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2024.08.10
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カテゴリ: 探訪

宇治川右岸と橘島に架かる朝霧橋の傍に、モニュメント・ 源氏物語宇治十帖の像 が建てられています。
朝霧通りの東側には宇治神社の大きな一の鳥居が道路沿いに立ち、

参道が東方向に延び、石段が見えます。

参道左側の 社務所前の石段脇に、少し異風な狛犬像 が置かれています。


参道右側には 、手水舎 があり、正面に 「桐原水」 と刻された水鉢に、 兎像の口から水が注ぎ込まれて います。
石段を上れば、一段高い境内地に 拝殿(桐原殿) があり、拝殿を回り込みますと、

その先に、 二ノ鳥居 が立ち、さらに境内が一段高くなり社殿が見えます。

一般的なスタイルの狛犬像 が置かれています。


石段前の右方向に、この 大きな歌碑 が建立されています。
「百人一首」に載る第8首、 喜撰法師が詠んだ歌

わが庵は都のたつみしかぞ住む世をうぢ山と人はいふなり

喜撰法師は、この一首で後世に名を残した謎の世捨て人。この歌一首で六歌仙の一人に数えられています。
宇治と聞けば、まず連想するのが、宇治茶、平等院、この和歌、そして源氏物語宇治十帖というところでしょうか。宇治橋、宇治川、天ヶ瀬ダムは連想しても、宇治発電所を連想する人はたぶん少ないでしょうね。

元に戻ります。


祭神は莵道稚郎子(ウジノワキイラツコ)命 です。

宇治神社のシンボルがこのうさぎです。 「みかえり兎」 と称されてています。

「『莵道稚郎子命』が河内の国からこの土地へ向かわれる途中、道に迷われてしまいました。その時、一羽のうさぎが現れ、振り返りながら、後を追う『莵道稚郎子命』を正しい道へと案内し、お助けしました。
 この由来のうさぎを当神社では『みかえり兎』と呼び、人々の人生を道徳の正しい道へと導く神様の御使いとして伝わっております。
 また宇治と言う地名は、このいわれよりついて名前ともいわれています。宇治神社」
(案内文転記)

中門前の拝所から時計回りに瑞垣を回り込みます。

瑞垣には、 みかえり兎を描いた提灯 が吊されています。


境内の北側 には 境内社が4社 並んでいます。手前から次の神々が祀られています。
 廣田社  祭神 蛭子命(ヒルコノミコト)  天照大御神の荒御魂
 松尾社  祭神 市杵島姫命(イチキシマヒメノミコト)
 高良社  祭神 武内宿禰命(タケウチノスクネノミコト) 
 伊勢両宮 祭神 天照大御神・豊受大御神

本殿の背後を瑞垣沿いに巡り、 南側に 向かいます。

こちらにも 境内社が3社 鎮座します。左側から順に記します。
 住吉社  祭神 表筒男命(ウワツツノオノミコト)・中筒男命・底筒男命
 日吉社  祭神 大山咋命(オオヤマクイノミコト)
 春日社  祭神 武甕槌命(タケミカヅチノミコト)

境内を巡った後、境内北側から外の道路に出ました。


「末多武利神社(マタフリジンジャ)」 の前を通ります。道沿いにある小さな神社です。
所在地は宇治又振。


「宇治は無常を意味する『憂し』に通ずるともいわれ、藤原一族の栄華の舞台となる一方、この宇治の地は失意にうちひしがれた人々も受け入れてきました。
宇治民部卿と呼ばれた藤原忠文 もその一人で、天慶2年(940)に参議となり、翌年征夷大将軍として関東の平将門の乱の平定に向かいましたが、到着以前に将門は討たれ、事件は解決してしまいました。大納言藤原実頼によって恩賞の対象から外された忠文は実頼を深く恨み、死後もその一族にとりついて祟ったといわれています。末多武利神社は、 この忠文の怨霊を鎮魂する祠 といわれています」 (宇治市の史跡紹介説明文転記)


道路を横切るここの 鉄製溝蓋はカラーで「やまぶき」が描かれています
やまぶきは「市の花」 になっています。
「やまぶきは、年々黄金色の花を開きます。宇治市の福々しい繁栄を象徴するにふさわしい花といえます」という意味が込められて決められたようです。 (資料1)
因みに市の宝木は「茶の木」、市の木は「イロハモミジ」、市の鳥は「カワセミ」です。
緩やかな坂道をくだる この道は「さわらびの道」 で、朝霧通りに合流する地点が「さわらびの道」起点です。「さわらびの道」と刻した道標が建てられています。
この分岐点から、朝霧通りを宇治十帖の像の方向に少し進みますと、「宇治茶道場匠の館」の少し先に、

「離宮水」 と称されるこの覆屋の箇所があります。
この写真は宇治発電所特別公開の探訪に行く往路で撮ったものです。


朝霧通りとさわらびの道の分岐点から宇治橋東詰の交差点の方に道を進みますと、交差点の少し手前に 「橋寺放生院」 があります。
橋寺という通称 が今では寺名として表記されていますが、 ​真言律宗の常光寺と称するお寺​ です。 (資料2)

通用門が開放されていましたので、 ここも久しぶりに立ち寄ってみました
山門を入るとすぐ急な階段があり、境内地はかなり高い位置になります。

石段を上り、左折するとその先に 本堂等の建物 が見えます。

境内の左側に 「宇治橋断碑」 があります。今は 断碑を保存する建物 が建てられていて、特別公開以外では見る事はできません。
(宇治市文化センターにある宇治市歴史資料館で宇治橋断碑のレプリカを見ることができます)

近くに 上田三四二の歌碑 が建立されています。

橋寺に いしぶみ見れば 宇治川や 大きいにしへは 河越えかねき

三四二の第5歌集『照徑』の「橋」と題する歌。昭和57年の宮中歌会始に選者詠として詠進された作だそうです。「いしぶみ」は「宇治橋断碑」のことです。
「上田三四二は、昭和27年から10年間、城陽町国立京都療養所の医師として勤務した、南山城ゆかりの歌人」だそうです。 (資料2)



本堂への玄関口手前に 「摩尼車」 が設けてあります。
柱の部分に説明があります。
「『摩尼』とは摩尼宝珠とも、如意宝珠とも言われ、意のままに宝を出すと言われる珠のことです。
 仏さまの徳にたとえたり、お経の功徳にたとえたりします。これを一回まわせば、お経を一巻読んだのと同じ功徳が得られると言われています。摩尼車にかるく手をあてて、手前に回してください。その時、左の経文を唱えて下さい。
 『羯諦羯諦波羅羯諦波羅僧羯諦菩提菩薩婆訶(ギャーテイギャーテイハーラアギャーテイハラソーギャーテイボージソワカー)』」
(説明文転記)

摩尼車の輪の表面には、 「仏説摩訶般若波羅蜜多心経」の経文 が陽刻されています。




境内を南の方に巡ります。 石畳の先に西向きの覆屋 が見えます。

「十二支守本尊」 と刻した石標が覆屋の右側に建てられています。
誕生年の干支に応じて、守り本尊がそれぞれ異なります。8体の仏象が十二支のいずれかと対応しています。向かって右から、千手観世音菩薩(子)、虚空蔵菩薩(丑、寅)、文殊菩薩(卯)、普賢菩薩(辰、巳)、勢至菩薩(午)、大日如来(未、申)、不動明王(酉)、阿弥陀如来(戌、亥)という対応関係になります。仏象の背後の上部に対応表が掲示してあります。

さらに、南に歩むと、境内の南端に北東隅から、次の諸像が並んで安置されています。






いちょうの大木 が南西隅に聳えています。
傍まで行きませんでしたが、 その南側に小堂 が見えます。何かは未確認です。

橋寺を出て、宇治橋傍のお茶の「通圓」を眺めつつ、 京阪電車の宇治駅に到着

宇治駅のプラットホームから、「お茶と宇治のまち歴史公園」が見えます。

ズームアップで。
「茶づな」の建物の近くに建立された「志を繋ぐ碑」 を、プラットホームから遠望できます。 京アニ事件と関わりがあり、ここに建立されたモニュメント です。
この碑については、先般ご紹介しています。



これで宇治川右岸の点描を終わります。
ご覧いただきありがとうございます。

参照資料​ 宇治神社
1) ​ 市章・市の宝木・花・鳥 ​  :「宇治市」
2) 芸文協だより第28号 宇治市芸術文化協会 令和3年12月1日発行 より

補遺
宇治神社 ​ ホームページ
宇治橋断碑 ​  :「京都大学貴重資料デジタルアーカイブ」
宇治橋断碑 ​  :「古代史の散歩道」
橋寺放生院 ​  日本茶800年の歴史散歩 :「日本の遺産 ポータルサイト」
市内産宇治茶PR動画~心潤す宇治のお茶~ ショート動画 ​  YouTube」
お茶の通圓 ​ ホームページ
茶づな ​ (お茶と宇治のまち歴史公園) ホームページ

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探訪 宇治市 宇治川右岸点描 -1 興聖寺、観流橋、宇治茶の郷、山田緑地、恵心院 へ
探訪 宇治市  宇治発電所特別公開

こちらもご覧いただけるとうれしいです。
スポット探訪 [再録] 宇治 宇治神社細見と宇治橋・通圓茶屋・未多武利神社
スポット探訪 [再録] 宇治 橋寺放生院
探訪 宇治市・お茶と宇治のまち歴史公園  「志を繋ぐ碑」& 新たな祈り





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Last updated  2024.08.10 01:52:03
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