入口の仁王門から本堂までは399段の登廊(のぼりろう、屋根付きの階段)を上る。本堂の西方の丘には「本長谷寺」と称する一画があり、五重塔などが建つ。国宝の本堂のほか、仁王門、下登廊、繋屋、中登廊、蔵王堂、上登廊、三百余社、鐘楼、繋廊が重要文化財に指定されている。
本堂 清水寺 本堂と同じく 懸造 (かけづくり、舞台造とも)になっている。本堂は奈良時代から室町時代の 天文 5年( 1536年 )まで7回焼失している。7回目の焼失後、豊臣秀長の援助で 天正 16年( 1588年 )に新しい堂が完成した。その後、堂の雨漏りや傷みが激しいため、修理ではなく新築することとなり、 徳川家光 の寄進を得て、5年がかりの工事の後、 慶安 3年( 1650年 )に新築落慶したのが現・本堂である。高さ10メートル以上ある本尊・十一面観音像は、天文5年の本堂焼失の2年後に完成しており、慶安3年の新本堂建設工事は本尊を原位置から移動せずに行われた。そのため、本堂は内陣の中にさらに内々陣(本尊を安置)がある複雑な構成となっており、内々陣は巨大な厨子の役目をしている。 近世前半の大規模本堂の代表作として、 2004年 12月、国宝に指定された。
| 本堂・礼堂側 |
本堂・正堂側 |
本堂の懸造 |
| 下登廊 |
繋屋(下登廊と中登廊の繋) |
中登廊(左)と下登廊 |
中登廊 |
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| 本堂の舞台 |
鐘楼(右背後は本堂) |
仁王門 |