この本が出版された2010年10月からすでに1年半以上が過ぎたが、日本の状況は変わっていない。大前氏は書中にて、「3年以内に日本は国債デフォルトの危機に陥る」と述べている。すでにその半分の期間が過ぎたが、解決の兆しは見えない。
この状況を解決して周囲を引っ張ってゆくリーダーを如何に育てるか、柳井社長のコメントは象徴的である。ユニクロで2度失敗した。若い層を引き上げたら、引き上げている過程で経営層に達すると安定志向になってしまった、という一度目。2度目は”プロ”の経営者を社外からスカウトしてきたら、彼らのそれまでのスタイルを保持し現場からの持ちあがりを待つという受け身のため、ユニクロの社風に合わなかった。
3度目の今はGEのクロトンビルを意識したFR-MICという一種の”社内大学”を開設し、年間40億の予算をかけ従前一ツ橋で教鞭をふるっていた竹内弘高氏を招へいするなど、内外の社員からの選抜に力点を移している。
この記述の中、中国人社員の活躍にも触れている部分から、存外日本人以外の社員に期待するところ大、と拝見する。
現実は2010年のパナソニックショックから、外国人社員の採用が当たり前の時代になってしまった。特にグローバルに展開する企業の採用ページを確認されたい。外国人を意識していない企業はいない。
ただ、本当に外国人社員のキャリア・パスが明確に説明できているところも多くないように思える。
人材面でのキャリアパスの明示も、企業のますますの課題となる。
日本の外のオペレーションを増やして、各地域の人材を確保しておくことが、各企業にて、残り少ない時間で実現できるだろうか。