太田典生の「毎朝1話」良い話のおすそ分け

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2015.03.20
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また、多くの老人と接してきて、老いを楽しく過ごす上で、その人がユーモアのセンスをもっているかどうかがかなり重要であると思うとも言う。
ユーモア(Humor)の語源はラテン語のHumores(体液)だそうだが、人間が生きていくためにどうしても必要な血液やリンパ液など体液がユーモアの語源であることは興味深い。
ユーモアや笑いがなければ、恐らく人間は人間らしく生きていけないであろう。

デーケン上智大学名誉教授は、取り敢えず「にもかかわらず笑う」こと言う。
「老いているにもかかわらず笑う」ことができれば、「老いもまた楽し」という境地になりやすいのではないでしょうか?

有名な精神医学者V.フランクルは、『夜と霧』の中で「ユーモアが人を生かす」と書いています。
強制収容所での耐え難い苦しみに耐えられず、人々が次々と死んでいく中で、「日々祈る人、音楽を愛する人、ユーモアのセンスを持っている人」が生きる力を得て生き残ったということです。

フランクルは、ユーモアの効用として、「自己距離化」という概念を述べています。
一見、絶望的で逃れる道がみえないような情況においても、ユーモアはその事態と自分との間に距離を置かせる働きをする。


祈り、音楽、ユーモアは、他の動物には存在しない人間特有のものです。
日本には、ユーモアセンスを磨くのにピッタリの川柳があります。

ある92歳と87歳の老夫婦に夕食に招待され、「長生きの秘訣は何ですか?」と尋ねると、「息をするのを忘れないことです」との答えに思わず大笑い。
少し固めの肉を歯のない歯茎でかんでいるのを見て、「すごいですね」と言うと、「歯はないのですが長年歯茎でかんでいると歯茎が丈夫になって、肉は十分かめますよ」との答え。
「入れ歯はどんな時にするのですか?」と尋ねると、「それは歯を磨くときですよ」にまた大笑い。

ニコニコと聴いていた奥さまが、「この前、入れ歯を題材にしてつくった川柳が新聞に載りましてね」と言う。
「どんな句ですか?」と聞くと、「合わぬはず ジイチャン それは私の歯」にまた大笑い。
とても苦労して3人の子どもを育て、年老いて足腰が弱る中で夫は野菜作りに、妻は川柳づくりに挑戦しているお二人は、ユーモアで老いを横へ吹き飛ばしながら楽しく生きてみえます。
お二人の姿をみて、こんな老いを迎えたいと思いました。

老いをどのように生きていくかは、老いのとらえ方によって、大きく変わってきます。
喪失期ととらえて元気なく過ごすか、挑戦期ととらえて元気に過ごすかは、一人ひとりの心の構えによって決まります。

幸せの善の循環を廻して人生を楽しむか、誤った幸せの悪循環に陥るかも、結局は心の持ち方一つです。





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Last updated  2015.03.20 05:36:09
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