今日(9月5日)の都市対抗・準々決勝、東京ガスvs三菱重工横浜戦。
東 020 000 000 =2
三 02 2
001 00X =5
(東)岩佐-小高-美馬、(三)亀川-門西-鶴田
■勝敗を分けたのは、東京ガス・ 佐々木大輔
(日大三高-明治大)の守備のミスと、そのミスを嘲笑うかのような三菱重工横浜・ 五十嵐大典
(新潟明訓高-立教大)の快打だった。
そのシーンは3回裏に起きた。走者を一塁において、三菱重工の4番・ 田城智博
の打球は平凡なサードゴロ。ゲッツーを狙うはずが、なぜか東京ガス・佐々木大輔三塁手のスタート(一歩目)が遅れた。ほぼ定位置で捕球後、慌てて二塁へ送球したもののセーフ。ゲッツーで二死走者なしになるはずが、佐々木のミスで一転、無死一・二塁になった。申し訳なさそうに投手に声をかける佐々木。
そして打席に入ったのが三菱重工の5番・五十嵐大典。テレビ(GAORA)の実況アナは 「三菱重工横浜に新しい風を呼び込んだルーキー」
と五十嵐を称した。当然この場面、ベンチのサインは送りバント。ところが五十嵐は2球続けてバントを失敗する。苦渋に満ちた五十嵐の表情・・・。
さすがにスリーバントスクイズのサインはなく、次の球をえいやっ!とばかりにバットを振り切ると、打球は大飛球となって右中間を破る二塁打に。2人の走者が生還し貴重な追加点となった。送りバントを2度も失敗した後だったため、五十嵐は二塁上で苦笑いをしていた。でも守備でミスをした佐々木を嘲笑うような、また佐々木の傷口に、無理やり塩を塗り込むような快打でもあった。
■ 佐々木大輔
(ささき・だいすけ)と 五十嵐大典
( いからし
・だいすけ ※
)。この2人は一昨年(2008年)まで、お互いに主軸打者として東京六大学リーグで何度も顔を合わせた。
まず東京ガスの4番に据わった 佐々木大輔
のこと。今日の試合では、2度もレフトを守る五十嵐の頭上を越える大飛球を放った。わずかにポールの左に逸れて本塁打にはならなったが、そのスラッガーぶりは今も健在だ。
日大三高を卒業後、鳴り物入りで明治大に入学、1年生の頃からスタメンに名を連ねた。当時、 佐々木の打撃には「花」があって
、彼の一発が試合の流れを自在に変えてしまう魅力があった。ただ上級生になるに従い故障がちになって、本来の実力を発揮できないまま卒業(2008年)。プロ球界から指名を受けることはなかった。さて今秋のドラフト、佐々木大輔に指名はあるか?
■そして 五十嵐大典
のこと。立教大時代は、 岡崎啓介
(現・3年、PL学園高)や 田中宗一郎
(現・4年、佐賀西高)とともに常に主軸を張った。なにせチーム自体の打撃力が乏しかったため、五十嵐らにかかる負担は大きかった。
打順は基本1番だったが、チーム事情に応じて3番も打っていた(まるでマリナーズのイチローのように)。勝負強さも持ち合わせている。新潟明訓高時代は県大会決勝で、延長14回に優勝を決める決勝打を放ったのは、この五十嵐だった(対中越高戦)。また東京6大学リーグで 「通算3000本塁打」
を放った、歴史に名を刻む選手でもある(2008年10月12日、対東京大戦)。
今日の勝利で準決勝にコマを進めた三菱重工横浜。準決勝はNTT東日本とJR九州の勝者と対戦する。
( ※
) 五十嵐
は「いがらし」ではなく「いからし」と読む。新潟地方では一般的な呼び方らしい。
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