(「野球と其害毒」東京朝日新聞より)
の続き。
■1911年(明治44年)8月29日から連載を開始した「野球と其害毒」。その第10回目(9月7日)は日本体育会長・加納子爵、米国人某氏の2人が登場している。今回ブログの記事にするのは加納子爵。見出しは「運動の旨意に離る」。
このごろの野球選手の対外試合や、国外旅行の如きに見るに、見物人をたくさん集めて興行に等しきことをなし、終始特殊な人間がやっているのだから、体育の旨意に離るるはもちろん、この見物人の多い運動競技は、嵩ずると遂に一国を亡すこととなる。ローマの昔において各種の競技は盛んに行われ、多数の見物はこれを唯一の娯楽とした。はては○国の人心堕落して救うべからず。ついに顛覆を見るに至ったではないか。ローマの滅亡には他になお種々の原因があるであろうが、この娯楽的競技の流行が重要なる一因であることは明らかである。野球選手を作る学校ではなんと心得ているか、全校の中からいかにある特殊の良い運動家を作ったからとて、他の大多数の学生がヤクザではなんにもならぬ。
■この日の新聞広告は下半分(全4段)をフルに使った広告が掲載されていた。
月はあかし
須磨の浦 見れど 見れど
飽かぬ眺
人は美くし
美顔水にて 見れど 見れど
飽かぬ姿
「美顔水」
美顔水発売所
桃谷順天館大阪出張所
明治44年頃、美顔水の広告が出ているだけでも驚く。この時代から美顔水なんてあったのか?と。効能は主に「にきび取り」。広告文には「にきび、そばかす、あせぼ、吹き出物を治し、色を白く肌理を細にし、つやを出す」と書いてあった。
桃谷順天館といっても男性諸氏にはわからないと思うけど、1970年代に盛んにTV-CMを打っていた「明色クリンシン」や「明色アストリンゼン」といった「明色」ブランドを世に送り出した会社といえば思い出せる方も少しはいると思う。
◇関連記事 「1911年、「野球害毒論」論争勃発」
今日も1クリックお願いします![]()
【東京六大学2025秋】小早川毅彦氏の始球… 2025.09.28
【東京六大学2025秋】開幕カード。慶應、7… 2025.09.14
【東京六大学2025春】東京大学vs.横浜高校… 2025.03.08
PR
Keyword Search
Calendar
Comments