ユーカリの木陰で里の行

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[マックあつこ・AKO MAKの著書]


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詳しくは、 マックあつこのHP で
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2016.12.06
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カテゴリ: 文学・執筆

12月7日の日記「タマ旅―『Tamago―39歳の不妊治療』まで(前編)」の続きです。
一気にアップできなかったので、そちらからお読みください。


それから間もなくして
当時会員になっていた全作家協会の先輩作家さんから

某大手自費出版社から出版してはどうかとメールを頂いた。

自費出版は、 全く 考えていなかった。

出版しても本屋や流通には回らない、という話は聞いていたし、

興味もない友人知人に送ったところでハタ迷惑なだけだろうし。

基本的に、ダメだったら、前回同様

またそのままにして次の作品にとりかかろう、と思っていたから。

けれどそこは某大手出版社の子会社なので流通にも長けていて、

親会社から再出版と販売をしてもらえる可能性さえあるという。

ここでふっとあの霊能者さんの言葉が脳裏を過り…

どうしよう?

思い切って、本にしてみようか?

今まで数人が読んでくれたけど、殆ど男性ばかりだった。

だけどあの小説は女性に向けて書いたのだ。

妊娠や不妊症がどこかで気になる女性たちに。

今まで自費出版なんて考えてもいなかったけど、

流通してもらえるなら、

それで本が読者に届くかもしれないのなら、

試してみる価値はあるんじゃなかろうか?

だけど「試してみる」には コスト、あまりに 高 っ !

これでは日本でKの新車が 余裕で 買えてしまうではないかっ!

でも

このままあっさり諦めてしまっていいものだろうか?

あの霊能者だって…

でもコストが…

ちょうどママ友たちと Mind Body Spirit Festival というイベントに

行く機会があったので、そこでまた霊視をしてもらうことにした。

と、言葉は違えど内容は同じ。

むむむ…

結局、腹をくくって、

清水の舞台から飛び降りる気で やってみることにしたのでした。

そうして―

敢え無く 墜落 。

全身打撲 。

正直この時期、かなり混乱してしまった。

霊視だけでなく、自分でも夢やビジョンを見たり、

シンクロニシティを経験したりしていたので、

自分の直感自体がまったく信じられなくなって。しょんぼり

お金のこともさることながら、育児のことを一番後悔した。

やっと授かった子どもたちなのに。

毎朝4時に、時には夜中から起き出して、

「ママ、ママ」とベッドから自分を呼ぶ子どもたちに我慢を強いて、

書き続けた結果がこれなのか?

そう思ったら、もう書けなくなった。

執筆なんかで時間を無駄にするくらいなら、

できるだけ子どもたちと一緒にいてあげよう、と。

そんな折、ママ友のご縁で地元の図書館から

本の Book Launch 出版記念会をしてはどうかというお話を頂いた。

半年は過ぎていたから今更、出版記念でもないのだけれど、

ありがたいので、文芸モーニングティーを開くことにした。

土曜の午前中、図書館にママ友たちが集まってくれた。

子どもたちを預け、中にはケーキまで焼いてきてくれた方まで!

ありがたかった。

だけど、そこに集まってくれた方々は本の読者からは遠い人たちだった。

あの本は不妊症に苦しみながら赤ちゃんを望んでやまない女性の話なのに、

彼女たちは子育て中の母親たちなのだ。

自分の時間は1分だって惜しいだろうに。わざわざ…。

さすがに思わずにはいられなかった。

自分はいったい何をやっているのだろうか、と

そのうえ、大恥を承知で告白してしまうと、 ダメ押しの惨事 も…。

本の出版記念会の話が来たとき、それにしても

霊視とずいぶん結果が違うじゃないか、とふっと思った。

もしかして、聞き間違え? 英語だし?

思わず録音してもらったCDを聞き直せば、

Self-doubt 自己疑惑が大きな障害となっているから

「自分は必ず成功する」と書いた紙を書斎に貼っておくようにと言われている。

もしかして、 これを実行しなかったことが敗因の原因とか?

あのときは、 なんだか情けない提案 なのでスルーしてしまったけれど、

もしやこれを実行しなかったことが敗因の原因??

いや、まさか、そんな。でも…

いずれにしても、失うものなど何もない。

ダメ元でやってみても…。

それでもさすがにでかでかと書いて

壁に貼っておくのは恥ずかし過ぎて憚られたので、

小さな紙に「マックあつこは成功する」と書いて、

栞がわりに『 Tamago 』の本に挟んだ。

そうして当日、もはやそんなことは すっかり忘れて、

「成功」栞を挟んだまま

サンプル本として会場に展示してしまったのだった!

うっきゃぁぁぁぁぁ~~~~

恥ずかしいよ~~~~~~~~

バカ過ぎるだろ、自分!

あまりに情けない、

自らの記憶から抹殺してしまう以外に(できれば他者の記憶の方を

デリートしたかったけど)対処しようもあり得ない、

とほほほ…事態 なので、即忘れることにした。

そうしてこのとき決意したのだった。

絶対にもう終わりにするゾ 、と。

けれどその数か月後、全作家協会から連絡を頂いた。

前年度の会員の出版物に贈る全作家出版賞を

今年は『 Tamago 』に贈ってくれる、と。

そう言ってもらえると、ありがたくも嬉しくて、

絶対終了宣言もどこへやら、授賞式に出られるかとか聞かれ、

ちょうど祖母の1周忌と重なっていたので

日本に一時帰国することにしたのだった。

祖母が亡くなったのは、『 Tamago 』を出版してから4か月後のことだった。

その日の午後、なぜか私は突然瞑想したくなり、

瞑想を始めて間もなく祖母が亡くなったことを悟ったのだった。

祖母が既に亡くなっていた両親や姉妹たちに囲まれて現れたから。

母からも知らせを受け、急遽、日本へ帰ることにしたのだけれど、

あのときは不思議なことがいろいろとあった。

祖母の1周忌の墓前で、『 Tamago 』が全作家出版賞を頂いたことを報告し、

去年のお葬式のことを思い出していた。

祖母との最後のお別れで、妹が棺に

祖母へのメッセージを書いた私たちの漫画単行本を入れた。

続いて私も『 Tamago 』を入れたところ、

司会の方から「こちらは入れない方が宜しいかと思われます」と

取り出されてしまったのだった。

まさか涙ながらに入れた品を突き返されてしまうとは

思ってもいなかったので憮然としてしまったのだけれど、

その瞬間、

祖母の存在をはっきりと感じたのだった。

この本をあの世に送ってしまうのは未だ早いよ、と

祖母に言われたような気がした。

祖母の一周忌を終え、メルボルンへの帰りの飛行機の中で
私は自問していた。

これで終わりにしてしまって、ほんとうにいいのだろうか、と。

その数か月前に、シドニーで開催されたダライラマ法王の

講義ツアーに参加した夜に見た、鮮やかな夢が思い出された。

OLさんのような若い女性が

『 Tamago 』を胸に抱えて通りを歩いてゆくのに気がついて、

ハッとしているという夢だった。

思い出しながら再認識せずにはおれなかった。

あの本は未だ、自分が送りたいと願っている人たちには

少しも届いていないのだ、と。

『 Tamago 』の英語版を考え始めたのはこのころからだった。

とりあえず、初めの3章を訳して、

文学エージェントに送ってみることにした。

インターネットでアメリカの文学エージェントを調べて、

自分の作品に合いそうな会社を選び、

規定に沿ってシノプシス(作品の概要)やサンプル章、

著者歴なんかを添えて、数社に送ってみた。

これでダメならそれで良しとしよう、と心に決めていた。

すると、作品を読んでみたいから全原稿を送ってほしいと

ニューヨークの文学エージェントから1社、連絡が届いたのだった!

けれど送れる英語の原稿は未だ揃っていない。

仕方ないので正直に、実は日本語で本にはなっているものの

まだ英訳が全部終わっていないのだと伝えたところ、

終わるまで待つから送ってほしい、とのことで!大笑い

嬉しかった。

けれど やはり先は、長い。

全訳は、キツイ。

医学の専門用語も多かったし…

数章訳して、 既に 疲労困憊 。

そんなおり

ダライラマ法王から『菩薩戒』を授かるという機会に恵まれた。

思いもよらぬ幸運に心を改めつつ、『 Tamago 』のことが思われた。

あの作品を

菩提心を胸に、もう1度始めてみてはどうだろう?

今までもそうしてきたつもりだったけど、

こと不慣れな営業ビジネス分野、

出版・販促過程に入ってからは、程遠く―

思えば、

編集者から原稿を送り返されたときに傷ついてしまったのは、

自分のエゴの心だった。

あの「とほほほ…栞」を『 Tamago 』に挟んでしまったのも、

小我の心で…。

もう一度、大我からあの作品に取り組んでみようか。

訳だけでなく、出版や販促までも。

そもそも英訳だって、もっと読み手の立場に立てば、

贅肉を削ぎ取って、臭みを抜けるハズだし。

自分の原稿なのだから、原文に忠実である必要もないし

書き換えてしまえばいい。訳すというよりも、

むしろ英語で書き直すような気持ちで、やればいい。

そうだ、『 Tamago 』のときには触れなかったけど、

今度は「後書き」に記そう。

この小説を書く原動力となった

3つの 神秘体験 についても触れよう。

あれを書かなければ、作品も理解されないだろうから。

今度こそ、読み手の心に届くことを願って。

そうして出来上がったのが、

去年出版した『 Someday Baby: IVF at 40 』だった。

英語だから『 Tamago 』より表現力もつたなくなってしまっただろうし、

読んでくれた方の心に届いたのかもわからない。

それでも、自分が本当に伝えたかったことは、

むしろ表現できたような気がしたのだった。ぽっ

そう思ったら今度はそれを反映させた

リニューアル版『 Tamago 』を本にしたくなってしまった。

だけどまた大枚をはたいて自費出版をするような 経済的ゆとりもないし。

でも、電子出版なら?

アマゾンの Kindle とか??

いやいや、ムリ、無理。

e-bookを自分で出すなんて、私のPCスキルではとても無理だ。

だけど―

日本語だし。

表紙もあるし。

もしかして、やれるんじゃ…?

出版元に問い合わせ、電子出版できるよう解約をお願いした。

単行本の表紙を電子書籍に使ってよいかと尋ねたところ

社のロゴを消せば問題ないという。

やってみよう、と思った。

年が明けたら、原稿に手を入れて編集し直して電子書籍化しよう、と。

とはいえ、この1年が病と浄化の年になってしまったせいで、

予定よりかなり遅れてしまったけど…。

それでもなんとか

キンドルから電子書籍を出版することが叶ったのでした。

こうして長かったタマ旅も終わりに近づき、

自分的にはやれることはやったという気がしてホッとしています。

あのときの子は育てられなかったけれど、

なにかこの本を育てたことで自分も成長できた、
癒されたような気もしています。

2016年もそろそろ終わりますね。

皆様、どうぞ良いお年をお迎えください。






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Last updated  2017.03.03 12:36:43
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