ピアニスト 丹生谷秋子のブログ

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November 28, 2006
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テーマ: 癌(3526)
カテゴリ: カテゴリ未分類

ここ数日の彼女の病状を見ていると、とてもステージは無理だろうと思うことが多く、
周囲からも、「中止にしたほうが、いいのでは」という声があがっていた。

だけど、それに甘んじる彼女ではないことは誰もが知っていた。b.mescata.jpgリハを終えた私たちは、ドレスに着替えた。私は黒、REIKAは豹柄。彼女は着替えるととたんに光を放ちだし水を得た魚のように生き生きとし始めた。
そして私たちは、今日の成功をひたすら祈りオープンを迎えた。
Hectoromani.jpg私たちの前に、CUT FLOWERS というバンドが、出演。いつもは4人らしいが今回はウォーレンとデイブのふたり。
プラス、わがバンドのパーカッション ヘクターが参加。
ウォーレンの歌声は伸びやかで心に響く、素敵な歌声だった。
私は初対面だったが、わが教室の講師たちは、結婚式のゴスペルの仕事の際
彼と共演することが、あるそうで、不思議な縁を感じた。
いよいよ、オープニング。

このオープニングはアシッドジャズ風にしたかったので、2コードで、時々キメを入れることにした。ラテン独特のおたけび?をいれて、
次のマシュケナダに続く。マスカラを振りながらがんがん踊って歌う妹。
yuko.jpg
私も、今回はスタンディングで激しく踊って弾くスタイル。
妹の友人たちにとっては、(妹に比べたら当然)静かなイメージがあるようなので、
かなり驚いたと、後でいろいろなひとからいわれた。
acothim.jpg激しい曲が続き、妹の休息のために
インストを一曲。この、WAVEは、私が自分主催のライブのときなど必ず、弾く曲。
いわば、18番ってやつだ。

以前ピアニストの岩崎大輔さんに習っていたとき、先生のライブでは、必ず「黒いオルフェ」が演奏されていた。どんなときも、誰と演奏するときも。

私は、いつか自分も自分のテーマ曲を見つけてずっとそれを追求したいと、そのとき思った。
その曲が自分にとっては、WAVEなのだ。
私たちのインストが終わり、また激しい曲が続き、
REIKAは自分が、癌であること、このライブが終わったら強い抗がん剤になり
脱毛が始まること、長いロンドン生活、もう少しでビザが下りるというときに神様はすべてを奪っていったこと、などを語った。しかし彼女はこういった。
「神様は私に、一つだけ、残してくれました。それは、歌うこと。」

チャカカーンのスルーザファイヤーのイントロを弾くと、何人かのお客さんは、泣いていた。
私は、弾きながら妹と私の音楽生活を振り返り、まったく別の方向を向いていた二人が、
自然にひとつの方向をみつめるようになった、今、この瞬間を、すごいことだと思った。
これが、数年前でも10年前でもだめだったろう。
実際数年前一緒にしようとしたときは急にトラブルがあり帰国できなかったことがあったね。
そのときは時期じゃ、なかったんだね。

最後の曲は「Come With Me」というアシッドジャズだったので、
お客さんは踊っていた。踊りながら泣いている人もいた。

アンコールそしてサプライズでREIKAの誕生ケーキが出てきた。

気が付くとDARKROOMの中は、超満員になっていた。
皆、ひとつになってこのライブを見守り応援してくれた。
このことは妹の心に強く焼きつき、今後の治療の大きな支えになったと
このとき。確信した。

皆さん、本当に、ありがとう。








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Last updated  November 28, 2006 07:18:56 AM
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