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2023.05.26
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カテゴリ: 観照
=== 2023.5.17 ===
南の空
朝から晴れの日。所用で出かけていましたので、この青空を撮ったのは 16時15分頃
快晴といえる青空 です。
南西方向の空
西方向の空
頭上の空
東方向の空


=== 2023.5.18 ===
この日は 朝から曇り空
南の空
15時半頃に 記録として曇天の様子を撮りました。
南西方向の空
西方向の空
                                       灰色の雲の層の彼方に、太陽の存在を示す光点が見えます。
東方向の空
どの方向も空はグレー一色です。

東方向の空
17時40分頃に もう一度空を見上げてみました。
南の空
南西方向の空
西方向の空
終日、くもりの一日 。気分はやはり少しグレーに・・・・。

さて、気分転換を兼ねて、 雲がたりに切り替えましょう。和歌の世界に戻ります。

手許に、岩波書店の日本古典文学大系の一冊 『山家集 金槐和歌集』 があります。奥書を読むと1980年7月25日第21刷発行です。西行法師の歌に関心を抱いていたので、1980年代のどこかで、購入したのだと思います。時折一部参照することはありましたが、『山家集』を通読することなく、書架で休眠していました。

西行法師は『山家集』で、「雲」を含む歌を詠んでいるだろうか?
その観点を梃子にして、今回収録された歌を 通読しながら、「雲」を含む歌を抽出してみることに しました。
西行は「雲」をどのように歌の中で詠んでいるのか。自然現象としての雲の姿に見入っているのか。雲は譬喩や象徴に使われているのか。雲をどのような情景の中で詠んでいるのか。そんなところに関心が向きます。

通読していくと、西行さん、けっこう「雲」を歌に詠んでいます。
手許の岩波本『山家集』は、「近世初期に近衛家で書写せられた本の系統」 「陽明文庫本」を底本に し、風巻景次郎校注によります。 上・中・下三冊、歌数1552首が収録されています 。ここからの抽出です。

『山家集』上の「春」には、次の歌が載っています。

     かすみに月の曇れるをみて
​雲なくて朧 (おぼろ) なりとも見ゆるかな霞かゝれる春のよの月​​          51

​空にいでて何処ともなく尋ぬれば雲とは花の見ゆる成 (なり) けり​​        60
    [付記] 空にいでて:あてどなく外に出て
        雲とは花の見ゆる成けり:遠目には雲かとばかりに
                    咲いた花が見えるのだ
     花の歌あまたよみけるに
​吉野山くもをはかりに尋ねいりて心にかけし花をみるかな​           62
    [付記] くもをはかりに:雲をめあてに
        心にかけし:心に見たいと思っていた

​​おしなべて花の盛 (さかり) に成にけり山のはごとにかゝる白雲​​          64
    [付記] 山のはごとにかゝる白雲:山の端ごとに、花が白雲となって
                    かかっている

まがふ色に花さきぬれば吉野山春ははれせぬ峯の白雲             65
    [付記] まがふ色に:峰の白雲と見誤られる色に
        春ははれせぬ:春は晴れることのない

​おもひやる高嶺の雲の花ならばちらぬ七日 (なぬか) ははれじとぞ思ふ​      81
    [付記] おもひやる:遠くそれと思いやる ⇒雲を花と思いやる
        ちらぬ七日は:花の命の保つとされている七日間は

     花の下にて月をみてよみける
雲にまがふ花の下にて眺むればおぼろに月は見ゆる成ける          90

吉野山谷へたなびく白雲はみねの桜の散るにやあるらん           110

​立 (たち) まがふ峯の雲をばはらふとも花を散らさぬ嵐なりせば​        114
    [付記] 立まがふ:立ちこめて花と見まがう

吉野山花ふき具して峯こゆる嵐は雲とよそに見ゆらん            115
    [付記] 花ふき具して:落花を吹き連れて

吉野山桜にまがふ白雲の散りなんのちは晴れずもあらなん           132

​花と見ばさすが情 (なさけ) をかけましを雲とて風のはらふなるべし​      133
    [付記] 雲とて風のはらふなるべし:雲だからと、容赦なく吹き払うのだろう

      遠山残花
吉野山ひとむら見ゆる白雲は咲きおくれたる桜なるべし           142

      花歌十五首よみけるに
よしの山人に心をつけがほに花よりさきにかゝる白雲            143
    [付記] 心をつけがほに:物を思わせるような様子で

おぼつかな谷は桜のいかならんみねにはいまだかけぬ白雲          146
    [付記] おぼつかな:気にかかることだなあ

「春」には15首 、雲を詠み込んだ歌があります。ほとんどが吉野山の桜を詠じる関わりで白雲を詠み込んでいます。桜と白雲を自然の景として対比的に詠む歌、桜の咲く様子を雲に喩えている歌、が混じっています。西行さんはやはり桜が好きだったのでしょうね。

 余談。西行法師の歌では、 「ねがはくは花の下にて春死なんそのきさらぎの望月の頃」 がとくに有名ですね。本書の頭注によりますと、「きさらぎの望月」は2月15日で、釈尊入滅の日を指します。この歌は、 『山家集』に第77首として載っています

さて、雲の変化に戻ります。

=== 2023.5.19 ===
朝から雨。
南の空
南西方向の空
12時過ぎに窓際から 撮りました。
        激しい雨ではなかったと記憶しますが、 雨の降る一日 でした。

=== 2023.5.20 ===

10時過ぎに撮った南の空 です。 晴れました
南西方向の空
西方向の空
頭上の空
東方向の空
稜線の上空には灰色雲が覆い、青空はほんの一部で見える位です。

東方向の空
17時すぎに 眺めても、稜線の上空は灰色雲が覆っています。

一方、 南の空は快晴 といえる青空です。
南西方向の空
西方向の空
頭上の空
晴れの週末に なりました。

つづく


こちらもご覧いただけるとうれしいです。
    ​ ベランダから見た雲の変化と雲がたり 掲載記事一覧表





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Last updated  2023.05.26 12:38:16
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