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2024/05/21
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カテゴリ: 美術 絵画 教室



 写真を基にしてこの風景を描いていますが、写真に写った情景をそのまま描写するのではなく、絵画として画面の強弱を変えたり、色彩に対して久保さん自身が感じる色合いに変化を加えていることがわかります。

 四国カルストは1000mを超える山並みの中に石灰岩のゴツゴツした岩と草原の緑のコントラストが素晴らしく、春から秋にかけてとても気持ちの良いドライブコースとなっています。
久保さんはその四国カルストの風景を描いてみようと絵筆を走らせました。

 私が制作の始めに久保さんに注意したことは、写真に写った風景を忠実に描こうとするのではなく、久保さんが風景を見て 感じた雰囲気を大事 にして、 風景から受けた印象をできるだけ意識 して描いてほしいということでした。

 素晴らしい風景を見てその美しさに満たされた気持ちにさせられます。それをカメラで撮影することもよくあります。そして撮影した写真を基にして写真そっくりに描こうとすることもあります。ところが写真と同じように正確に描写し、完成された絵画を目の前にして、何か違うと感じることも多々あります。上手く描いているけれども何か違うなと感じてしまうこともよくあります。



 実際の風景を見たときに美しさを感じる気持ちというのは、その場所の 空気、香り、風、音など、制作者自身が体全体で感じた、或いは見えないモノを感じた印象 でしょう。その印象をただ視覚だけを取り上げ、写真と全く同じ表現にしても作品から感じる印象が何か足りないと感じてしまうのです。感動するというのは視覚のみの印象ではなく、風景、制作者を取り巻く 見えないモノ も大きく影響することに気がつかないといけません。そしてその見えないモノをどうやって表現するかということが大事になってきます。

 最初にも言いましたが、久保さんは画面の色の強弱を増幅してみたり、また色にも彼女なりに感じる明るさの変化を加えています。実際の写真とはかなり違っていますが、久保さんか感じた四国カルストの印象、雰囲気により近づいた表現になったのではと思います。そして久保さんが風景を見て受けた 感動が画面全体に空気、風、香りといった見えないモノまでも感じられる作品 に昇華したのかなと思います。

 写実的な絵画というのは写真と同じように表現することが基本になりますが、大事になるのはその写実する対象物にも 空気、香りといった目には見えたいモノに包まれている ことを制作者自身が認識する事が大事になってきます。
 久保さんはそのことを少しずつ感じとり、表現できるようになってきたようです。

 頑張りました、久保さん!





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Last updated  2024/05/21 05:37:54 PM
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