太田典生の「毎朝1話」良い話のおすそ分け

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2015.03.01
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3.すでにやっている善いことを完成するまで拡大する

私たちは、日常生活の中で色々な善いこともしています。
例えば、仕事を真面目にするとか、会社が発展するように努力するとか、困っている人に手を差し伸べるとか、そういう誠意を持ってやっていることが色々あるはずです。
その善いことを、さらに完成するところまで精進することです。

「これ位でいいのではないか」と、ホッとしてはいけません。
さらに「善いこと、役に立つことはないか」と、自分が日々やっている善い行為を完成させるまで努力しなければならないのです。

例えば、学校の先生を十年間しているとします。
十年も教えてきた経験もあるし、教える内容も身についているし、教え方も子供をコントロールする方法も知っているから、それぐらいでいいのではないかと安心してはなりません。
退職する日まで、より立派な仕事をしようと知恵をしぼって、さらに努力することが大切なのです。

4.今までやったことがない善いことをやる

最後は、「今までやったことのない善い行為を、勇気を出してやる」ということです。
先ほどの先生を例にすれば、今まで教科書通りに教室で教えてきたが、ちょっと方向を変えて、子供たちを外へ連れて行って自然のなかで授業をやってみるとか、あるいはキャンプに連れて行ってみる。
そうすると、机上の勉強では学ぶことのできない、新しい発見が生まれてくるかもしれません。

でも、私たちはたいてい何か新しいことを試みようとするとき、失敗を恐れて、「やっぱりやったことがないから止めよう」という弱気な気持ちが出てくるものです。
だいたい人間には善い考えは浮かぶけど、「やったことがないから止めましょう」という弱さがあるものです。
だが、例えやったことがなくても、それが善い行為なら、勇気を持ってやりなさいと教えています。
いつでも前進です。

ワンパターン嗜好は怠けで、毎日ワンパターン的に仕事をしている人のことを頑張っている人だとみなしません。
出社時間に会社へ行き、いつもと同じパターンで仕事をし、帰宅時間に退社する、この決まったパターンで定年まで仕事をするのは、それほど賞賛できることではないのです。

自分で何か新しいことを考えて、常に新しくしていこうとする日々前進の姿勢が大切です。

とくに日本では、何でも「パターン化する」、「マニュアル化する」という傾向があるように思います。
マニュアルや決まりをやたらに作り、そして「これは決まりだから必ず守らなくてはなりません」と言うのです。
バカバカしいでしょう。

そもそも、その決まりを決めたのもどこかの人間だし、完璧な人でも全知全能者でもありません。
無常の世の中だから、時代と共に状況も変わってきます。


常に進歩して前向きに行動すること、これが正精進の四番目、いわゆる四番目の希望です。
幾つになろうとも、常に新しい意見を持ち、新しいことを考えて行動することが大切なのです。

なぜそういうことを言うかというと、「全てのものは無常で流れて行く」からです。
停止しているものは一つもありません。
なのに、私たちはいつでも「止まろう、止まろう」としています。

それでは、ただ機械的に作業を繰り返しているだけで、たとえ遅くまで残業していても、頑張っていないとみなします。
インスピレーションもなく、ただ機械的に仕事をすることは自慢できることではありません。
そうではなく、何か工夫して残業にならないように努力したほうがよいのです。
そうすれば最低でも電気の使用量ぐらいは節約できますし、自然破壊も減らすことができますから。

でも、皆さんの中には「残業手当が入るから残業があったほうがいい」「残業すれば上司に褒められる」などと考えている人も多いのではないでしょうか。
そういうのは、仕事を怠けているのです。
そうではなく、十時間かかる仕事なら手際よく六、七時間で終わらせて、その日の仕事が終わったらサッと帰ったほうが賢明であり、これが仏教でいう正精進なのです。
(私はコンサルタント時代、自分の部署や役割を無くしても良いようにしてしまうのが、究極の効率化だと言っていました。)

このように、日々自分の生き方を改めて、より良い方向に向上させていかなければならないのです。

これまで書いてきたように、四つの項目で正精進は完成します。
簡単に言えば、「日々昨日より、もう少し良くなるように努力する」ということです。
「昨日よりも今日、今日よりも明日、良くなるように頑張ります」と自分を改善し、向上させ、成長させるのです。日々前進です。
正精進には終わりがありません。

お釈迦様は完全なる悟りを開いたとき、「やるべきことはすべて成し終えた。修行は完成した」と堂々と仰いました。でも、その後の人生も、寝る時間は日に二時間程度。
それも身体がガタガタに疲れたときだけお休みになり、それ以外のときはずっと頑張ってもにいました。
自分のためではなく、人々のため、社会のために頑張ってみえたのです。

七仏通誡偈に「諸悪莫作・衆善奉行」とあるが、仏教では、より良いことをしようではないか、より役に立つことをしようではないか、と死ぬ瞬間まで努力することをとても大切にしているのです。

「より良くなりたい」と正しく精進努力することが、正しい希望です。
仏教は、希望を持つことを否定していません。
それどころか「正しい希望をもって修行し、修行を完成して悟りを開いてください」と励ましています。
お釈迦様は、常に比丘たちに「怠けてはなりません。
睡眠にふけってはなりません。精進しなさい」と仰いました。

私たちも、怠けてはいられないのです。
とくに、残り少ない日々を生きる高齢者にとっては、今すぐに正精進をしなければ間に合いません。





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Last updated  2015.03.01 06:02:57
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