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自閉症の息子は、他人に興味がないと思ってた。
ある運転手さんとのお別れで…
重度の自閉症と持病のある長男の通院。
ほっと一息つけたのはタクシーの中でした。
重度の自閉症があり、生まれつき肝臓と心臓に疾患を持つ長男は、
赤ちゃんの頃から小児病院へ通っていました。
車の運転ができない私は、双子の次男も連れて、
双子ベビーカーを押しつつミルクとオムツの入った大きなバッグを背負い、
電車に揺られて最寄りの駅へ。
駅から病院まではタクシーで息を切らしながら通院していました。

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この頃は双子の育児と長男の闘病で、精神的にも肉体的にも辛い時期でした。
会計を済ませて病院から出ると、疲労感で頭もぼんやりしています。
そのままタクシー乗り場に向かうと、利用者が少ないためか、
たいてい同じタクシーが停車していました。
何度か通院するうちに、
自然と一人の運転手さんのタクシーに乗ることが多くなり、
顔なじみになりました。
白いあごひげを垂らしたこの初老の運転手さんが、
ベビーカーを畳んだり泣いている双子をあやしたり……

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とりわけ心を配ってくださったことで疲れがほぐれ、
温かい気持ちで家路につくことができたのです。
病院へ通う回数を重ねるうち、
次第に運転手さんとの交流も増えていきました。
「会うたびに大きくなりますね」
そう言って双子に微笑みかけてくださる、
その温かい人柄にどれほど心が救われたことでしょう。

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子どもたちが3歳になったころのある日、
私はこの運転手さんが白い見事に長いあごひげをたくわえているのを見てこっそり
「運転手さん、本当はサンタクロースなんだよ」
と子どもたちに耳打ちしました。
次男は目を丸くし、
タクシーの客席から感嘆の眼差しをおくっていましたが、
言葉の理解が遅れていた長男は反応せず、
いつもどおり窓の外を眺めていました。

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長男にはまだわからないかな、と思いましたが、
雪がパラパラと降る夕刻、寒さに震えながら病院を出た時、
変わらず待っていてくれるこの運転手さんの存在は
私たちにとって本物のサンタさんのようだったのです。
子どもたちが8歳になる今年、長男の通っている病院は、
老朽化が進んでいることもあり移転になります。
昨年の12月、最後の通院の日は雨が降っていました。
病院を出ると、ぽつんと1台だけ停まったタクシーが目に留まり、
長男と共に走りよりました。
そこにはいつものように、サンタの運転手さんがいてくれたのでした。

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「雨で滑るから足元に気をつけてください」
と細やかな気遣いをしてくださり、
最後の通院日にこのやさしい運転手さんに会えてよかった、
と嬉しくなりました。
帰りの車の中、
私は運転手さんにこの7年間お世話になったことにお礼を言いました。
すると運転手さんは照れくさそうに微笑まれながら、
もう今年でタクシー運転手は引退することを話してくれました。
病院は変わってもどこかでまた、
偶然乗り合わせることもあるかもしれない-そう思っていたのに……
もうこの運転手さんと会うことはないのだとわかると一抹の淋しさがあり、
タクシーの中はいつもと違う雰囲気に包まれていました。
自宅に到着すると運転手さんもタクシーから降りて下さり、
私は最後のお別れの挨拶を交わしました。

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その時のことです。
車内ではずっと黙って窓の外を見ていた長男が突然、
ありったけの大声を出したのです。

運転手さんも驚いたように長男を見つめ、
バイバイと小さく手を振ってくださいました。
あの瞬間、一生懸命思いを伝えた長男の必死な姿を、
私はずっと忘れないだろうなと思います。
【woman. excite. http://woman.excite.co.jp/article/child/rid_Hnavi_35026118/ 】
思い余っての一言、
沈黙を破るほどの一大事と感じたのでしょうね。 🌠
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