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2017年07月05日
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テーマ: 感想(16)
カテゴリ: 本のレビュー
この言葉を理解するには、やはり深い考察がされた書籍をよまなければならない。なぜならば一般的に理解されるシンギュラリティは技術的特異点ではなく、AIが人に勝つ程度のことであり、馴染みがあるようにメディアが広めた狭義の意味であるからだ。
本書は間違いなくシンギュラリティに人生を捧げた人によって書かれた書である。私が読んだ本は約10年前に書かれた書のエッセンシャル版であるが、今書かれたと言っても気づかないくらいほど、未来の考察に長けている。この著者、レイ・カーツワイルは、外部からGoogleのこの道の技術責任者としてヘッドハンティングされていることからも、その凄さが伺える。

さて、そのレイ・カーツワイルは、シンギュラリティに至るにあたり鍵を握るのは、”全てのテクノロジー”というのがこの本の主張であり、またそれを達成する見込みは明らかだとも主張している。その一部ではあるが以下紹介する。

まず情報処理技術。ムーアの法則と呼ばれる、Intelの創業者が予想した開発スピードは、当時信じる人が少なかったというが、蓋を開けてみたらやはりコスト、処理能力、導入量において指数関数的に進歩している。この速度はこれからも保たれることで、2020年代後半には、全の人類の脳の情報処理速度を超えることとなる。当然人とコンピューティングでは処理の得手不得手があるが、少なくとも合理的判断に基づく演算においては、到底人類では敵わない領域に辿り着く。

次にバイオサイエンス。実は人の脳の謎は未だ殆ど解明されてない。これは脳で起こるシナプスの働きを電気信号のやり取りでしか捉えられていないことが大きい。しかし今後人間の脳内で起こっていることを直接観察するナノボットと呼ばれるテクノロジーが進めば、一気に展望が開ける。人間の思考回路の究明されるのみならず、特定の細胞にアクセスすることで、問題を修復できたり変化させたりすることが可能になる。
ある程度ナノボットのテクノロジーが確立され、また人間の脳内で起こっている現象の究明が進むと、今度は知識や思考、体験などが外部にアップデートされ、またそれをダウンロードすることが可能になる。今でこそ馴染みが出てきたVRも、完全なるリアリティとなって実現される。

さて、このような領域に行き着いた時、人は思うだろう。
意識とは何か。機械には意識はあるのか。いや、そもそも我々人間には意識というものが存在するのか。
人とは何か。例えば肺の移植手術をしたAさんはやはりAさんと認識して疑わない。では臓器を全て入れ替えると、それはAさんなのだろうか。脳を入れ替えた場合はどうだろう。

このような哲学的議論にも本書は及んでいる。

シンギュラリティという何か想像を絶するこの事象は、もうあと10年20年で達成されることなのである。そう、我々はシンギュラリティという未知の時代への突入が不可避の運命にあるのだ。何やら恐ろしいようなすごいようなよくわからない状態ではあるが、それでも我々はその時代を生きる準備をしなければならない。





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最終更新日  2017年07月05日 01時06分32秒
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