窓の外へ

窓の外へ

2009年01月02日
XML
カテゴリ: 音楽
私は音楽が好きです。
「ピアノを弾く大人になりたい」と、中学生の時にふと思って、ただそれだけで音楽大学に進みました。その頃の私にとって、ピアノは子供の弾くものでした。日常生活の中でピアノを楽しんでいる大人なんて、想像することも出来ませんでした。

わからないながらも音楽からいろいろな感情の動きを知り、新しい経験を通して音楽を感じ、音楽と共に生きることはとても素敵なことだと思いました。

そして、とても心に深く残る思い出があります。
RちゃんとMちゃんという姉妹を教えていた時のことです。
週に1度、私は彼女たちのお宅にピアノを教えに通っていました。
そしてある日突然、彼女たちの家庭が崩壊してしまいました。
彼女たちの間に男の子が一人いて、3人兄弟だったのですが、この子達を置いて、お母様がいなくなってしまいました。そして、しばらく経った頃、お父様とお腹の大きくなった、新しいお母様。新しいお母様はあまり家にはいらっしゃいませんでした。

Rちゃんは小学校の高学年でしたが、泣き言を言わず、愚痴ひとつこぼさず、小さな弟と妹の面倒を良く見ていました。そしてそれと同時に以前にはほとんど練習しなかったピアノに、興味を持ち始めました。


曲は難しいものではありませんでしたが、音楽の中に彼女は何かを見つけたようでした。
ある時、彼女にベートーヴェンの「月光ソナタ」の1楽章を与えたら、その変化は目覚しいものがありました。
利口な子で、自分の置かれた立場に対して不必要な反抗をしたりせず、「月光」とともに自分の内面と会話をしていたのだと思います。

この時ほど、音楽の素晴らしさを感じたことはありません。
音楽は人を救うものなのだと。
そして音楽は自分のために存在して良いのだと。

残念だけど、人生の厳しさは、正面から受け入れれば、人を磨くのですね。

Rちゃん、いろいろ教えてくれてありがとう。
あなたの人生が実り多いものとなりますように。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2009年01月02日 23時37分21秒
コメント(2) | コメントを書く
[音楽] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: