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May 11, 2008
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カテゴリ: 音楽
古川さん古川さん

今年も、東京・四谷の 紀尾井ホール で、 古川泰子さんのピアノ・リサイタル を聴いて来ました。

今年は、ドビュッシー、リスト、ショパン、ラヴェルといったプログラム。難曲ぞろいです。

まずはドビュッシー。 『ピアノのために』 は、古川さんが「ドビュッシーのピアニズムを確立した記念すべき作品」と位置づける作品で、「科学的に音程やリズムを構築する書法」や「ドビュッシー自身が、”ハンマーのない楽器”に聞こえるように演奏すべきと主張した」演奏技法などにスポットをあてて演奏されました。バロック以来の音楽の上に、これほどまで個性的な音の世界を構築したドビュッシー、やっぱり天才ですね。

続いて、 ショパンのピアノソナタ第2番変ロ短調『葬送』 です。自分は、やはり保守的な人間なのか、「ソナタ形式」が好きなんですよね。

第1楽章、古川さんは、「突破口を求め、運命に挑んでゆくメロディー」と評されています。激しい濁流のような時代の流れに負けじと、必死で戦っているような、壮絶なメロディーですよね。嘆きとか、悲鳴とか、あえぐようなフレーズも随所に聞こえます。古川さんは、第1主題冒頭から、激しくテンポを揺らして、たいへんスケールの大きい、濃厚な表現を聴かせてくれました。1小節のなかでも大きくテンポが変わる「アゴーギク」という手法です。近年、ここまで濃厚な表現を聴かせてくれる演奏家は少ないかもしれません。自分は、指揮者でも メンゲルベルク などが大好きなので、こういう演奏、ストライク・ゾーンなんですよね。 そして、古川さんの重厚で、飽和したサウンドが、壮絶な音のドラマを描き出していました。

第2楽章、スケルツォに続いて、第3楽章は有名な葬送行進曲です。 マーラーの交響曲第5番 の第1楽章も葬送行進曲ですが、マーラーの場合は、もっと現実離れしているというか、架空の人物の葬送で、地獄の光景も垣間見えてしまうような幻想的なニュアンスがあります。ショパンの場合は、身近な人の葬儀に立ち会っているようなリアリズムがあります。中間部の追想するような美しいメロディーは、愛する人の在りし日を偲ぶような感動的な瞬間でした。

この曲の結び、通常のフィナーレとはかけ離れた、漠然、朦朧とした第4楽章。ショパンはなぜこんな曲を書いたんでしょうか。マーラーの交響曲第5番は、葬送行進曲から始まって、フィナーレでは晴れやかなコラールが演奏されますが、ショパンは、とてもそんな楽天的な音楽は書けなかったに違いありません。マーラーの音楽のなかには、「都会の生活からの逃避」としてのロマンティシズム、野生への回帰のようなものがあったのかもしれませんが、ショパンの場合、祖国ポーランドの厳しい現実に日々心を痛めて、もっと現実的な死の悲しみが目の前にあって、そこから逃げることができなかったのかもしれません。自分は、葬送のセレモニー(第3楽章)の後、地獄の蓋が開いて、亡霊たちによって魂が連れ去られるような、そんなイメージも感じます。そう思って聴くと、亡霊たちが、最後の悲劇的な和音で曲を閉じる直前、去り際に、我々に向かって、牙をむいて、軽く威嚇しているようにも聞こえます。ちょうど、 モーツァルトの『ドン・ジョヴァンニ』 も、合唱とオーケストラの激しい動きをともなったパッセージとともにドン・ジョヴァンニが地獄に堕ちていった後、悲劇的な和音が決然と鳴り響きます。どことなく似てるなぁと思うのは自分だけでしょうか。

リサイタル後半は、 リストの『エステ荘の噴水』 や、 ラヴェルの『水の精』 といった「水」にちなんだ作品が多く取り入れられていました。そういえば、今回の古川さんの衣装、人魚みたいなデザインでしたね。

リストの『エステ荘の噴水』は、水のきらめきと、背景に響く賛美歌がとても美しかったですよ。

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最終更新日  May 14, 2008 01:08:02 AM コメントを書く


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