひよこ は、私が小学校3年生のころ、
母が動物好きな私たちのために買ってきてくれたのだった。

ぴよぴよ、ふかふか、
愛らしいことこのうえない、そのひよこを、
妹と私は「 ピヨちゃん 」と名付け、世話を始めた。

「でも露店のひよこだから、長くは生きられないかもね」、と母。

だけどピヨちゃんは、母の予想に反して、めきめきと大きく育ち、
もはや「ピヨちゃん」なんて名前はまったく似合わない、
立派な茶色い 雌鶏 に育ったのだった。
そうして毎朝、元気にコケコッコーと鳴いて、ちゃあんと卵も産んでくれた。

ピヨちゃんは、もはや容姿も、その名とは相容れなくなっていたけれど、
性格も、全然「ピヨちゃん」なんて可愛らしいものではなくなっていた。

とにかく、ものすご~~~く 気性が激しかった 。

ずっと鳥小屋じゃかわいそうだからと、裏庭に出すたび、
ピヨちゃんは、何が気に入らないんだか、
コッコッコッとこちらに突進してきては、足を突っついた。

しかも背後から、アキレス腱の辺りを狙ってくるので、
突かれると、痛い、痛い。
痣はもちろん、血がしたたってくる。

私は、いつもピヨちゃんに足を突つかれないかとドキドキしつつ、
自転車を物置にしまっていたものだ。
裏庭を横切らなければならないときは、
カバンなんかを盾にして、突かれないよう身を守りながら急いだ。

たまたま裏庭の門が空いていたりして、
そこを近所の人が通り過ぎようものなら、
カッと飛び出して、わざわざ追っ駆けて行って、足を突いたりした。
だから近所では、番犬さながらの脅威となっていた。

一方、うちには スピッツ がいた。

私は物心ついたときから犬を家の中で飼えと駄々をこね、
チロくん は、ようやっと飼ってもらったスピッツの二代目だった。
だけど家の中で飼うことまでは許してもらえなかった。

チロくんは、世間的には番犬と言われていたけれど、
おっとりした犬だったので、ほとんど番犬の役目は果たしていなかった。
誰がやって来ようが、ウチの前を通ろうが、
すやすやとお昼寝をしていた。

ピヨちゃんは、人間を見ると攻撃するような獰猛(?)なニワトリだったけど、
チロくんが大好きだった。

よく鶏小屋から脱走しては、チロくんと一緒に寝ていた。

卵を産まなくなってからも、ピヨちゃんは相変わらず元気で、
私たちを追い駆け回し、長生きした。

晩年のピヨちゃんは、いつもチロくんと一緒に犬小屋で寝ていた。

そのころには、近所の人を追っかけて突っつくようなこともなくなっていたので、
両親もピヨちゃんを鶏屋に入れることは止めて、
チロくんと一緒に犬小屋で寝かせていた。

犬小屋で、スピッツとニワトリが一緒に寝ている風景――、
今も切なく心に残っている。

私たち家族が暮らす家の外に、犬小屋と鶏小屋を与えられ、
生活していたふたり。

その1羽と1匹が、家族のように寄り添い、同じ屋根の下で生きていた姿が、
たまらなく切なかったのだと思う。

ピヨちゃんとチロくんは、自らの意思で、互いを 家族 に選んだのだった。

冬のある朝、ぴよちゃんは、犬小屋で冷たくなっていた。
最後の夜も犬小屋で、チロの身体に寄り添っていたのだった。


そんなことを思い出しながら、木漏れ日の下、
がさごそと足の下で鳴る落ち葉の音を聴き、湖畔を散歩した。

既にあひるの群れは後方に小さくなっている。

相変わらず元気な子どもたちは、
ライトセーバーを振り回し、飛び跳ねるように前方を走ってゆく。

小さなポーポーとチャールスも、短い脚をちょこまかちょこまか動かし、
私たちと一緒に歩く。

カブードルとシーツ―マルチーズで(ロストドッグホームから引き取ったので、
詳しい犬種まではわからないのだけど、たぶん)、小さいから、
時々落ち葉の中に、身体が半分うずまってしまったりして。
それでも落ち葉を蹴散らし歩くのは、楽しいらしい。

さっき町をぶらついたときに、子供たちが見つけたドギーコート。
チャールスは、ちょっとレトロな黒いマント風、
ポーポーはピンクのタータンチェックのコートが、
2匹とも、とても良く似合っている。

湖の周りを2時間かけて、のんびりと散歩した。


夜の、ホリデーの楽しみは、 暖炉 。
我が家の暖炉はお飾りと化し、使ったことはないのだけれど、
寒い夜のホリデーハウスでは欠かせない、
あたたかな風情。
夜は暖炉に火をおこして、パチパチ揺れる炎を楽しんだ。

暖炉の前、私たちと一緒にカウチでくつろぐ、
ポーポーとチャールスの、だらけた姿が微笑ましかった。

犬を家の中で飼いたいと泣いた子供時代は遠く、
自分の家に犬の姿がないなんて、あり得ない生活になって数十年。
思えば実家の方でも、何十年もワンたちの姿が家の中から消えたことはない。

ペットと一緒の生活 、なんてありがたいんだろう。
暖炉の炎を眺め、しみじみ思った。


のんびりした時間は、
忘れていた遠い昔のことや、感謝の気持ちを思い出させてくれますね。

それにしても、迫りくるアヒルの群れは、やはり圧巻、
迫力でした。(^^;








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Last updated  2012.05.09 09:37:15
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