とりあえず乗ってみた

とりあえず乗ってみた

2024.05.19
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カテゴリ: フェリー









関東から遠方へ船舶を使っての移動。

鉄道や航空機の発展、旅客需要の変化もあって今では数える程にしか残っていない。

そんな中で2021年に開拓された新航路。

時の流れに対する逆行なのか?

それとも新たな時を刻む可能性なのか?

そんな東京九州フェリー自慢の新造船舶「それいゆ」に乗って、俺は5月10日(金)に九州へと向かった。










↑全体的にターミナルは綺麗で売店や飲食店もあり(海軍カレーも食える)。既に晩飯食ってるのに葉山牛コロッケやミックスジュース飲み食い。 見 健康診断だけ怖いので後で色々気を付けないとだが………





まずフェリー初利用の方にオススメしたい事がある。


前日までに酔い止め薬を買っておく事だ。


東京九州フェリーの航海時間は21時間、長距離フェリーとしては短めだがほぼ一日海の上にいる事になる。

初見の船酔いの特徴として、起きている時より寝ている間に自分の身体の器官がやられて発生する事が大半。


「おっ、わりとヘーキヘーキぼくあたし船強い船強い最強最強最強ォォォ」と思っちゃって翌朝目覚めたら オ゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ッ!!!!!



横須賀にもドラッグストアは複数あるのだが、どこも微妙にアクセスが土地勘無いと面倒な場所にある。

ターミナルには夜間向かうと思うので、真っ暗な中酔い止めを横須賀市内で探すのは至難の業だ。

わずか500、600円ケチって最悪な結果にならないようにしよう。


酔い止め薬は医薬品の為(販売に薬剤師資格が必要な為)、フェリー船内及びフェリーターミナル売店では売ってない。


似たような非医薬品の酔い止め飴は売っているが、医薬品では無いので完全な防止策にはならないだろう。

酔い問題さえ解決すれば、最新船舶での快適かつ優雅な船旅が待っている(ガチで)。




【乗船後】


↑殆どホテル。床はそれいゆの花………ひまわりをあしらった模様になってるようだ。





日曜以外ほぼ毎回スパンで往復しているフェリーの為、フェリー特有の匂いはあるがすぐ慣れると思う。

苦手な場合は休船日を挟んだ翌日辺り利用してみると多少変わると思う。

一方で広い船内に明るい空間は、真面目に自分が海の上にいるのか分からなくなる程。

フェリーも進化したんだなぁという事がよくわかる設備となっている。






↑自販機はフェリー特有のカップ麺のやつもある。自販機の値段は物価高もあってか陸と大差なし(陸の価格が洋上に追いついた感)。お湯は入れられるが電子レンジは無いので注意。




↑浴場は乗船したらすぐ利用可能。バスタオルは200円でレンタル出来る(フェイスタオルもレンタル可能)。下船前まで使って良いため荷物増やしたくない場合は借りた方が無難。




とりあえずまずサッと風呂入ったら夜食メニューとビールが飲みたくなったのでレストランに直行。

夕食後二連チャン飲食、今回ばかりの無礼講で行く。






↑ビールサーバーでキンキンに冷えたグラスに生ビールを注ぐ。高いメニューだったが唐戸市場直送ブリのカマ焼き(高いだけあって旨い)を摘まみながらエンジョイ。






因みに東京九州フェリーの母体SHKライングループの親である関光汽船の本社は下関にあり、唐戸ブリはそれに因んでいるのかも?

ただ後述する理由から、乗り鉄基準だと北九州福岡のみならず下関ないし山口や広島に向かう際にも東京九州フェリーは便利となっている。







↑今回はツーリストSを利用。質素だが個室としてプライベートが確保されている。またこの日のツーリストSは満席。





個室の扉はスマホ又は乗船手続きをして貰える紙に記載されたQRコードで開く。

このQRコードの読み取りが中々コツが必要で、かなり押し当てないと反応しない。

俺は慣れるまで時間がかかった。

こうして一段落した後、寝る前に酔い止めを服用し就寝。

酔い止めは大体4~5時間位が最大の効き目になっていて、深夜出発の東京九州フェリーの場合だと動き出して直ぐより寝る前に飲むのが無難。

勿論、酔わない自信があるならこの作業は不用。

かくして睡眠タイムに。




【船内でのひととき】

↑本格的に太平洋の方を走り出したそれいゆ。漁船が船団作って漁をしていたり、普段絶対見れない光景が色々。




率直に言おう。


サンライズよりちゃんと寝れた。


波の状況にもよるんだろうけど、船内の広さだったりで充実度に鉄道とかなり違いが出ると思う。

この日はキャプテン放送(船長の案内)によれば快晴で波も穏やか。

荒れる事に定評がある太平洋航路では割と奇跡的。






↑朝食は無難に和食プレート(1200円)。しっかり食わないと後に響くし。




夜食もそうだったがレトルト感は全くなく、ちゃんと飯食えた感があった。

朝食で出されてるパンは売店で売られたりするんだが、此方も割と良い感じ。

主食である米とパンどちらも悪くないのでかなりテンション上がった。





↑大体朝10時頃にキャプテン放送があり、姉妹船であるはまゆうとのすれ違いを見ることが出来る。この日は天気が良いのでデッキで見れた。





はまゆうは横須賀の市の花、それいゆはフランス語でひまわりを意味し此方は北九州の市の花がモチーフ名となっている。

ただ何より思ったのが、「この船、速くね?」という点。





↑12時手前時点で既に四国まで到達している。




このそれいゆと姉妹船はまゆうは最高速力28ノット。

一般的なフェリーが22~24ノット辺りで動くなか、それを遥かに上回る速度で航行する。

この速力はミリヲタクが大好きな戦艦大和の27ノットを上回り、海上自衛隊が使っているミサイルとか積んでる護衛艦の最高速度30ノット前後を肉薄する。

フランスネタにするとフランスが第二次世界大戦の頃に保有していたダンケルク級巡洋戦艦の速力と同じ。


積み荷満載のトラックを積みまくった全長200メートル越えのフェリーで、この速さ。


全長は200メートル越えになると日本の法律上では名実共に巨大船に分類され、その為多くの制約や条件税金とか色々追加されてるのだが、やはり大手海運だけあってノウハウが違うのだろう(大半のフェリーは制約を避けるために200メートル超えないようにギリギリ199メートル前後が多い)。

これは海運会社のノウハウだけではなく、はまゆうそれいゆの航路や関連会社の新日本海フェリーでの運用もある程度想定しているからかもしれない。





↑そんな様相に反して、天気も波も穏やかだった。





太平洋は勿論のこと日本海は更に荒れやすい地域であり、その関係から日本の船舶は船体を安定させるため大型化する傾向があった。

現在でも自衛隊で運用されている護衛艦群が米国製艦船より大型に建造されているのも、過酷な日本海での運用を想定している為。

関連会社である新日本海フェリーの現役船も高速大型(大体27ノット位)になっている事から、荒れた日本海太平洋両方で安定した航海を主眼に汎用性を確保するためこのサイズなのだと思う。

それでいて殆ど揺れない。






↑ただし安全性のため椅子などは厳重に固定されている。



↑電子グリルだが、潮風感じながら屋外テラスでバーベキューが可能(事前抽選制)。肉と野菜焼きながら冷えたコーラ飲むのは中々格別。





バーベキューに関しては乗船後に抽選箱に名前と部屋番書いて入れ、かつ翌日天気が良ければ利用できる場合がある。

今回は運良くバーベキューに当選し天気も良かったので利用(コーラ含めて1990円ほど)。

バーベキューセットに肉野菜とライスがセットになっているため、余程の拘りが無いのであれば抽選時にバーベキューセットをまず書いとくのが無難(抽選前にセットか単品かも書いとく必要がある)。

塩ダレ中辛ダレとあるので、野菜も肉も米も箸が進んだ。






↑トレーニングマシン、映画、プラネタリウム、風呂………一通り全部利用した(風呂は3回入った)。





一方で外洋を走るため通信環境は殆ど皆無。

船内Wi-Fiも備わっているがあくまでオマケと考えるのが無難。

いわゆるデジタルデトックスになるため、ネット好きには辛いかも知れない。

船内ではトレーニングマシンでキャンディを倒したらカフェオレと対峙し、予想外にフィールド・オブ・ドリームスで涙線刺激され、風呂はガンガン入り、プラネタリウムは素直に寝てた。

映画は割とランダムガチャ。

他の乗船レビュー見るとトップガン(初代)やジュラシックパークに当たったり、普通のアニメ映画(豚向けではない)だったり。






↑船首にあるフォアードサロンは日中なら前面展望を楽しめる(飲食禁止、人がいなかったので下船前に撮影)。





風呂は天候が良ければ屋外露天も利用できるが、季節感失うほど風が寒かった。

ただ動く船や波を切る様子を眺めながらの入浴は唯一無二だと思う。

プラネタリウムは割と酔ってしまった場合とかにも使えるかもしれない(酔わない方が良いに越した事は無いけど)。






↑豊後水道に入り姫島も見え始める。ついに船は九州へやってきた。




初回だった事もあり、夕食前になると船旅あっという間だなぁ感が出てきていた。






↑晩飯は太平洋カジキのポワレセット(1500円)。太平洋や台湾辺りとかでカジキがよく捕れる(流石に生カジキでは無いと思うが肉厚で旨かった)。




レストランは朝昼夜夜食で殆どメニューが異なる。

悪天候でバーベキューがダメだったり外れたりしても食の楽しみは尽きないだろう。






↑最寄りの門司駅まで約10キロ。門司までの道は完全に車向けの為、ターミナルから駅への夜間の徒歩は殆ど不可能と言っていい。素直に連絡バスを利用するのが無難(予約不用だが下船後すぐ出るので足早に乗る必要がある)。タクシーの場合は横須賀で乗船前に手配しとかないと無理。






かくして新門司に到着。予定より少し早く到着したらしい。

真っ暗だし終電手前だからユニークな九州特急たちと直ぐご対面とまではいかなかったが、九州まで来たんだなぁという実感はひしひしと増していった(過去形)。







↑それいゆ、ありがと~





んで小倉駅まで到着。

大体22時前についたため、行こうと思えば熊本下関佐賀、駆け足で無理をすれば鹿児島中央や広島まで向かう事も可能。





↑深夜と言えば深夜だがまだ割と街は起きている時間帯。



【東京九州フェリー所感】
費用だが横須賀~新門司まで基本料金だけのツーリストAなら14000円、ツーリストSなら20000円となっている(ただし繁忙期は若干上がる)。

夜間到着の為、そこから宿泊料金を考慮すると新幹線より高くANAやJALの通常料金より安いくらいになる。

また現在旅客商品としてSHKライングループの関連会社のヴィーナストラベルで30歳以下限定だがアンダー30というプランも期間限定で存在する。







↑ギリギリ俺も範囲(汗)。連泊するので使わなかったがツーリストAならホテル代込みで20000円を切り(休日宿泊だと値段変わるので要確認)、かつ大体2食分のクーポンが貰える。追加料金でツーリストSも選べる。ステマではない。





ホテル宿泊無しのプランなら11000円からあり、そこから安ホテル独自に組み合わせて連泊したりすることも可能。

JR九州の大分・福岡DCきっぷとの相性も抜群で、フェリーの到着翌日に開始日を設定しとけば取り忘れとかもなく安心してきっぷを受け取る事が可能。

公共設備の感想としては風呂場やトイレも航行中に清掃が入ってくれてるので、いわゆるフェリー特有の下船前のグダグダ感も少なめ。

乗り鉄基準で考えると、翌日の九州や山口県とかの始発電車に乗る事が出来る点が大きい。

船内の揺れに関しては波の状況もあるから全く揺れませんとかは言えないが、新型船で最先端の技術が詰まってるだけあってかなり安定しているのは間違いない。

実際、今回は陸にいるのと大差ない感覚だった(陸で酔っちゃったが)。

個人的には下手に筋トレとかで女がなんだとか言ってるZ世代とかゆとりがいるなら、友達なり彼女でも誘ってフェリーでも乗るのがオススメだと言える。

勿論ソロ旅でもツーリストSなら個室だし、ツーリストAは男女分かれている(女性専用のツーリストAツーリストS区画がある)。

ソロ客がツーリストAの寝台区画で男女相部屋になることはまず無いと思うので、心置きなく男女平等に一人旅も楽しめるぞ。







↑翌日海に浮かんでそうなオッサン(俺もだが)。スタッフ含めて対応は厳格丁寧にやってくれた。





トラックドライバーの専用区画もあり(風呂場食堂含めてあるみたい)、一般旅客とトラックドライバー双方に配慮もされていた。

全体的に船旅の認知度が高いシニア世代が多かったが、認知度が上がれば若手も増えそうな気もする。

船旅というのも唯一無二な上に、関東で手軽に長距離航海出来る旅客航路はオーシャン東九や大洗(茨城)から出ている北海道に向かうさんふらわあ位。

学生なら学割も効くし、夜間から夜間の移動は癖がある一方で乗り鉄旅の乗り鉄幅を広められる可能性も秘めている。

何より非日常が同居したオーシャンビュー広がる船の旅は、きっと忘れられない思い出になる筈だ。







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最終更新日  2025.08.29 13:29:43
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