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この小説は警察小説ではあっても、
ミステリーではないでしょう。
誘拐事件が扱われていて、
驚愕の展開が待っているけれど、
『謎』が物語の軸ではありません。
ボクが思うこの小説の軸は、
『言葉の向き』です。
仕事でも、プライベートでも、
人の心を動かしたい時、
どこに向かって言葉を発するのか?
何を意識して言葉を発するのか?
その言葉の向きの重要性が
この小説では描かれています。
警察組織内の軋轢、
警察とマスコミの軋轢、
警察と犯罪被害者との軋轢、
警察官とその家族の軋轢。
様々な軋轢が描かれ、
その全てが酷い事になっていきます。
悪循環に入り込む中で、
改善へのきっかけが生まれます。
『戦略なき戦略』
警察VSマスコミ
刑事局VS警備局
警察VS被害者
いずれの状況でも、
様々なしがらみに絡まって、
不要な対立を生んでいました。
この対立が限界まで高まった時、
解決に導いたのは、
人間VS人間の構図でした。
そこには何の戦略もなく、
ただ誠実に
『相手に向かって』
言葉を発する。
簡単な様でいて出来ない事です。
人を動かしたい時、
権力を振りかざしても、
『動かされる』ことはあっても、
能動的な動きは生みません。
保身から生まれる言葉に、
誰も心は動かされません。
物事を成し遂げられる人物は、
何事にも真正面から対峙できる人。
簡単な様でいて、出来ないから、
小説の題材になりうる。
自分を省みて、
自分の周りを見回して見て、
思い当たる節は無いか?
自分の言葉が、
ちゃんと相手に届いているのか?
『戦略なき言葉』
『言葉の向き』
これが自分自身の軸となるよう、
日々是精進。
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