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2017.01.16
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カテゴリ: 探訪 [再録]

                                                                                         [探訪時期:2014年3月]
彦根城探訪の現地解散後、個人オプションとして、 久しぶりに天守内部を見学しました 。写真の右側に位置する多聞櫓が現在は天守への入口になっています。本来は地階から天守に入る玄関口が付いていたそうです。土台である石垣部分の内側が地階となるのです。 (資料1)

                                                                 こちらは北側からの天守の景色

建物内部に入って気づいたのが、この武者窓の下に張り出した壁です。壁を厚くすることで防御能力を高めるということでしょう。

                                                               窓から北の方向が見えます。

これは 続櫓から天守への階段口 。屋根の木組みが結構複雑です。
木の自然のうねりが木の癖を巧みに組み合わせて使う匠の技が発揮されているのです。

天守は3階3重の屋根・地下1階で構成されています 。屋根の様式はこの探訪のNo.7で既にご紹介しています。

1階に設けられた 鉄砲狭間 。ただしこれは (かくしざま) と言われるもの。
外部から見えないように外側から板をはめ壁が塗られてカモフラージュされているそうです。いざという戦闘態勢の時に突然に押し破って、鉄砲を撃つということなのでしょう。 同様に矢狭間も 設けられています。

2階の扉と廊下

回廊の幅が広くとられています。梁の木が大きくて頑丈そうです。
内部は板戸ばかり。武者窓の戸を閉めると、昼間でもほぼ真っ暗になりそうです。
内部の壁が漆喰で白く塗られているのは光を反射させる効果もあるのでしょうか。
井伊直弼の木像 が置かれています。


3階の天守の木組み。「国宝指定書」が梁に掛けられています。


3階からの眺めはこんな感じです。



 北方向             

 西方向


 東方向




2階には解体修理工事の遺物が展示されています。
たとえば鬼瓦引付金物や大棟積み飾り瓦。ほかにも懸魚や様々な種類の瓦などです。


多聞櫓の先に見える玄宮園
  門扉



これで天守見学を終えました。

この彦根城は 德川幕府の西方防衛の一環で構想されたお城 です。そのため 大手門は城の縄張りとして西側に設けられています 。彦根城はその築城構想にもかかわらず、ラッキーなことと言うべきでしょうか、一度も戦争を経験することなく平和な江戸時代を迎え、現在に至った希有なお城です。
「江戸時代には藩主が天守を訪れることも余りなく、天守には歴代藩主の甲冑などが収納されていました。江戸時代の天守は、軍用建築というよりも、城下から見上げる彦根藩の象徴という役割を担っていたようです」 (資料2)

天守を出た後は表門の方向に本丸・太鼓丸・大堀切・坂道と下って行きます。
こんな雰囲気です。夕方近くなり、さすがに観光客もまばらになっています。
 太鼓門櫓の門から本丸を出て

 太鼓丸から天秤櫓の門へ
の天秤櫓は 「井伊年譜」に 長浜城の大手門を移築したものであるという記載 があるようです。解体修理が行われた際、移築建物であることは判明したそうですが、 長浜城の大手門であるとの断定には至れなかった といいます。 (資料2,3)

廊下橋を渡り、鐘の丸を通過して大堀切にぐるりと回り込みます。
                         橋の下をくぐってから振り返った廊下橋

かなり急な階段状の坂道を下っていきます。先は左方向に折れています。

出てきた場所が 表御殿跡
現在、建物は彦根城博物館として利用されています。
屋根の上方背後に、天秤櫓の側面が見えます。
 そして 表門跡の石垣


ゆるやかに左折する先に表門の橋が架かっています。

その橋を渡り、堀端の道路の向こう側には、「馬屋」(重要文化財)があります。

これは、佐和口多聞櫓のすぐ北側に位置するL字形の建物です。

         L字形建物の佐和口に近い側の部分の外観。内側の景色です。

馬屋の建物の門を出て、右折し少しすすむと、道路の向こうに見えるのがこの門と板塀です。その前に 「家老木俣屋敷跡」の石標 が建てられています。

佐和口多聞櫓はこの石標を目にしながら右折した方向に見えます。ここは喰違虎口になっているのです。これで、このシリーズのNo.1でご紹介した「彦根城の中堀・内堀」に繋がっていくことになります。


とまあ、こんな具合でこの探訪を終えることができました。

ご一読ありがとうございます。

参照資料
1)『城郭 探検倶楽部 お城の新しい見方・歩き方ガイド』 
    中井均・加藤理文著   新人物往来社 p150-153
2)「彦根城ガイドブック」 彦根市教育委員会文化財部文化財課 p7,9
   解説シートⅠ 国宝 彦根城天守
   解説シートⅢ 重要文化財 天秤櫓
3)『滋賀県の歴史散歩 下』 滋賀県歴史散歩編集委員会編 p102-107

【 付記 】 
「遊心六中記」としてブログを開設した「イオ ブログ(eo blog)」の閉鎖告知を受けました。探訪記録を中心に折々に作成当時の内容でこちらに再録していきたいと思います。ある日、ある場所を訪れたときの記録です。私の記憶の引き出しを兼ねてのご紹介です。少しはお役に立つかも・・・・・。ご関心があれば、ご一読いただけるとうれしいです。

補遺
文化財解説シート   :「彦根市」
 「彦根城ガイドブック」所載の解説シートはこちらからダウンロードができます。
  Each English version  guide sheet of Hikone Castle is also available here.

 そのうち  「国宝彦根城天守」は こちらからどうぞ。
「馬屋」はこちらから 。 
               「天秤櫓」はこちらから。
彦根城博物館  :「滋賀県観光情報」
国宝 彦根屏風 共同研究調査   :「東京文化財研究所」
楽々園保存整備事業  :「彦根市」 
玄宮楽々園・彦根市金亀町   滋賀 歴史文化再発見 :「滋賀文化のススメ」
彦根城 多聞櫓 復元工事記録  :「わが山小屋へようこそ」

   ネットに情報を掲載された皆様に感謝!


その節には、直接に検索してアクセスしてみてください。掲載時点の後のフォローは致しません。
その点、ご寛恕ください。)


探訪 [再録] 近江・彦根城とその周辺 -1 中堀・内堀の周辺 へ
探訪 [再録] 近江・彦根城とその周辺 -2 玄宮楽々園(玄宮園)[別称・槻御殿] へ
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探訪 [再録] 近江・彦根城とその周辺 -6 彦根城(西の丸三重櫓の内部、西の丸)へ
探訪 [再録] 近江・彦根城とその周辺 -7 彦根城(天守外観、井戸曲輪)へ
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探訪 [再録] 近江・彦根城とその周辺 -9 彦根城(太鼓丸・天秤櫓、鐘の丸)へ





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Last updated  2017.01.16 15:20:01
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