有明の月

有明の月

2016.06.26
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カテゴリ: 本・映画
文庫ではなく単行本だからこそ味わえるこの贅沢感、どきどき感がたまらない。


表紙の絵のツバキ文具店は、本の中のツバキ文具店のイメージより大きすぎる。
何枚かページをめくったところに「鎌倉案内図」というページがあるが、この辺りを何度か訪れたことがある。訪れたときの風景と、本を読みながら想像したツバキ文具店はもっとコンパクトだ。
でも、この本を読んでもう一度、この辺りを散策したらまた違う発見があるに違いない。
本の中に出てくるバーにも行ったことがあり、たぶんこのブログに写真も載せている。


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ポッポちゃん(小説の中の主人公)、これで毎日外食できるような生活ができるの?
なんて野暮なことはいいません(笑)いいんです、小説なんだからこれでも鎌倉ですてきな生活ができると夢を読者に与えてくれているのです。


後半で、その設定はやり過ぎでは?と思うところもありますが、それもまぁ目をつぶることにして。

小川さん、うまいなぁ~と最初からノックアウトされました。
目次をスルーしていたのですが、目次は春夏秋冬で、夏から始まって春で終わります。
「鎌倉の一年は夏から始まると、私はひそかに思うのだ」この一文でそう思いました。
それから、離婚の報告のくだり。手書きではなく活版で丁寧に文字を刻むという選択。
横書きなのか縦書きなのか、紙はどんな紙にするのか、封筒はどうするのか、宛名書きに使う筆記具、インクの色、シーリングワックスでの封、その色、そして切手。中身の文章はもちろん大切だけれど、プロの手を借りて、依頼者の気持ちが受け取る人に伝わるような選択の数々にプロの仕事を感じさせます。もし、自分でできないのなら、私もポッポちゃんに依頼したいです。

鎌倉という土地で季節感を感じ、丁寧に送る日常が描かれています。
そして、文字を書くということ(姿勢)、手紙を送るということ(相手を想うこと)、大切な人たちとの生活、距離感、生きていく楽しさを感じることができました。

文具に関する記述も、私にはツボでした。

今はあまり手紙を書かなくなってしまったけれど、書いていたころのことを思い出しました。
切手にもこだわりがあって、季節感の違う切手は貼りたくないとか、雑貨屋さんでハンコを見ると封筒や手紙の最後に押したいとつい買ってしまったりとか…





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Last updated  2016.06.26 12:49:06


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