今年は残雪が多く、駐車場から先の林道には雪が多く残っていた。今回は、杓子岳を正面に長走沢を詰め、夏道から白馬鑓温泉へ行き、帰りは小日向のコルを経由する周回コース、しかし、夏道を襲った雪のブロック崩壊のため、夏道ルートを諦め、眼下のトレースに向けて下に滑り降りた。少し遠回りの周回コースとなったが残雪期のルートとしての発見があった。
尾根上に上がると、鑓温泉までトレースが続いていたが、突然、轟音と共に雪のブロックが崩壊して落石の音が轟いた。落石は眼下に伸びるトレース上にも降り注いだ。山肌を縫うように付けられたトレースは危険と知らされたので、安全を見越して、できるだけ雪の斜面を下へと降りる事にした。鑓温泉まで1時間以上も残すことになったが、この時期のコース取りの難しさを知った。雪が落ち着けば、沢筋が安全と言えるが、尾根に近いところは上部からの落石やブロックに注意しなければならない。
鑓温泉に着くと、数人が温泉を楽しんでいた。以前と比べると改修が進み、湯の量も多い。湯温が熱いのでスコップを使って雪でうめている。早速こちらも入浴してしばしのぜいたくを味わうことができた。こんな雪景色と温泉風情はこの時期にしかできない。このままのんびりしたいが、滑って帰らなければならないことが辛い。小日向のコルへの登りも待っている。