ユーカリの木陰で里の行

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2014.11.22
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カテゴリ: 文学・執筆

「初めての英語小説を初の電子出版で」の続きです。

そんなおり、夢に Balboa Press が出てきた。
ここはHay House社の自費出版社である。
以前ヘイ・ハウス主催のライターズ・セミナーに参加したとき
バルボア・プレスのCEOもヘイ・ハウスのCEOとともに
出版事情とそのノウハウを説明していた。
そのとき、自費出版するならここもチェックしてみようと思っていたのだった。

夢や瞑想中に見たメッセージの類は素直に受け取る ことにしているので、
早速バルボア・プレスのホームページに行ってみた。

ここも電子出版だけでなく本の出版販売もしていて、
コスト的にはBook Babyとあまり変わらないくらい
リーズナブルな値段で請け負っていた。
かつ、5日間で本ができてしまうブック・ベイビーに対し、
出版まで3~6か月間と銘打たれていた。
これまで 亀の歩みペースでことを進めてきた身には
嬉しいスピード感
である。
かつ、オーストラリア支社はシドニーというのも安心感がある。

それにしても、
なんだか妙に押しの強い、営業力に満ち満ちたサイト
「さあ、今すぐこのフリーダイヤルにお電話ください!」みたいなメッセージが
サイトのそこかしこに敷かれている。
「(今すぐ)無料出版相談にお電話ください」とか
「(今すぐ)無料の出版ガイドをゲットしましょう」、とか。

そうしてコンタクトをとれば、8ビジネス・アワー

ちょっと個人情報を入れてクリックしようものなら、
骨の髄まで搾り取られてしまいそうなPR力
を感じてしまった。

恐いので、 とりあえず 問い合わせフォームだけ送ってみた。
セルフ・ヘルプ専門の出版社だと謳われていたので、
小説でもいいんでしょーか?、と問い合わせてみる。
これなら掴まったところで メルアドだけなので、大したことにはなるまい。

ところが、 待てど暮らせど音沙汰がなかった。
え~、8ビジネス・アワー内にお電話くれるんじゃなかったんすか~!
今度は、あたかも
必ず電話するね~と言っていた相手からすっぽかされたみたいな、
来るハズの連絡をもらえなかった被害者じみた気分 になってきた。

しかたないので、個人情報を入れまくり、無料出版ガイドをゲット した。
ものすご~く役に立つとは言えない類のガイドではあったけど、
せっかくダウンロードしたので、とりあえずプリントアウトしておいた。
とにかく今度こそ8ビジネス・アワー内に電話が入ることになっている。
ちぁゃんと記録が残るよう、
家の固定電話ではなく携帯の方の番号を記入してきた。

果たして、電話はきた。翌日に。
しかも車の運転中に。
車を路肩に停め、なんとか2回目のコールに出れば、
「アロー」の響き。
ハロー、訛ってた?
瞬間的に時々かかってくるインドからのセールス電話かと 思った。
けれどバルボア・プレスの方だった。

運転中だという事情と、
シドニーのやり手編集者(と勝手に思い込んでいる)と長々おしゃべりして
自分の日本語訛りのブロークンイングリッシュを悟られたくない、という
口には出さなかったけど後ろ向きな理由 から、
電話ではなくメールを送ってくれるようにとお願いして電話を切った。

早速メールが2通、バルボア・プレスと昨日電話をくれた方から送られてきた。
私の担当出版相談員だという彼女は、
エンジェルさん (仮名、だけど似たような ダイレクトにスピ系の)名前 だった。
さすが、スピ系出版社の子会社である。
営業名だろーか?
エンジェルさんは、私の要請通りこちらの質問にメールで答えてくれたけど、
電話もひんぱんによこした。

ここは、とにかく システムが整っている 、というのが
私の受けた印象である。
申込みから契約、原稿の提出(Submission)、表紙デザインや編集に至るまで、
きちんと 進行の青写真 ができていた。

でもって、 プロセスごとにそれぞれ担当の方 がつく。
まず、出版の相談にのってくれるというPublishing Coordinator、
支払いの際にはAgreement Control Representative、
契約の際にはContract Control Representative、
原稿の提出にはCheck-in Coordinator、
編集時にはEditing Team、デザインにはDesign Teamとか。

そうして 各プロセスごとにかかるおおよその期間もきちんと明記 されている。
頼む方の著者としては、出版までの青写真が見えるのと、
システムがしっかりしていそうなので、安心感がある。
とにかく本は出るだろう、みたいな。

この、 きちんと出来上がったマニュアル感 は、
エンジェルさんと電話で話していても感じさせられた。
私が何か質問すると、とりわけそれが複雑な質問になると、
とたんに 何かを朗読するような長文説明 がかえってくるのだ。
しかもそれまでの、のんびりした会話からはうってかわって、
エンジェルさんの口調が ものすご~~~く早口 になるのだった。

この時点で私は、彼女も訛りがきつく、
たぶんネイティヴ・イングリッシュ・スピーカーではないらしいと思っていた。
経験から、 ネイティヴでない者同士の会話は誤解が生じやすく、
ともすれば恐ろしい事態になってしまう
ことは学んでいたので、
彼女がこのモードに入ったときにはメールで説明してくれるようにお願いしていた。
それにもしもの場合、
口先だけで記録がないと、後で言った、言わない、の世界に なってしまうし。

すると、ガイドブックかマニュアルから抜粋したようなメールが届く。
時々「ここに本の名前を入れる」みたいな箇所があって、
そこに 彼女が(私の)個人情報を入れ忘れていたりして、、、
閉口しつつも微笑ましかった。(^^;

エンジェルさんの 積極的で忍耐強い説得、いや、説明のお陰で
週の終わりには、信頼できそうな合格ラインだと判断し、
バルボア・プレスと契約を結ぶことにしたのだった。

そうして、契約を結ぶ約束をしていた週明けの朝、
電話がかかってくるはずの時間になっても
エンジェルさんから連絡は来なかった。
訝りつつ、電話をかけてみたけれど、つながらない。
既に支払いを済ませてしまった後とあっては青くなるところだけれども、
まだ契約も交わしていない のに…。

彼女の内線にメッセージを残しても、折り返しの電話も、メールもなく―。
今までかなりしつこくかかってきていた電話が、掌を返したように
途絶えてしまったのだった。
病欠でもされているのだろうか?
それにしても…。

不安になって、ネットでバルボア・プレスに関するトラブルを調べてみた。
と、出版コーディネイターの押しに負けて、
本も完成していないにもかかわらず契約してしまったけど、
いっこうに本は完成しそうにもない。
諦めて、契約を取り消そうにも、担当のコーディネイターと連絡がとれない。
このままでは分割払いの残りが取られてしまうから、
もうカードを破棄しなければならない、という
切羽詰まった訴えを見つけてしまった。

担当のコーディネイターと連絡がとれない…。
インターネット上のことなので信憑性はわからない ながら、
不安に油を注ぐコメント である。
でも、私は まだ契約前 だし…

意外な話も出てきた。
バルボア・プレス・シドニー支社の実際の業務は
フィリピンで行われている、というのだ。
他にもペンギングループと関係してるとか、
そこの自費出版部門に実際の業務を委託しているとか。

まあ、私としては、 本が無事に出てくれれば、
シドニーでもフィリピンでも、バルボアでもペンギンでもいい のだけれど、
そういえば、エンジェルさんから携帯にかかってくる電話番号の表示が、
どう考えてもシドニー発ではなかった ことや
彼女の 英語のアクセント (もちろん私よりは数倍マシだけど)を思い出した。
私がシドニーにいると思い込んでいたエンジェルさんは、
どうやら フィリピンにいる らしい 。

翌日、エンジェルさんから電話がかかってきた。
明るく、かわいらしい声で「昨日はごめんね~」とかいう彼女に、
不満と不安を打ち明けた。
私の住むメルボルンとの時差の話も出たので、
そこがシドニーなのか、フィリピンなのか聞いてみたけれど、
エンジェルさんは笑いながら、 やんわりとフィリピン説を肯定 していた。

いずれにしても、もしもこの先突然連絡が取れなくなった場合
私はどうやって出版プロジェクトを進めていけばいいのか?しょんぼり
どなたとコンタクトをとればいいのか?みたいなことを詰問すると、
間をおいて、 例の早口解説口調 が始まってしまった。
仕方ないのでメールをお願いして電話を切った。

2通メールが届いた。
「コンタクト」と題された 真新しいEメール と、
件名の同じ、今までの続きEメール と。

新しい件名でメールが届いたのは初めてのことだった。
そのフォーマルにして、マニュアル的な簡潔さで書かれたメールには、
バルボア・プレスはチームで動いており、
各プロセスごとに係の者がいて、あなたをサポートする。
今あなたのサポートが出版相談員だけなのは、
あなたが未だ出版パッケージを選んでプロジェクトをスタートさせていないからで、
支払いを済ませた時点で、あなた専用のチームが組まれ動き出す。
だから心配せずに先に進みましょう、みたいなメールの最後に、
あなたの現地時間で 1時半に電話をかけるので話しましょう、と書かれていた。

もう一方の、これまでのメールのやり取り文をすべて含んだ、
いつもの続きメールには、
「さっき別便でメール送ったところ」で始まり、
何か他にも聞きたいこととかあったら聞いてね~と他愛ない内容に、
にこにこマーク まで入っていた。
そのカジュアルでフレンドリーな感じが、
どちらも差出人はエンジェルさんになっていたけれど、
正直、同一人物とは思えなかった 。

いずれにしても、 わざわざ別便を送ってくれた
エンジェルさんの心遣い
が感じられて、微笑まい気がしてきた。
それに結局エンジェルさん、 必ず連絡くれてた し。
バルボア・プレス、 システムはしっかり していそうだし。

その1時間後、
結局私はここで出版することを決めたのだった。

その後、支払いの際のアグリーメント・コントロール代理人や、
契約時の契約コントロール代理人を経て、
今はチェック・イン・コーディネイターのお世話になっている。
昨日やっと原稿や本に関するコピー類を提出する、
オンライン・サブミッションを済ませた。

そうそう、担当の方々は どなたもふつーのお名前 だった。
エンジェルさんからメールをいただいたときには、
スピ系出版社らしい演出 だと思ったけれど、ご本名だったのかもしれない。
いずれにしても、
エンジェルさん、その節はいろいろとお世話になりました。ぽっ

出版まで、まだまだ先は長そうだけど、
これまでの亀の歩み的ペースを思えば、
5日間であっという間に本ができてしまうよりも
ゆったり一歩ずつ、学びながら進む方が自分には性に合っている
と思う。
この先、 どんな担当の方とご縁があることやら、それも楽しみ である。

写真は、 Puffing Billy Railway、パッフィン・ビリー鉄道 。
ビクトリア州の数少ない(?)国際的観光名所、
ダンディノン山を走る蒸気機関車です。
子どもたちが喜ぶので今年も行ってきました。
ゆうらりとユーカリの木々や野に咲くかわいらしい花々を眺めながら、
窓から顔、ならぬ、足を乗り出して乗る のも楽しいですよ。
オーストラリアにお越しの際にはぜひ一度乗ってみてください。








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Last updated  2014.11.29 10:54:48
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