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この映画の主人公セイドゥはセネガルの貧しい暮らしに嫌気がさしていとこのムサと二人でヨーロッパで一旗揚げようと軽い気持ちで移民船に乗る旅に出る。
決して切羽詰まった状況ではないのだ。最初に乗ったバスで2人はこれからの明るい未来を想像してウキウキな表情。
しかしだんだんと厳しい局面に立たされる。
不当な搾取と暴力。
二人は途中で離れ離れになり、同じ旅の仲間の年配のおじさんに介抱され、左官の仕事を一緒にするもそれも別れが来る。
そのおじさんは我が子と同じ年のセイドゥに息子の面影を見たのだろうな。
ラストは決してハッピーエンドではない。
やっとイタリアの海まできて船のキャプテンとしての達成感の表情が無反応のイタリアのヘリコプターに不安そうに見上げる。
応急処置をしただけのムサの足も大丈夫なのかなと見ているこちらも不安になる。
あとは見ている人の想像に任せるというラスト。
どうか二人が幸せになりますように。
〈好きなシーン〉
小さな子供が愛らしい。
「お兄ちゃんと一緒に行く」と言った小さな弟。
幻想シーンの白塗りで羽飾りの衣装の男の子の笑顔。
同じ幻想シーンで足が腫れて歩けなくなったおばさんの手を繋ぐとフワリと浮かんで歩っていく。
砂漠をバックにおばさんのフワフワのワンピースがはためいて綺麗。
息子のように可愛がって助けてくれたおじさん。セドゥはイタリアに着いたらもしかしたら身に着けた左官業を生業にするかもしれない。
見ていて辛い場面もあったけど次はどうなる?と気になって飽きることなく見ることができた。