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2011.04.20
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 ほとんどうっとりとしてこの考えに酔い痴れるレグルスに、神官も声を弾ませて答えた。
 「そうです! 思い出していただけましたか、レグルスさま! 貴方さまに命を救われた、旅の修行者、エリダヌスでございます! あなたさまのおかげで私たちは無事リュキアの神殿に受け入れていただくことができ、こうして、布教のお勤めに上がれるほど元気になりました!」

 布教、という言葉を耳にしたとたん、たちまちレグルスは現在の自分の立場、つまり布教師の警護といういまいましい任務に無理やりつかされているという腹の立つ現実に引き戻され、なおもくどくど礼を述べようとする神官の言葉をさえぎって、再び、この苛立ちを顔に表さないよう、つとめて事務的な口調で、北辰館内の説明を始めた。

 「礼はもう良い。 では北辰館西側を案内する。 この廊下の手前から、今出てきたのが応接室。 その隣が北辰館教官室、同じく、教官長室、会議室、医務室、と並んでいる。 それから、その向かいに並んだ部屋は、教官たちの個室、および一般戦士の仮眠所となっているので、みだりに足を踏み入れてはならぬ。 それと、廊下一番奥の突き当たりの大扉は武器倉庫だから、あそこにも勝手に入ってはならぬ。 そして・・・」

 レグルスは、廊下に並んだ部屋の扉と自分の顔とを、おろおろと見比べている神官を、ことさらのように無視し、さっと回れ右すると、廊下の反対側を指差した。
 「つぎ、正面玄関をはさんで北辰館東側。 玄関前のロビーの先は一般戦士が使用する面会室。 その向こうが大食堂。そして大浴場。 それらの向かいの部屋はみな、ここで働くパピトの使用人たちの、いろいろな作業部屋に当てられているので、ここも、むやみに入室して彼らの邪魔をしてはならぬ。 戦士たちは、昼休み、大食堂で食事をしているか、あるいはロビーで一服しているか、または外で腹ごなしに遊んでいるか、なので、布教活動は必ず、その3箇所のどこかでやるようにしてくれ。 勝手にそのあたりをうろつかれるのは非常に困る。 特に、2階には決して上るな。 階上には、本部室のほかにも、リザード中将閣下の執務室やヘルメス将軍閣下の居室もあるので、立ち入り禁止を固く言い渡しておく」

 一方的にそれだけ言うとレグルスは、今度は、困惑した様子の神官のほうに真っ直ぐ向き直り、挑むように言った。
 「ジャムルビー、おまえは、偶然私に命を助けられたことで、何か私と特別な関わりでもあるように思っているのかもしれないが、それははなはだしい思い違いであることをここではっきり言っておく。 正直なところ、私は、おまえの護衛などという任務を押し付けられたことを、あまり快くは思っていない。 昼休みは、私の部隊の、大切な自主訓練の時間でもあるからだ。 おまえもそのことを念頭において、ここの戦士たちとよけいないざこざを起こさぬよう、極力努力してもらいたい。 活動は私の目の届く範囲内でやるように。 勝手な言い分と思うかもしれないが、それは、おまえ自身にとっても、最も危険の少ない方法であるはずだ。 それともうひとつ、布教の対象として私の戦士たちを選ぶのはやめてくれ。 昼休みといえど、彼らは激しい訓練の真っ最中で気が立っている。 ・・・活動は私の目の届く範囲で行うこと、私の戦士たちに神の教えとやらを吹き込まないこと、この2つだけ守ってくれれば、あとは何でも好きにやっていい。 私は関知しない。 もしこの条件が不服なら、いつでもプルートス大佐に申し出てくれ。 私は即刻この任務から解いてもらうことにする。 以上だ。 では失礼する」

 またしても一方的にそれだけ言うと、レグルスは、昼食をとるため、早足でさっさと大食堂へと向かった。





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最終更新日  2011.04.20 21:43:18
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