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SAROMAN BLUE 鈴木健司
2024サロマ湖100kmウルトラマラソン完走記〜第2章〜
時計を確認し6時間47分で到着。学生から袋を受け取り、麦茶をいただいて隣の俵おにぎりを流し込む。袋の中からジェルフラスクを1本取り出して、袋を預け、アミノバイタルと氷を求めて出口の被り水を目指すがどちらもなかったのでタオルだけ濡らしてすぐに出発しようと左に目をやると今回同行している初サロマのあみぞうさんを発見!『あっ!行きますよ!』と返される言葉を待つことなく先に出発した。あみぞうさんは絶対に追い付いて来る。(※本人は止めようと思っていたらしい。)またこちらも55kmの仮設トイレを利用するつもりだったので、近くにはなると予想していた。
直後の登りはこの国道区間で最大の登りとなる。ここは速歩きで進み。緩やかになってから走ろうとしていたら、今大会からゴールドゼッケンの紀江さんが歩いている。『頑張りましょう!』と背中をポンとすると『ただいま修復中なの』と返ってきた。『トイレ行くんで先行ってます!』と55kmを目指した。紀江さんも速いランナーなのでここは先に行かせてもらう。
55km 6時間54分07秒 40分51秒
前区間のラップよりも2分オーバーでカバーできた。走るリズムは悪くない。トイレを済ませてコースに復帰。グランディアでの補給が少なかったのですぐさまジェルを投入。ターゲットとしている60kmまでをしっかりと走るためだ。グランディアにはたくさんのランナーがいた。また収容バスに乗るランナーの列も目にした。時折後方から収容バスが抜いていく。走力のあるランナーはゆっくり休憩して後ろから追い上げてくるはず。実際にじょーじさん等のグループが後続から追いついてきて6分台の走りで抜かしていった。こちらは着いていけるスピードはないので自分のリズムだけを意識した。
途中の被り水がないのは暑い時はいつものこと。2km先のエイドまでしっかりと走れれば足りないことはない。あみぞうさんと吉田さん・じょーじさんの仲間の本間さんが合流して58kmまでくれば登りは終わり。北勝水産の脇を抜けて再びサロマ湖湖岸を進んでいく。60kmの青いテントを先に見て時間を確認する。7時間30分以内では到着しそうだ。ここまで坂以外では電柱走りにならずに走ってこれた。
60km 7時間29分21秒 35分14秒
下方修正したターゲットタイム通りに到着。例年よりは10分の遅れまで取り戻した。次のエイドはキムアネップ岬の63km過ぎ。バナナを貰い昨年のバスに乗った場所を過ぎる。後ろから紀江さん到着!さすが強い!
さて次のターゲットは70km。8時間40分で行ければそこからは8分でも大丈夫だがほとんどが平坦なので逆に難しいのがこの距離だ。悪くても8時間50分以内を視野に入れて走り出す。紀江さんはエイドを出ると軽快な走りで前へと行った。こちらは平坦部分は走り、坂道は電柱走りを実施。あみぞうさんは電柱走りの実践編に感動の様子。この区間では8分以内の走りとキムアネップ岬までの下りでチャラにするくらいの気持ちで進む。
左折して下り坂になりその後の平坦に備えてペースを刻む。坂を下り切ると岬を回る形で進むが、微妙な登りでペースが落ちる。63km表示をクリアしてエイドに到着。立ち止まらず水分補給とバナナを貰って歩き出す。まもなく8時間が経過する。
出発するとすぐに10年前のラン×スマで紹介された魔女の森(通称:魔女森)は今年は最高に涼しかった。木陰で更に風が抜けるので一気にクールダウンさせてくれる。まもなくして64km表示あり。前方にオレンジのユニフォーム・へろへろのりきさんを発見!『あの方も確実に完走しますから!』と、僕が脱落しても目印になる方をさりげなく紹介した。
65km 8時間08分32秒 39分11秒
65kmのターゲットは自分の中では8時間05分だったので3分ロスまでカバーしている。このままの調子でいければ70km8時間50分以内はクリアできそうだ。エイドで先着していたランナーよりも先に出てきたので、後方からペースの速い集団がやって来た。その中にはじょーじさんもいる。また前には紀江さんの姿も近くに見える。自然とペースが上がり自分のペースとのズレが生じてきた。魔女森の終わりが見えてきた時に、あみぞうさんには『自分のペース遅くなっているので先に行ってください』と伝える。あみぞうさんは『痛くなっちゃいましたか?』と心配してくれたが、ここは実力不足。『ジンガリは守りますから!』と集団から離れた。
魔女にエネルギーを吸われたかの様にペースダウンしてしまったので、すかさずジェルで補給して私設エイドへ到着。こちらでグランドブルーメンバーの住吉健司さんのリタイアされたのを耳にした。実は住吉さんの旧姓は鈴木健司さん!同姓同名なのだ。昨年初めてその事実を知り、ゴールされた健司さんと会話をした。『今回は同じ名前の僕がゴールしますから!』と宣言してエイドを出発した。
佐呂間大橋を渡って前を追い掛けるにも前の集団は見えなくなっていた。元私設エイド斉藤商店の横を通って再び国道に合流。民宿さろまにあんでは沿道でシャワーを浴びて70kmを目指した。脚の痛みはないが走り続けるのが厳しい。
この国道区間では歩道を走らなくてはいけないので、足元が悪く狭いのがストレスだ。69kmエイドでは待望の『北海道限定・炭酸リボンナポリン』を2杯いただく。ふと横を見ると、お店の常連さんN夫妻がいてご主人が熱中症でダウンとのこと。相当暑さが厳しい。ご夫妻の想いも一緒にゴールへ。
70km 8時間49分09秒 40分37秒
70km計測地点ではターゲットとしていた時間よりも1分前に到着。次の10kmを8分ペースで走れば80km地点を10時間10分以内でワッカ原生花園に入ることができる。ここでのポイントは関門の79.3kmの通過タイムではいけないこと。あくまでも80kmで計算しないと、その後が厳しくなる。現状エイド込みで5km40分/10km80分以内で走れているが、80kmからこれ以上速く走るのは自分には難しくなる。
次のエイドは72.5kmの被り水と74km手前の鶴雅リゾート。この平坦区間でイメージ通り走れるか。電柱走りを繰り返しながらリズムを作っていく。気持ちは7分ペースだが実際には歩きの距離が増えてくると8分になってしまう。1km毎の表示で確認して遅れないように粘っていく。
被り水の看板と共にあみぞうさんに追い付いた。氷もあり再びジップロックに詰めて冷やしていく。そしてだいぶ近付いてきた鶴雅に向けて走り出す。
手前の駐車場にはグランディアまでだった山崎さんと庄司さん、そしてみちのく津軽ジャーニーの為に温存ってことでリタイアした鍋島さんと落田さんの姿があった。そして各区間で応援してくれているチームへろへろの皆さんも。応援に応えて走りたかったが、電柱歩きゾーンだったのでここはゆっくりと鶴雅を目指した。『計算ばっかりしてんじゃないぞ!』というツッコミもありながらも計算しかできない。
鶴雅の出発は9時間10分が理想だが、実際には全体9分遅れのままで到着が9時間19分。冷たいおしることそうめんを流し込んであみぞうさんと共に歩いていく。あみぞうさんがトイレに行くというので確実に追いつかれるだろうと先を急ぐ。出発は9時間22分経過。昨年のコースから例年のコースに戻っているので自分にとってはいつものコース。ネイチャーセンターの分岐を道なりに進みサイクリングロードに入って左右の林が開けた先に75km地点がある。
75km 9時間32分15秒 43分06秒
鶴雅のエイドを含めてこのタイム。ちょっとこの区間は魔女森で頑張りすぎた分が遅れとなっている感じ。気持ちを切り替えてここから40分で5km走ると80kmは10時間12分。なんとか10時間10分で到着したいが手前のエイドもあるので果たしてどうなるか。サイクリングロードは平坦なので走れるところも多い。電柱走りでリズムを崩さずに進みながらも、脚の重さが常に気になる。以前の関門80km10時間だった頃の方がもっと頑張らなくてはいけなかったので厳しかったが、緩くなった関門時間のお陰でとりあえずワッカに入れることに。でも自分の走力では8分ペース以上残しておかないと完走には厳しいので必死に走る。
途中の被り水エイドでは氷をジップロックに詰めて走り出す。あみぞうさんも一緒になり、まずは79.3km関門を目指す。エイドでは飲み物を摂りバナナでお腹を満たす。グランディア以降ジェル中心で補給しているので固形物を摂取してガス欠はしないように気を付ける。エイドを離れいよいよワッカの入口へ。あみぞうさんにも『坂だけど走れる登りなのでゆっくりまずは80kmまで走りますよ』と。スライドするランナーに声を掛けながら坂道を登る。
80km 10時間12分13秒 39分58秒
予定よりも2分遅れ。だけどこの5kmは40分以内でクリアできた。『もう少し走りますよ!』と緩やかな登り下りを走りで刻んでいく。良いリズムは崩したくない。80km鉄板の10時間3時間残しに対して12分遅れ。頭の中で何分何秒とまでは計算できない。なので『8分30秒以内で進めば問題ないです!今の5kmも40分だったので今のリズムで大丈夫!』オホーツク海とワッカ原生花園が見渡せる復路のラスト4km地点の丘の手前まで走って進んだ。
昨年崩落でコース変更となったこの場所はオホーツク海に防波堤を作るような工事を行っていた。砂州であるワッカ原生花園は波から侵食されるのでその対策だ。5年振りのこの眺めは昔と変わっていない。折り返し地点のモンスターブリッジも当然見えない中で、約9km進まなくてはいけない。だけど自分に取っては見慣れた風景と空気だ。どこに坂があってどこが走れて、どこがキツくてどこがリカバリーできる場所なのかは理解している。このワッカでリタイアするわけにはいかない!
スライドする全てのランナーに『ガンバです!ナイスラン!』の声掛けをあみぞうさんと共に行う。復路95km地点のエイドでは水と氷だけ。空は雲が優勢となっていて暑さは収まってきたが、追い風になっているので体感はまだ暑い状況だ。ワッカのサロマ湖側からオホーツク海側に登る坂道であみぞうさんには先に行ってもらう。僕自身の脚が再び遅れをとっていた。坂道を速歩きで進み、平坦や下り勾配になる部分を走っていく。1km毎の表示で9分近く掛かっているのを確認しては、走れる際のペースを上げる。
85km 10時間55分40秒 43分27秒
この5kmは8分30秒で42分30秒のラップから約1分遅れてしまった。ここで若干の下方修正を行う。
いつも80kmまで頑張った分、85kmまでの5kmは若干のレスト区間だ。次のターゲットとして90km11時間40分とする。残り10kmに80分残せばなんとかなる。時間としては約45分ある。この区間と同じリズムで走れば少し貯金ができると確認した。またこの後の折り返してからの91.5kmの関門があることは知っていたが時間は全く気にしていなかった。
次のエイドはワッカネイチャーセンターへの分岐点。そこへ11時間01分で到着した。ここは復路の関門地点だ。復路のランナーと交錯しながらスイカを貰い、応援の方々から『ギリギリだぞ!大丈夫か!』と激励を受けて手を挙げて応えて出発した。
ここからモンスターブリッジまで約3km。折り返してくるランナーから『今年は大丈夫ですね!』『いけるいける!』『ギリギリだぞ!粘れ!』などたくさんの声を掛けていただく。こちらからもエールを送り自分を鼓舞する。モンスターブリッジに向けてアップダウンを繰り返し緩やかにコースは登っている。歩きも増えてくるが確実に進む。すると後ろから真紀さん登場!『やっと追い付いた〜!』とこれにはビックリした。関門はかなりギリギリだっただろう。それなのにワッカの往路で追いつかれるとは!そして元気に追い抜かれた!
そしてモンスターブリッジの手前のエイドをパスして橋に差し掛かる。ここはもう走れない。折り返してきたあみぞうさんとスライドして下りを走った先に折り返しがある。11時間26分経過。再びの登り返しを歩き、モンスターブリッジの頂上から下りへ。レース中ここで唯一スマホを取り出し写真を1枚。ようやく辿り着いた折り返し。また来年もこの場所に立つために景色をスマホに残した。
エイドを利用していると『関門まであと24分!走れば間に合うよ!』の声。『そんなギリギリか?』と思いながら、11時間30分経過している。まずは90km地点を目指す。電柱走りのペースをグッと引き上げて、距離を短く、歩く距離も短くして進む。90km計測が近づいてきてタイムを確認すると11時間38分を示していたので、我慢していたトイレへ駆け込む。済ませてから90km到着。
90km 11時間40分35秒 44分55秒
ラスト10kmにようやく到着。8分ペースを残せればなんとかできるという自信はあった。と言うのも、ラスト5kmは必然とペースが上がる。ラストラップの過去のデータを観ても38分〜40分では走れる実績があったのでこの80分残しは大きい。(※実際には79分25秒だが)続いてこの先の91.5kmを突破しなくては!トイレ問題も解消できたの電柱走りのペースも上がる。
91.5km関門は『あと3分〜!』の声が聞こえているがテントが見えない。緩やかな坂を越えるとその先に青いテントが見えた。到着は2分前。『よし!これでゴールまで行ける!』エイドでは麦茶が美味しい。そして内転筋の痙攣が気になりだしてきたので梅干しをいただくと脚が軽くなる。立ち止まる余裕もないので歩きながら水分を摂る。
再びスタートすると緩やかな登りになる。8分ペースを維持しなくはならないので必死に追い越していくランナーの背中を追い掛ける。登りを終えると左右にオホーツク海とサロマ湖を望むことができる。そこからは若干の下り勾配になるのでペースが上がる区間だ。道がオホーツク海側に寄ると93km地点はワッカ原生花園の中でも大好きな場所。左にオホーツク海が広がり波の音も聞こえる。24回目のこの場所を抜けて、今度はサロマ湖側へ大きく下っていく。まだまだ多くのランナーがゴールを目指して進んでいる。対岸に75km付近を見ながら『あそこを走っていたのは2時間以上も前だけど、まだ走れている』ことを確認。95km地点のエイドが見えてきた。ここにはコップも残っていなかったのでバケツの中の氷だけ握りしめて95kmへ。
95km 12時間19分47秒 39分12秒
辛うじて40分残した。そしてこの5kmの電柱走りで40分を切った。『これはいける!』最後の難所はラスト4km地点となる振り返ればワッカ原生花園を見渡せる小高い丘だ。この1kmはできるだけ走らなくてはいけない。しかしここに来て両方の内転筋が攣りかけている。立ち止まった時に掌で叩いて刺激をいれる。丘の麓まではなんとか走るが大きな坂が壁のように立ち塞がる。ラスト4kmの看板でラップを確認すると9分経過してしまっていた。振り返り一礼して『来年もまた!』と心の中で呟いた。さてここからは下り勾配でペースを上げて遅れを取り戻さなくては。
下りに体重を預けて走っていく。少しの登り返しがあると速歩きを挟み、次の下りで走る。ラスト3kmで残り23分くらいになっている。80km地点だった場所にはカメラマンがいて声援を送りながら写真を撮っていた。笑顔で応える余裕もなくしっかりと走って、いよいよワッカ原生花園の出口へと大きく下っていった。最後のエイドでは梅干しを探したがなく水分だけ貰ってスタートする。『ありがとうございました!』
コーナーを曲がってしばらくするとラスト2kmの看板があるのだが、左折したタイミングで内転筋が攣り立ち止まった。太腿をパチパチパンチの要領で赤くなるくらい叩いて進む。
ラスト2kmでは残り時間14分!『ヤバッ!』ここでタイムオーバーはなるものかと正に【秘技電柱走り】でダッシュしては歩きを5回繰り返した。国道に合流してラスト1kmまでいくまで気を抜くことができなかった。1km地点ではやはり7分!『でもこの1kmの電柱走りを繰り返せば間に合う!』と最後のビクトリーロードに入ってからも3回立ち止まった。周りの応援からは『間に合うぞ!』の声が掛かる中で、また立ち止まり内転筋を叩く。『そんなことしてないで走れ!』と喝を入れられて顔を上げて走り出した。
※制限時間ギリギリのビクトリーロードの毎年撮影している動画をYoutubeで観ると遠くの方で歩いているのが映っていた。
常呂町民センターのカーリングホールが近づいてきて、応援の方から『あと2分!』の声が掛かる。必死にペースを上げてゴールを目指した。沿道にはたくさんの方が大きな声援を送ってくれていたが、こちらは苦しすぎて周りを見る余裕もない。片目が辛うじて開いているが、その目にも汗が入ってボヤケて見えない。最後の直線の手前で時計を見ると12時間59分23秒を示していた。『いける!』と思ったが例年のように迎えてくれる方々とハイタッチなどしている余裕はない。とにかく全力を出し切って目線の先に12時間59分50秒の掲示を確認して間に合うことを確信した!※動画で観ると最後は真っ直ぐ走れていない
MCの岡田さんの『ここで帰って来るさすが鈴木健司!リベンジ!』
100km 12時間59分55秒 40分08秒
ゴールして途中一緒だった本間さんが声を掛けてくださり握手を求めてくれたが耐えられずうつ伏せに倒れ込んだ。その様子を見て岡田さんが『さすが鈴木健司、完走職人!』とアナウンスしてくれた。そして仰向けになり立ち上がろうとした際に内転筋が痙攣してしまったのを見て救護の方が『脱水症状かもしれないのでそのままでいてください。』『大丈夫です!』と答えるももう一度立ち上がろうとすると再び攣った!『車椅子持ってきて!あと水分も!』となんだか状況が仰々しいなってきたので、『仲間も待っているんで』とゆっくり立ち上がり事なきを得た。岡田さんと目が合うと『凄いですね!10秒前!?職人すぎるぜ!』とお褒めの言葉をいただいた。(※実際には5秒前だったが)
その後もレースを共にした方々と互いの健闘を称え合った。色々な方に支えられたサロマ湖100kmウルトラマラソンが終了した。ゴール後はいつもの様にお腹空きまくりの僕は荷物を受け取っただけで着替えもせずにカレーライスにいか焼きと豚汁の3点セットでお腹を満たした。
今回でサロマ湖100kmウルトラマラソン24回目の完走。自身にとってはコロナ禍での中止、そして昨年60km関門でのリタイアで5年振りのゴールとなった。サロマ湖では5回のリタイアがあるが、今回も30km過ぎてからリタイアバスに1歩どころか、カラダ半分踏み入れていた。沿道で凍ったOS-1ゼリーをくれた方、ペットボトルのドリンクをくれた方、これにより暑さでバテていたカラダを癒やすことができた。そして芭露手前では痛いですアピールをして脚を引きずっていた自分とお会いできた真紀さん!真紀さんからのロキソニンは今回最強の手助けとなった。『痛み止めと胃薬は当たり前』と思われるかもしれないが、自分自身のこだわりとして敢えて飲むことはしていなかった。痛みもレースの一部と考えている部分もある。しかし今回は【チャレンジャー!絶対完走!】を胸にスタートラインに立っていた。一回は断ったロキソニンも『これで駄目だったらしょうがない。とりあえず完走に繋がる可能性があるならば飲んでみよう』と受け取った。代償の心配もあったが、激しい筋肉痛が3日後に来たぐらいでレース後半まで痛みとなった右足立方骨に違和感すら出なかった。ずっと痛み止めが効いているのかと怖くなるくらいだったが、3日後なのは年齢のせい(笑)
ともかく【完走】という形で終われたことは最終ランナーでのゴール、5秒前とはいえ納得のいく結果だった。MCの岡田さんが『完走職人、鈴木健司』と語ってくれていたが、29年このサロマの地を走っているからこそ、40km以降20分遅れの挽回の策はすぐに頭の中に描くことができた。
60km7時間20分・65km8時間05分・70km8時間45分・80km10時間が毎年の経過時間なので、そこに対してどれだけ遅れているかを確認。次に小さいターゲットを作り、達成状況と実際のラップタイムから下方修正してなんとか間に合わせる走り方でゴールまで辿り着いた。応援ナビやランナーズアップデートで応援していた方からは90kmラップで88分掛かっていたので、残り10km80分残しでは間に合わないと思っていたらしい。
40km地点で一緒にいた真紀さんがモンスターブリッジ手前で追い付いてきた。真紀さんは後でアップデートを観ると80km地点では約10分遅れていたが、ゴールタイムはなんと12時間53分と驚異的な追い上げ。もし同じペースで走っていたら、僕がワッカ原生花園の中で潰れていたと思う。自分の走りしかできないので、レース中にも『鈴木さんに着いていけばゴールできる』と出来上がる集団も、皆さんを気にできないので脱落させてしまうケースも多い。自分のことだけ精一杯なのはこれからも変わらないだろう。これからも僕のスタイルは【見掛けたら僕よりも前へ】となる。
最後に第39回サロマ湖100kmウルトラマラソンに関わった全ての方々へ感謝致します。昨年4年振りの開催でボランティアの方もわからないことばかりだったと思いますが、2年目となり大会運営はコロナ禍前よりもより良くなったと感じました。最後まで声援を送ってくださった皆さん。一緒にゴールを目指したランナーの方々。ゴールして一緒に喜んでくれた皆さん、本当にありがとうございました。
この大会を通じて自分もよりレベルアップできたと感じました。それは周りの声援をいただけるからだと今年のワッカ原生花園を走りながら本当に感じました。面識はなくとも『Youtube観ました。ブログ参考にしてます。』と声を掛けていただくことでたくさんパワーを貰っています。ウルトラマラソンを走りたい方を応援したいけど、自分にできることは少ないのでもっともっと積極的に活動していきたいと感じました。
また来年サロマの地で会いましょう。アートスポーツにも会いに来てください!
本当にありがとうございました。
アート鈴木こと鈴木健司
サロマ湖100kmウルトラマラソン戦績
29戦24勝5敗(2024年大会終了時点)
2024年サロマ湖100kmウルトラマラソン完走記〜第1章〜
2024年サロマ湖100kmウルトラマラソン完走記〜第2章〜
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