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おねえちゃんの暴挙




ここ5年ほど、おねえちゃんの暴挙を経験したり、耳にしたりしてきた。おねえちゃんとの接点が極めて小さい筆者でもこれだから、巷に蔓延するおねえちゃんの暴挙のレベルは推して知るべしである。

● カレーショップのママの話/アルバイトのおねえちゃんにお使いを頼んだ。近く(店から100mほどの距離)の薬局で、ある薬品を買ってくるようにと言って店を出したが、1時間たっても戻って来ない。事故に遭ったのか、ひったくりにでも遭ったのかと心配していたところ、おねえちゃんがひょっこり帰ってきた。「どうしたの?」「知り合いの人とばったり会ったので、喫茶店でお茶してました」悪びれることなくそう言い放つ。時給で働くアルバイトがである。そのおねえちゃんは店の客の紹介で採用したという経緯があったので、その場では怒ることもできなかったとのこと。紹介で世話になっている店に対して行ったおねえちゃんの暴挙である。

● 広告制作会社の社長の話/アルバイトの退社時間は17時。社長が外回りの仕事を済ませ、帰社したのが19時。ところがアルバイトのおねえちゃんがまだ残っている。「残業しないと処理できないような仕事、頼んだっけ?」「別に仕事はないんですけど、家に帰っても暑いので」そう、事務所には、クーラーがキンキンにきいていたのだ。広い事務所に一人残ってクーラーで涼んでいたという。社長はあいた口がふさがらなかったとか。

● 広告代理店の総務担当者の話/派遣社員の受付嬢はおよそ1年にわたって、電車なら1時間以上かかる自宅と大阪市内の会社までをタクシーで通勤していた。何とタクシーチケットを使って。タクシーチケットは営業担当者が得意先の送迎に使うのが基本。受付嬢、しかも派遣社員が使うなどというのは論外であり、さらに通勤に使うなど……。犯罪(業務上横領)だと認識しつつチケットを使っていたのか、全く罪の意識がなかったのかは定かではないが、現在月々数万円ずつ返済中とのこと。

● 広告制作会社プランナーの話/新人アルバイトのおねえちゃんが取材アポの電話をしていた。相手の名前に聞き覚えがあったので、おねえちゃんが電話を切った後、「いま電話した相手先、最近取材してるはず」と上司が言うと、「リストになかったです」「もう1回見てごらん」「あ、ありました」「すぐに電話して『こちらの手違いでお電話してしまいました。先日既に取材させていただいておりますので、今回は遠慮させていただきます』と伝えなさい」「あしたします」「先方が何か準備されたらまずいでしょう。すぐに電話を入れて」「あしたします」とかたくなに断り、帰ってしまった。翌日出社したと同時に件の取材先に電話して事情を説明し出した。先方の了承を得て電話を切った途端、上司に向かって「やめます」と言い残し、そのまま会社を出てしまった。もちろん、それ以後出社することはなかった。最後の彼女の言葉は「給料は振り込んでもらえますか」。

● グラフィックデザイナーの話/朝、駅前を歩いていると、自転車をとめようとして隣の自転車に接触、向こう20台ほどを将棋倒しにしてしまっているおねえちゃんがいた。彼は「急いでいるだろうに、かわいそうに」と仏心を出して「手伝いましょう」と言った。おねえちゃんが振り返り「あ、そうですか」と言い残すと、自転車を1台も起こすことなくその場を立ち去った。グラフィックデザイナーは自分がこかしたわけでもない自転車を一人で起こしながら「おねえちゃんに仏心は要注意」と痛感した。

● 派遣社員の話/派遣社員の彼女は、20歳も年下の正社員に使われていた。その正社員はもちろんおねえちゃんである。おねえちゃんは毎日昼休みにパソコンゲームをしている。ある日上司が昼休みの終わる13時を10分も過ぎているのにパソコンゲームに勤しんでいるおねえちゃんに向かって「○○君、あの書類は?」と聞いた。上司もパソコンゲームのことに気づいているようだ。「あ、もう少しで終わりますから待ってください」。つまり、ゲームが終わるまで待てと。派遣社員の彼女は書類の場所はわかっているが、上司であるおねえちゃんを無視して動くわけにはいかない。「私が部長にお持ちしましょうか」「ちょっと待ってって。もう少しで終わるから」。おねえちゃんにとって最も重要なことは、ゲームのようだ。

● SPプランナーの話/新人社員のおねえちゃんは、毎日始業時間ギリギリに駆け込んでくる。一人暮らしで起こしてくれる人もなく、寝坊をしてしまうようだ。試用期間の3ヵ月間は遅刻・早退・欠勤は御法度である。プランナーの彼女が先輩として注意しようとした矢先、おねえちゃんは遅刻をしてしまった。「あーあ、社長にどう言い訳するんだろう」と思っていると、30分以上遅刻をしたおねえちゃんがプランナーの彼女のところに来た。社長への言い訳の内容を相談に来たのかと思ったら、彼女の口からとんでもない言葉が飛び出した。「30分遅刻すると皆勤手当出ないんですか?」「え? 皆勤手当って、試用期間でしょう、あなた」「欠勤しなかったら出るんですよね」プランナーの彼女は二の句がつげなかった。試用期間の間は手当て関係は出ないのが常識で、しかも遅刻や早退があると「皆勤」にはならない。驚くべき感覚だ。で、社長にはどう言い訳するのか。「目覚ましの設定を間違いました。遅刻だったら皆勤手当ては出るんですよね」これがおねえちゃんの言い訳と質問。社長は絶句。

● 広告制作会社社長の話/「社員4人ほどの会社なのに、よくモノがなくなる」と社長が嘆く。ボールペンやフェルトペンはもとより、客用のカップや事務所用の飲み物、菓子類など、ありとあらゆるものがなくなるそうだ。盗んだ犯人はすぐにわかる。罪の意識はないようだ。「会社のモノは自分のモノ、自分のモノは自分のモノ」である。また、「モノがよく壊れる」そうだ。ポット、コップ、お茶碗、ステープラ、パソコン……2万円近くする専門書は破られ、古い資料を捨てるように指示すると新しい資料を捨てられ、本のカバーはボロボロ。「だれがやった?」と聞いても「さぁ」としか言わない。責任を感じるでもなく、謝るでもなく。「あるおねえちゃんが来てから異常に電話料金が上がった」「『資料書籍』という名目で会社のお金で本を買うが、本は事務所に残っていない」「インターネットの接続料(当時は利用時間に応じた課金制)がいつもの3倍くらいになった(社員はネットができないパソコンを使っていた。社長のパソコンを勝手に使って接続したよう)」など、おねえちゃんの仕業に悩んだ社長は出社拒否をしたくなるに至り、おねえちゃんにやめてもらったそうだ。

● ビデオ制作会社社長の話/社長の事務所には、緊急の場合を考えて常に現金を置いている。「使うときは理由を言ってから」と社員に言っているそうだ。ある日、収納棚に見なれないゴミ袋があったので、だれが買ったのか気になって出金項目を書いた帳簿を見てみた。そこには社長に断りなく買ったものがズラリ。本、お茶、ノート、ペン、ゴミ袋……値段を見てビックリ。10枚180円……ゴミ袋はいつも社長が近くのディスカウントストアでまとめ買いをしていた。10枚39円のを。「お金を使うときは私に言ってからと言っていたはず」「でも、ゴミ袋がなくなったから」「ゴミ袋が1日なくても何がどうなるわけでないでしょう。10枚180円のゴミ袋なんか、あなた家で使ってる?」「いえ。でもそれしかなかったし」。決して謝らない。失敗をしたとも、悪いことをしたとも、間違ったことをしたとも全く思っていない。万事がそれで、「支払いの振り込みを頼んだら、振込手数料を引く相手に引かずに振り込み、引いてはいけない相手に引いて振り込む。間違ったことをとがめると、『引いてしまった振り込み先に振込手数料を振り込みに行きます』だって」と社長。つまり、手数料を引くはずの相手の手数料分と、引いてはいけない相手への追加振込手数料分は会社の損害になるわけだ。その認識があるのかないのかは不明だが、決して謝らず、「損害分は自分が負担します」とは言わない。おねえちゃんに金銭感覚はない。

おねえちゃんの暴挙の数々である。おねえちゃんは日夜暴挙を繰り返し、周囲を混乱させ、人々を悩ませながら、全くその意識がなく、我が道を行くのである。撃沈。

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