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午後4時過ぎ、外勤から戻った施設長は、
まゆみさんがトイレから出てこないと聞き、慌ててトイレに向かった。
ドアをたたき「出てこないなら強制的に開けるよ」と声を掛けると、
ようやく、体が冷え、ぐったりとした状態で出てきた。
トイレに入ってから4時間以上がたっていた。
▽学校でいじめ、性教育受けず
まゆみさんは3人きょうだいの長女として生まれた。
幼いころから体が弱く、入退院を繰り返した。
日常生活の動作や文字を覚えることに時間が掛かると思い、
母親は生活に困らないよう一つ一つを根気強く教えた。
小学校は普通学級で学んだが、3年生から勉強について行けなくなった。
中学校では特別支援学級に。
同級生からいじめられることもあった。
何かの障害ではと思った母親が検査を受けさせると、
知的障害があることが分かった。
2年生の途中から函館市の特別支援学校に転校し、
高校卒業までを過ごした。
当時、高校の担任だった男性は
「とても人なつっこい子だが、コミュニケーションや対人関係が苦手だった」
と振り返る。
学校では主に調理作業や職場実習などをした。
性教育を受ける機会はなかった。
「まゆみさんは普通の男女交際への憧れを持っていた。
当時は性教育の教材も少なかった」
と話す。
特別支援学校高等部卒業後は、
母親と一緒に見学した就労支援施設に通うことを決めた。
寮から通い、調理などの習得に取り組んだ。
施設長によると、仕事への意欲は高く、
卵焼きを作れなかった時は
小遣いをはたいてフライパンと卵を買い、
一人で練習していたこともあった。
そんな中での事件だった。
ここ数年間、まゆみさんの口から
交際相手がいるという話を誰も聞いたことがなく、
施設内には衝撃が走った。
▽男性「性のはけ口」に
供述調書によると、支援施設職員だった乳児の父親は、
施設を退職した17年12月ごろからまゆみさんと約2年間交際した。
当時の勤務先は別の施設だった。
一緒に作業をする機会があり、緊急時のために電話番号を交換した。
退職後、まゆみさんから「施設辞めたの?」と突然電話がかかってきた。
会話する中で、話が合うと感じた。
すでに職員ではないことから
「彼氏がいないなら付き合おうか」と言った。
まゆみさんも受け入れ、交際が始まったという。
日々の連絡は無料通信アプリLINE(ライン)で、
休日はドライブも楽しんだ。
男性は
「自分が気持ち良ければいい」
「子どもができたらその時に考えればいい」
と考え、●行為の際にほとんど避妊しなかった。
まゆみさんが拒絶したことはなかった。
「彼女はどちらかというとくっついていたいという気持ちが強く、
●行為を求められたこともなかった」。
まゆみさんのことは好きだったとしつつも
「今思えば単なる性のはけ口として利用していたと思う」
と釈明。
「全責任は私にあると思っています」
と話していた。
▽誰も気付けなかった妊娠
まゆみさんは元職員との交際を
「だめって言われると思った」
と施設に秘密にしていた。
出産の1カ月ほど前には、
職員らと2泊3日の社会見学旅行に参加し、
温泉にも入っている。
施設長はまゆみさんのおなかを見て
「ちょっと太ったんじゃない?」
と尋ねた。
しかし妊婦ほど大きくはみえず、
他に妊娠時の兆候も見られなかったため、深く考えることはなかった。
もともとあった偏食が改善された結果かなと思っていた。
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