泡雪の日記

泡雪の日記

2004年09月22日
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お久しぶり。
他のページでこの文章見かけた方、ご容赦下さい。
数日前。
姉蛇が・・・。
「21日。午前11時、新橋演舞場。海老のスケ行く?」

「はい。行きます。」

いつも、場所と時間が指定されて、行けるかどうか打診される。

結果を先に言うと海老蔵の出演する物ではなかった。

演目「西太后」


舞台装置は素晴らしい。
脇役も良い。
畢竟それだけだ・・・・。

食欲も失せる舞台だった。
どうしてそんな最悪な舞台を見る事に成ったのか?

なんとも、主役の役者に≪華≫が無い。
醜いものを見てしまったような・・・・。
とても、苦痛だった。




「演目」は当日にならないと、良く判らない。
あえて訊かない。

21日。

『車で行くから、コーヒー落として、もって行くように、
途中お弁当を買っていくから・・・。
9時出発。判った?』


3~4キロ車を走らせると、東京都に入る。
多摩川の橋を渡るたび・・・・。


「皇居が有るからかな?」
『いや、土地の力が初めからあるんだよ。』
『首都がおけるのは、日本では京都と東京しか無いと思う。』

家族で、私だけ、東京の学校と縁が無い。

横浜はどこか、もの哀しい。
2キロの距離で横浜市に入る。

東京に対しての憧れは無い。
目と鼻の先に有る。

が、「東京の良さ」が非常にわかる場所に住んでいる。

橋1つ隔てると、行政の違いか、土地のエネルギーの違いか・・・・。風景が変わるのだ。

芝居舞台・見学は、子供の頃から、「縁」がある。

小学生の頃から、親からチケットを渡され、劇場に行く。
親は同伴しない。子供同士で行く。
「ウィーン・少年合唱団」の公演を見たの小学生の頃。
映画では、合唱団の公演中に声変わりを起こした男の子の代役を、
その場で、他の生徒が気がついて「ソロのパート」のカバーに入る友情物語もあった。



銀座の姉の店にチケットを取りに行く。
自分でチケットの購入をしたことが無い。

その時、「初めて演目が判る。」

海老蔵が居ない。
そういえば、名古屋で襲名披露とかの、誰かの日記を見たぞ!

なら、どうして、海老蔵の名前が?

「私演舞場は始めてだ。」
『あれ?歌舞伎見たのは?』
「アレは歌舞伎座。新聞社の招待券貰ったのだけれど、席が悪かったので、結局お金払って、S席取ったのよ。」

『自分でチケット買った事あるんじゃない。』
「当日、招待券が割引券になるので、一生の内、何度も見るものじゃないから、良い席で見たいからね。」

「その時は中村何某の襲名披露だった。3歳の初舞台の日だったよ。」

とんと、芸能事情は疎い。
が、歌舞伎座で見た経験は歌舞伎が目に美しく、一日別の世界に身を置ける楽しさを知った。
「日本の伝統芸能」は、素晴らしい。

『先に入ってって、入り口まで車回すから。』

弁当や、飲み物で荷物がいっぱい。

歌舞伎系は時間が長い。
4時間位。

弁当をもって行くか、場内にある食堂で簡単に弁当を食べる。
それが、≪幕の内弁当の名前の由来≫と思われる。
テーブルのある席が一番価格が高い。


姉が席について間もなく開幕。

幕目の休憩時間。
姉との会話。

「どうして、あの女人が主役をしているのか判らない。」
『え~?女の人居ないよ。』
「いや、唯一主役の西太后が女優らしいの・・・。」

それに、天子の弟役も女優と絡みのせいか、役がイマイチ華を失っている。

姉がパンフレットを取りに行く。
『本当だ。藤間紫。』
『そういえば、この人猿之助と結婚したんだよ・・・。』

「だからって、こんな退屈な芝居を主役張ってよいものか?
周りの脇役で持たせているけれど、見るのが苦痛。」

『帰ろうか?私はいいよ。』
「一生に一度の事だから、こんな酷い芝居見るの初めて、
何が不味いか検討してみるは・・・・。でもどうして、主役を男の人だと思ったの?」

『藤間紫って女優は子供の頃から知っていて、好感は持っていたけれど・・・。テレビと舞台では違うのね。』

「舞踊の世界の人ではないかな?泣きの入れ方と恨み顔だけは理解しているみたい。そこだけ芝居になっている。

清朝の存続は確かに唱えていたと思うよ・・・。大儀としては、でも、女優がその大儀を理解してなくて、きくのが辛い。言葉が入ってこないんだ、経緯を聞いてあげなくては成らないのが疲れる。」

『歌舞伎は男の世界と思い込んでいたのと、
舞台に現れたとき、ずいぶん≪おじさんっぽい女形≫だな~と思ったのよ。』
『それと、声がだみ声で訊き辛い。』

「台本はそれほど悪くないと思った。
でも、台詞が理解されて居ないみたいで、聞くのが辛いのよ・・・・。」

「余程、私が変わって演じてあげたくなったよ・・・・。
でも私の最大の弱点が思い出されて・・・・。

≪台詞が覚えられない・・・・。≫

70歳近くで、3時間以上の演目の台詞を≪暗記≫するエネルギーだけは褒めてあげなくてはね。」


次の幕間。

『京劇の動きを取り入れているのだと思うけれど、動きが大雑把で、老人性の痙攣みたいだね。』

西太后が母を捨て、女を捨てる経緯はわかるけれど・・・。

西太后。
女官をはべらせて、
体は性器を切り取って居ない宦官を侍らせて、
禁欲した女性ではないのよね。

サド・システィックなレズっぽい顔しているんだよね。

落ちぶれた、血族で、結婚を反対されたのにもかかわらず、
宮中に入り込むには、確かにブスだけれど、不可思議な色気を持っていたのよね。

生まれがふさわしくない劣等感が、皇帝の死後、彼女に権力への執着を動機つけたものなのだけれど・・・。


男に権力を譲らずに、権力を握る時の色気は・・・・。

藤間紫の演技は。
泣きや恨みは、女郎の嘆き!

女帝の権力の表現がなんと・・・・。
≪水戸のご老公さまに成っている~!≫
≪悪代官に成っちゃったよ~!≫

最後は、
≪威厳を手中にした・・・・大魔神だ~!≫

舞台装置が素晴らしい。
脇役も素晴らしい。
畢竟それだけだ・・・・。
≪主役を変えろ~。≫
歌舞伎の男でもう少しましなのが居るだろう?

後日知ったのは、猿之助の為の演目として、「西太后」が用意されたらしい。彼は、今病気?

物凄くお金の掛かった、舞台装置と衣装。
お願いだから、せめて「女に見える主役」を代役にしてくれ
。
性別は問いません。

朝御腹が空いて気分が良かったのに、
芝居が終わったとき、
食欲も失せて・・・。
弁当も食べ終わらなかった。

姉に仕事相手から、催促があり、別れて一人で銀ブラする事に。

ホテルのロビーも落ち着かない。
縁者の飯屋で、腹ごしらえ。

葬式で会った、親戚の子が挨拶に来て食事代を取らなかった。
子供は記憶がいい。
かろうじて名前を思い出した。有り難い。

食後喫茶店に入る。

こぎれいな女の人に並んで席を取る。
彼女の顔見知りが声をかけてきた。
A『待ち合わせ?』
B『そう。待ち合わせ』
A『久しぶりね、これから仕事?』

そうそう、彼女達は≪銀座の女≫
今日見た「西太后」に決定的に欠けていたもの。
≪色気≫

C『一本ボトル2万として、50っ本は売らないと・・・。」

彼女達の東京での生活を支えるには、一人、百万から150万はお客にお金を落とさせないと成り立たない。

人をひきつけて、権力を握る者。に必要な、≪色香≫が無かった。

写真を見る限り、西太后は美人ではない。
でも、淫蕩を好む≪レズ≫の顔が浮かんでいる。
外国と交流があり、写真が残っている。煙草はキャメルを好んでいた。

権力にしがみつくには、相当な執着心を持たなくては成らない。
蛇のような人を射すくめる、妖艶さ。

銀座の女には中性的な不思議な妖艶さがある。
「銀座の西太后達」を見て、かなり満足してきた。

喫茶店を出て直、
ドトールを発見。

銀座版ドトール。中央どうりに面している。

これは、入らねば・・・・。
コーヒー380円。

普通の2倍以上だが・・・

2階のフロアで。

ゆったりとしたソファ~。
二人の女性が、くつろいで話をしている。

沢山空席があるのに、隣に席を取った。

転職する人と、会社に残る人のうち開け話。
宦官や女官の「奉公先替え」の話を聞いているようだった。

彼女達は、転職を苦と思って居ないようだ。
仕事の姿勢はどこに行っても自信が有るようだ。

A『15日で辞めると、住宅の補助が半額らしくて、
それで、半端な20日になったのですよ。

こちらに来る時は、10日に辞めて15日から出勤で引越しが大変でした。』

B『私が始めて転職した時は、飛行機に乗る前の夜11時まで、残務整理してた。ワープロの無い時代で、切り張りがどうしても、馴染めなくて、全部手書きで、年度報告書作ったのよ。』

A『海外に行かれたのですか?』
B『そう』

彼女達の転職事情を知りたくなった。
辞職した翌日、職場の先輩と話をしているのは、どうやら、次の職場での心の準備のようだ・・・・。

転職するのは、いろんな意味で、職場の魑魅魍魎に負けて居心地が悪く成ってのこと。

影で、どんな噂や、どんな人物が動いて、自分が居心地悪くなったか、検討して、次の職場で、負けないノウハウを経験として持って転職する。

人間関係が職場では一番の「転職要因」みたいだ。
そして、彼女達は逞しい。

次の仕事先を決めて、仕官換えをやってのける。
最近の「リストラ族」とは少し違う。

最後に、宝石の話になった。
大きな職場には、宝石商が出入りしている。

彼女達は自分の褒美に宝石を買う。
『今日の担当、波長が普通で買わなかったのよ。』
『やはり、売り子で、買うタイミング決まるわよね。』
『人畜無害は味が無い!』
『どうせなら、この人から買ってあげようと思わせる人居るよね~!』

西太后は宝石で、箱庭を作った。
宝石である意味が無いような、ツマラナイできばえ。

生まれが悪いと、宝石を手にしても、使い道がわからない。
海軍の費用で、イワエンという、隠居先の別荘に、石で出来た大きな軍艦を置いたことでも有名。

他人の趣味を笑うと自分も影響されてしまう。
西太后の箱庭を見た後、
ピンクや緑の水晶や瑪瑙でつくれれた、「葡萄の房」を買って帰ったのを思い出す。

銀座の女官は・・・。
彼女達は、自分の労働の遊びとして、石を買うらしい。
アクアマリン。
オニキス等。
石が自分を呼ぶといっている。
4万から8万くらい。

汗水流した労働だから、「この石」を選ぶといっている。
もし『あぶく銭なら、全部ダイヤを買っている』と言っているのがほほえましかった。


再び銀座の街並にでて、
清朝の都にタイムスリップした気がした。
6年前、バイトしていた、一丁目の広告代理店も交番で聞かないと判らないほど、姿を変えた。

いつの世も、栄えた都は、こんな風景だったのだろう
新橋から、京橋までの街並みを、
今の姿に移り変わって、昔から変わらないのは柳の風に吹かれる街路樹?

大人の世界と思って居た、銀座を自分の目で眺め始めた。

不況の日本と言われたこの年月も、銀座は息を続けている。
シルクスクリーンを120万で売る、≪イナカ者≫を馬鹿にした店も有れば、(売り手もイナカ者。)

新しく刷った日本の木版画、現代のエッチング作品などを、
1万から、4万で売っている店も有る。

銀座は、良い品が、値段相応で信頼できる品揃えが嬉しい。
私が買ったのは、

トイ博物館で、量り売りの「グミ」。
食べながら歩いた。
貝をカラフルに模様の描かれた、「生きたヤドカリ」が玩具やで売っている。

世界中のタロットカードも売っている。
楽しい~!

この町はいつもイナカ者丸出しで、歩ける楽しい街。
見物する為に有る町だから。

銀座はいいな~!又行こう!


日本の都。
美しい都。









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最終更新日  2004年09月23日 03時00分00秒
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Re:お芝居見物。/銀ブラ(09/22)  
alex99  さん
とても興味深い日記ですね。
感心して読ませていただきました。

ぶしつけですが、泡雪というHんは大伴旅人の和歌からでしょうか?

>ジェームス・ディーンの主演の「太陽がいっぱい。」
ジェームスディーンも若くして死んでいる。


「太陽がいっぱい」はアラン・ドロンの主演です。
ジェームズ・ディーンが若くして交通事故で死亡したことは、その通りです。

(2004年09月29日 14時38分34秒)

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