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「もうそろそろ危ないかも…」と父親から電話をもらった時は、明日の打ち合わせのために夜を徹して仕事をしなければいけなくて、どうしても帰れなかった。
まさかその日のうちに死んでしまうなんて思いもしなかったよ。
逝くときは私の腕の中で逝くだろうと思っていたから。
怠け者でお散歩もマメに行ってあげられなくてごめんね…
私が家をでたときには、やっぱり捨てられたと思っていたのかな…
硬くなった体をお風呂に入れながら、最後のぬくもりを探す。
でも、真夜中でよかった。みんなが居るときでよかった。
大きく2回、溜息のような息をしたって聞いてるよ。
みんなが触っていたのを知ってるでしょ。
そこに私の手はなかったけれど、感じてたでしょ。
次の日まで待っていてくれなかったのは…私のことを許してくれていたからだよね。
いつも仕事中には邪魔をしなかった猫のダイが、何故かそのときに限って邪魔してた。
「あっちで寝てなさい」と言っても部屋に入ってきて、膝によじ登る。
… あ…いま気付いた。ダイはジョンだったの?
教えていたの? 最後に来たの? あ… 鈍感でごめんなさい。
根負けして膝に乗せたままにしておいて、よかった。
遺骨を手放すまで10年かかってしまったね。
私が死ぬときに一緒にしてもらおうと思ってたから。
最後に会えなかったこと、してあげられなかったことに悔いが残ってた。
ジョンは逝くときに私のことを許してくれたのに、私が自分のことを許してなかったよ。
この世の躰は借り物だって分っているけれど、そこにこころを残しておきたかったのかもしれない。
悲しんでる私。忘れたくない私。留まりたい私。後悔している私。
そういう自分を許さないかのように。
私には姿は見えないけれど、いまでも時々私の足元に来ているらしいね。
寝るときはいっちょ前に、守っているかのように一緒に寝ているというではないか。
らんぐと一緒にお散歩にもついて来ているのかな。
だったら楽しいね。だから嬉しいね。
あの時できなかったことをしているのかな。
ねぇ、次もきっと犬で生まれてくるよね。
だったら、私がこの世にいる間にまた会えるといいね。
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