2003年01月18日
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知っている/知らないの二元論が有効な知識から
ヴァージョン管理が要求される知識への変化は、
そもそも、知識そのものが貴重な資源として活用され、
実践的な意味合いで用いられることが多くなったことに
起因しているのだろうと思う。
ようするに、知識の変化をより簡潔に述べるとすれば、
これまでの知識がツールや仕組みに関する知識の応用であったのに対し、
現在の知識は、知識そのものに関する知識の応用ということになる。
「○○の技術を使えば□□なツール」ができるという知識の応用から、

といった知識の応用が重要になってきている。
科学的技術や物理的資源など以上に、人的資源、知識という資源そのものが
重視されるようになれば、当然、マネジメントの対象も、
技術や物理的資源から、人的資源、知識そのものに移るだろう。
そういうことだ。

すこし前の日記で、バンビは「リエンジニアリング」について取り上げていた。
リエンジニアリングというツールは、基本的に組織の構造とは無関係に、
組織の機能を規定するプロセスそのものに目を向け、
これまでの職能別に分業化、構造化された部門別の仕事の進め方から
インプットからアウトプットまでのプロセス全体に責任を負うチームによって、
ビジネスプロセスを行なうことへの変換を行なうものだ。

これまである意味、自然に職能部門に蓄積されるようになっていた
知識がプロセスの流れの中では、蓄積されにくいということだ。
知識とは基本的に人と人との共有物である。
誰かが何かを知っているだけでは知識ではない。
誰かが知っていることを、他人が、あるいは、社会がその有効性を認めてはじめて

これがプロセス・チーム制では、共有がきわめて困難になる。
あるプロセスが別のプロセスとは無関係に稼動しているために、
その中におなじ職能、おなじ知識が存在していても、
おなじような職能に関する知識が別のプロセスチームにいるメンバーとは
共有することがむずかしい。
共有されないということは、おなじような知識が異なるプロセスの中で、
ヴァージョン違いを発生させるし、そもそも、そのヴァージョンのひとつひとつを
プロセス内部だけで発生させるとなると、非常に非効率的である。
これは違うプロセスの人には知識の伝達、共有を行なわないという
クローズドな意識における話ではない。
メンバーそれぞれがオープンな意識で知識の共有を求めていても、
実際に知識の共有を行なうのに必要なコミュニケーション機会そのものが
欠如しているのだ。
コミュニケーションが欠如した状態で、知識の共有など図れるはずがない。
それゆえに知識の共有を実現させるためのマネジメント知識がまた必要となる。

刻々と変化する環境の中で、
重要な競争要因である知識もまた、日々ヴァージョンアップされている。
にもかかわらず、知識の共有が行なわれにくい環境があるなら、
それをマネジメントの力により、なんとかしなくてはならない。
組織において、知識が重要な資源である以上、それはほってはおけない問題だろう。

個人の知識など、どうにでもなる。
それこそ、知識を蓄えようとしない人間は知識に貪欲な人間と入れ替えればいい。
組織にとって、人材そのものはある程度、簡単に手をくわえることができる。
優良な組織なら優秀な人間にとって魅力的な可能性が高いのだからなおさらだ。

だが、組織知となるとそうはいかない。
優秀な人間が複数いれば、それがそのまま組織知になるというわけではない。
優秀な人間による既存知識の練磨と新規知識の開発、そして、フィードバック~共有
という流れがない限り、それは組織知とはならない。

そして、それは自然に発生するとは限らない。
自然に発生する場合もあるが、それを神頼みするのがマネジメントではないだろう。
だとすれば、マネジメントはその流れをある程度、意図的に生み出さなくてはならない。
それこそ、本当の意味でのナレッジマネジメントだ。
それには闇雲にITを用いるだけでは意味がない。
そもそも、ITでどうにかなるなどという考えは、情報と知識を混同している。

前日の日記にはコメントがなかった。
バンビの書き方がむずかしかったせいもあるし、
バンビ自身、自分の書いていることをよくわかっていなかったせいもある。
だが、この問題はむずかしいからわからないで済ませられる問題ではないだろう。
おそらく、このことがわかっていない組織や人間はこれから苦労するだろう。
悪いが本当に苦労するしかない。
もちろん、苦労してどうにか生き残れるならいいほうだ。
だが、事実はもっとつらいものだろう。





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最終更新日  2003年01月19日 14時07分58秒
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