物欲☆あんず雨

物欲☆あんず雨

2010年03月13日
XML
カテゴリ: ラクガキ談義
人物の肌陰などの『陰トーン』、服などの『柄トーン』、点描やフラッシュなどの『効果トーン』といった、種別ごとの、スクリーン・トーンを入れる順番としたしまして…。

アナログ作業においては、私めの場合、まず人物肌陰などの『陰トーン』から入れておりました。

これは、陰トーンをとても上手にお使いの漫画家さんのアシスタントをさせていただいていた折に「なるほど♪」と思い、取り入れさせていただいた手法なのですが…。
あらかじめ、61番などで全ページにザッと陰を入れておきますと、背景や服のトーンを押さえめにしても、白っぽい印象にはならない…のでございます。

トーンというのは、どこにどのトーンを貼ろう…と、悩みながら、そのトーンを収納場所から探す…というのが、けっこう骨で、時間も意外に取られるところ。

手許に61番のみ出して、それを一心不乱に貼りまくる方が、実は効率もエエのだな~~という感じなのであります。

ちなみに、私めはドットがちょい大きめのほうが好きで、アナログ当時は41番を愛用しておりました~~。(数字が若くなるほどに『点』が大きくなります)

で、陰トーンを入れ終わってから…。
…あれ?次は服の柄とかだったかな??

(アナログ作業の時代、既に記憶が『丸の内』…)

ともあれ、『陰』をくまなく付けたい場合、アナログ作業においては『陰トーンの上に、服柄トーンなどを重ねてゆく』というほうが良く、「まずは、陰」というやり方だったのでございます。

陰トーンは、前日記でも触れましたが、面積が小さめだったり、カッティングの形状から剥がれやすかったりもいたしますゆえ、それを『上から別のトーンで押さえる』という意味合いからも、『先』のほうが宜しいと申します訳で…。

さてさて。
陰を貼り、服柄を貼り、ここぞというところに効果的な『効果のトーン』を貼り…。

あとは、「このページちょっと白っぽいかな~~。このコマのバックに、このトーンでも貼っておくか…」と、調整してゆく次第なのであります。

アナログ作業の場合は、ざっと上記のような流れにて、デジタルのほうも、その順番のままでもエエ訳なのでありますが…。

デジタルは『トーンの重なる順』など、てんで考慮しなくて良いぶん、まさに、「貼りたいところから貼るッ!!」が断行できるのであります。

ゆえにこのところの私めは…。

何となく、登場人物の『衣装の柄』からトーンを入れ始めております。
衣装が『着物』という事が多めの昨今、全身のどの箇所にも『柄、無し』という訳には参りませぬゆえ、『トーン必須箇所』という事で、最初に入れている感じです。


(と、いうこともあり、陰入れが、アナログ時代より減っているのですな☆)

主要キャラの衣装を貼り終わったところで、効果のトーンに入るのですが、この段階で、「『袴』も貼らなきゃいけないんだけど、衣装トーン入れは飽きたから、『効果』やっちゃうか~~」などと、気まぐれ発生も多々あり…。

順番を考えず、トーンを入れたいところから入れる!(俺が掟だッ)が、ほんに、とことん可能なのであります。

さて。
この日記 にて


最終段階においても、線補正がいくらでも可能…というデジタル作業、これはかなりな『罠』だと、今更のように気付きまして候です。



便利この上なく、作業そのものは夢のようにサクサクと進むデジタルではあるのですが、この『いつでも、どの段階でも修正が可能』というのが、ほんにまことに、『大いなる罠』なのでありまして…。

アナログ作業の場合、トーンを貼ったあとで、その下の線をどうしても修正したい場合、圧着してあるトーンを剥がして、そこを修正する訳ですが…。

いったん圧着したトーンは、ドライヤーなどの熱で、シールの粘着力を弱めたりして慎重に剥がさねば、切れたり下の紙まで剥がしたりしてしまいますし、上手く剥がせても、紙のほうに付着している糊を消しゴムで取ってからでないと、ホワイトやペン線が乗らなかったり…で、(こうして文にするだけでも)手間な事この上なく…。

ゆえにアナログでは、トーンを貼る前のホワイト作業を、とことん徹底しておかなければならない訳です。

が、トーンを入れた後でも、いくらでも修正可能なデジタル作業においては…。

トーンを貼りながら「ぬ?このガジガジな線、みっともないゾ」と思ったとたん、トーン作業は放置プレ~となり、線修正に血道を上げるモードに変貌してしまうこともあり…。(と、申しますか、私めの場合、かな~~り『ありがち』☆)

けっこう大雑把なほうである私めですら、かような状態になってしまいますゆえ、細部までとことんこだわる超・完璧主義でおいでのかたには、ある意味、デジタルは、危険極まりない領域となるのやも知れませぬ…。

まぁ、とにかく、アナログもデジタルも、トーンを入れ終われば作業完了となるのですが、欠かせないのが、その後の『見直し』であります。

すべての作業を終えてから、「このコマのこの場所、何種類もトーン入れて、何度も見てるのに、なんで今までこの大ミスに気付かなかったのぉぉ~~~ッ!!!」という箇所が、1つや2つ(いえ、もっと…)出て来てしまう訳でして…。

そして、そういったミス、見直しでも見落としちゃって、雑誌に載ってから気が付いちゃったりもする訳で~~。

まさに「お~~、コワイコワイ☆」という感じなのでありまふ…。

「ここ、これが、見直しでも見落としちゃたトコ☆」などと、拙作を例に暴露してしまいましょうかな~~とも思いましたが…。
やっぱ、恥ずかしいので、それはスルーさせていただきまして候です☆☆


と、申します訳で、ここまで連載形式でお送りして参りました、『漫画の作業過程(手前味噌)』、これにて終了とさせていただきます。

全駄文をご覧下された方々様、ほんにどうも有り難うございました~~~!!!
そして、お疲れ様でござりました~~~~~!!!
(ひたすらに平伏ッッ)





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2010年03月19日 10時37分07秒
[ラクガキ談義] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

プロフィール

ナタ55

ナタ55

コメント新着

ナタ55 @ 遅レスご無礼をッ!! フユヒさん、こんにちは!! >あら、コメ…
フユヒ @ Re:官兵衛さんキューピー♪♪♪(07/01) あら、コメント欄が復活していますね♪ ど…
ナタ55 @ Re[1]:引越しよりも…(02/03) フユヒ様、こんにちはです。 >だけど…
フユヒ @ Re:引越しよりも…(02/03) ナタ先生、こんにちは。 実は私も気にな…
ナタ55 @ Re[1]:CLIPにも載せて参りました~(01/28) フユヒ様 CLIPのほうも、早速ご覧いただ…

キーワードサーチ

▼キーワード検索


© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: