「あるがまま」日記
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「初めての認知療法」 (大野裕著、講談社現代新書、2011年、798円(税込み))ようやく読みあげた。予定では11月中に読み終えるはずのものだった。かなり遅れた。この本は、うつ病に対する認知療法の入門書だが、家庭や仕事上の問題解決手法も説明している。森田療法の『も』の字もないが、共通性はいくらかある。たとえば森田療法でいう純な心と認知療法の自動思考、かくあるべしとスキーマなど。認知療法では薬は補助的に使用するのみとのことで、薬を使わない森田療法とはやや共通している。この本は森田療法信奉者である私にも読みやすかった。大野裕は認知(行動)療法の日本に於ける第一人者といわれている。特に、第三章 問題を解決する手順第四章 身体とこころをリラックスさせる方法第五章 自分の気持ちを伝えるには第六章 コラム法のすすめの4章は問題を「いかに解決するか」という観点から見て一般の人々にも役に立ちそうだ。森田療法はこういう分野をもっと開拓しなくてはならない。グスグスしておられない。有志と力を合わせて自分もやろう。同じ講談社現代新書に入っている「森田療法」(岩井寛著、1986年)は名著だが、今はどのくらい読まれているのだろう。岩井寛は1986年55 歳の若さで他界した。彼がもっと長生きしていたら現代森田療法の進歩はもっと大きかったことは間違いない。彼の死は大変な損失だった。この本は不安障害に悩む人は一度は読んでみて損はない。いずれにしても今年は森田療法と認知(行動)療法とが勢力争いするのではなく、協調していく年になってほしいものだ。
2012年01月26日
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