Angel RISA

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2011年10月01日
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りさがばあばに尋ねました。「将来何になりたい?」。ばあばは、「将来なりたいものないやあ」、と答えました。りさは、「りさは服屋さんになりたい」。そう言いました。私は不用意にも「算数ができないとなれないぞ」と言ってしまいました。りさもばあばも大笑い。とあるラーメン屋さんでの会話でした。
私は反省し、その夜からどうしたらりさが服屋になれるか思案しました。りさの家族はよくアウトレットに行くようで、りさもかなりのセンスを持っています。なので、りさが着なくなった服をフリマで売ってはどうかと思いました。
まずは、フリマがどういうものかを教えるためにフリマに出かけました。りさはその安さに感動していました。
そして、後日出店。りさはお母さんの許可を得、売ってもいい服を持参しました。最初はあまり人が来ませんでした。りさは大声で「子供用の服が安いよ~!」と叫んでいました。面白かったです。
そこへ、初老のおばあさんが来ました。お孫さんを連れて。そのお孫さんはりさより少し小さなお子さんでした。そして、見た所、ダウン症児でした。おばあさんはしばらく服を選んでいました。「どれか欲しいのある?」。お孫さんに聞くとお孫さんはりさの着ている服を指差し、「あの服が欲しい」と言いました。おばあさんは困ってしまいました。その時、りさが言いました「いいよ」。おばあさんは困惑しながらもりさがいいと言うので、買ってくれました。ほかの服と同じ100円で。そしてフリマ第一日目が終了しました。売り上げ総額100円。
りさは家に帰ってお母さんに怒られました。「あの服を100円なんかで売っちゃダメじゃん。5000円くらいしたんだよ!」。りさは反論します「あの子が欲しいって言うんだもん!」。最終的にはりさは珍しく深く反省していました。
次の日、フリマの最終日ですが、またお客さんが少ない中、あのおばあさんとお孫さんが来ました。大勢の子供とその父兄を連れて。聞けば、あのおばあさん、支援施設の園長さんだそうで、その園児を連れてきてくれたのです。園児たちはお母さんと相談し、いっぱい服を買ってくれました。りさは大喜び、結局、100点あった服は完売。そして、あのりさが着ていた服を買ったお孫さんはその服を返品してくれました。「私には少し大きいから」。そう言うとりさが答えます。「服は大きくならないから体が大きくなったらまた来て」。「はい」お孫さんはそう答え、新しく買った100円の服を嬉しそうにたなびかせていました。
家に帰ってりさは大自慢をしました。「5000円の服も返してもらったし、服は全部売れて一万円も儲かったぞ!」。お父さんが答えます。「買ったときはもっと高かったんだけどね」。「それを言うなー」りさの返事です。
後日、りさがその一万円でお父さんにネクタイを買ってあげました。優しいお父さんは泣きながら言ったそうです「りさは優しすぎる」。りさが答えます「あんたの遺伝だよ」。





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Last updated  2011年10月01日 12時24分35秒
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