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2022.01.26
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カテゴリ: 介護





​知的障害の弟を支えた末に​
「弟の命をたちました、これから後をおいます」

…自殺した兄を書類送検







50歳代の兄弟2人が遺体で見つかった。


弟(当時56歳)には重度の知的障害があり、

兄(同57歳)が一人で介護をしていた。


大阪府警西淀川署は14日、

介護疲れから無理心中を図ったとして、

兄を容疑者死亡のまま殺人容疑で書類送検した。


事件が起きたのは

兄からのSOSで本格的な支援が始まる矢先だった。

悲劇は防げなかったのか。



​​布団に並んで​

「弟の命をたちました。これから弟の後をおいます」。

木造2階建て住宅の2階和室の机上に残された便箋大の紙には、

将来を悲観する言葉とともに、こうつづられていた。

府警は兄が書いたとみており、

同じ部屋に敷かれた布団の上では、2人が並んで死亡していた。


 兄は透明のポリ袋を頭にかぶり、弟の顔にはタオルがかけられていた。

司法解剖の結果、死因は2人とも窒息死だった。


 昨年4月24日夜、

兄と連絡が取れないことを不審に思った

区の相談支援センターの職員が110番して見つかった。


職員は4日前に家を訪れ、

兄から「入浴介助のサービスを利用したい」

と弟の介護について相談を受けていた。


同22日に事業者が決まったと電話を入れたが、つながらなかった。

2人は同日正午までに死亡していたとみられる。


​​2人で散歩​​


​​  西淀川区役所や近隣住民によると、2人の両親は、

兄弟が幼い頃からこの家で小さな薬局を営んでいた。


父親が1998年に他界して間もなく、

​​ 離れて暮らしていた兄が実家に戻り、母親と兄弟の3人暮らしを始めた。


 弟は6歳の頃、

失語症で障害者手帳を取得し、重い知的障害もあった。


家にこもりがちで、

夜遅くまでテレビを見るなど、昼夜逆転の生活をしていたという。


母親が7年以上前に死去してからは、

兄は介護で就労が困難だとして

生活保護を受給しながら一人で弟の面倒を見ていた。


近所では、兄が弟を連れて散歩する姿がよく目撃されていた。

​​

​「自分が面倒見る」​

​​  一家は長らく介護への行政の支援を受けることはなかったが、

弟の特性が影響していたとみられる。


 母親は、周囲に「(弟は)他人を受け入れられない」と説明。


施設や介護サービスを利用せず、亡くなる直前には、

兄に「施設に入れないで」と言い残していたという。


兄も「自分が面倒を見なければならない」と支援を拒んだ。


 しかし、兄は生活保護担当の区役所職員に

「介護がしんどい」「いつまで持つかわからない」と

漏らすようになった。


2018年から週2回程度、家の掃除や洗濯、

食料の買い出しといった家事援助を受けるようになったが、

入浴介助やショートステイのように

第三者に弟を預けるサービスを利用することはなかった。

 「兄が疲れている」。

見かねた弟の主治医が相談支援センターに連絡し、

入浴介助の話が進み出したのは昨年4月20日が初めてだった。

 大切にしていた弟の命を奪うという最悪の結末に、

近所の女性(82)は

「兄は優しい子で、

弟と散歩で外出する時には笑顔であいさつを返していた。

相談してくれれば何か助けになれたかもしれない」

と漏らした。


​「親なき後」課題​

 家族以外の関わりが難しい障害者とその家族をどう支援するかは、

同居の親が障害者を残して亡くなる

「親なき後」を見据えた場合にも大きな課題となる。


 知的障害がある人の中には、

人見知りが激しかったり、

家族以外に体を触られるとパニックになったりするケースもある。


 障害者福祉事業所の全国団体「きょうされん」(東京)

が2015~16年に行った調査では、

障害者と親との同居は54・5%で、

50歳代の障害者でも3割近くに上った。


同団体は

「障害者の介護は、親を中心とした家族への依存で成り立っている。

家族への負担は大きく、限界に達してしまう場合も少なくない」

とする。


 「ケアラーアクションネットワーク協会」

代表理事の持田恭子さん(55)は、

ダウン症と知的障害がある兄を介助していた。

「当時は自分しか世話をする人間はいないと思い込み、

日常生活のほとんどを兄のケアに費やしていた」

と振り返り、

「障害者だけでなく、家族への声かけや居場所作りも必要だ」

と指摘する。



[読売新聞]






なんとも悲しいできごとでも、

早く対策を練らないと、

都会の中でも今後、

こういう事態は増えていくのかもしれませんね。



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Last updated  2022.02.10 06:50:34
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