Welcome  BASALA'S  BLOG

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心霊現象な日々 1~8話/補足



最近もあったので、その中の幾つかを披露しようと思う。

その1【新築マンションの怪】
以前、安土桃山時代に繰り広げられた戦争に深くかかわりのある地域に住んでいた。我がマンションと道を隔てた東側の敷地には、総合病院があったが、その時代には、戦争で亡くなった落ち武者の無縁仏の墓地だった。その東側には、公園があり、そこはその時代の打首及びさらし首場だった。
高度経済成長のただ中にあった昭和の世に、無縁仏の墓は掘り返され、造成された土地に建ったのは、大阪屈指の大病院だった。

病院の向かいの新築マンションに入居した私は、わずか1ヵ月で大病を患い、くだんの大病院に入院した。

約3ヵ月の入院生活中、父が観葉植物に水をやりに家に入ってくれたが、そのたびに首をかしげて言っていた。
「冬なのに、すごい湿気があるようだ。観葉植物が渇水でしょげているのではなく、カビか何かにやられてしょげている」と言った。

私はさほど、そんな言葉を気に留めることはなかった。物理的な理由としては、コンクリート打ちっ放しの外観から、コンクリートが乾き切るまでの2、3年は湿気があるのが当たり前だと思ったからだ。
しかし、精神的にはひっかかるものがあった。居住したわずか1ヵ月の間に、何かしら違和感を抱いていたのは事実だったからだ。

約3ヵ月間の入院生活を経て退院できるまでに回復し(実はある理由で主治医に病院を追い出されたのだが)、退院の日を迎えた。母と父が退院する私を迎えに来てくれた。

母は霊感が異様に強い。さまざまな逸話がある人だが、自分ではその能力にほとんど気づいていない。

退院の日、病院で使ったものたちを3人で私の部屋に運び、すぐさま実家に向かうことになった。旅行鞄二つと紙袋二つ程度の荷物を部屋に上げた。
部屋に入った途端、母がブツブツ何かを言い始めた。
「おかしい、おかしい…、何か変や、いやや…」
私は奇妙に思ったものの、退院したての自分の体調も気になっていたため、母の独り言を無視し、言葉をかかぶせて注意をこちらに向けようとして言った。
「かあさん、トイレに行ったら? 家まで40分以上かかるから」
母は、視点の定まらぬ目でこちらを向いて言った。
「あ、そうやね」
母はトイレに入った。しかし、ドアを全開にしたまま用を足そうとする。いくら熟年夫婦とはいえ、父がいるのだから、それはまずいだろうと
「閉めたら?」
と私がドアを閉めようとすると、
「開けといて!!」
えらい剣幕で制止する。その剣幕に抗うことができずそのままにした。

その後、実家に戻り、その日はそのことに触れずに過ごした。
翌日、やはり確認しようと思い、母に聞いた。
「私の部屋、どうだった?」
「ん? 広いし、きれいな部屋やったよ」
「そう? うちの部屋に入った途端、“気持ち悪い”“なんかおかしい”って言うてたやん?」
「そんなこと、言ってへんよ」
「言ってたよ。トイレ入ったときも、開けっ放しでしようとしたりして」
「私、あんたの部屋でトイレなんか行ってないよ」
「……」

唖然、暗然、茫然。母には記憶がないらしい。私の部屋に入った途端、何者かに取り憑かれたのかもしれない。

その出来事が示すことは、その時点では全くわからなかった。

しかし、ほどなく理解することになる。驚くべき現象を体験するに至って……。

                     〈つづく〉


その2【新築マンションの秘密】

母が異常な現象を見せた後、煙幕の向こう側に黒い塊があるような、気味の悪い気持ちを抱いたまま実家で10日間ほど過ごしたが、気遣いの要らぬ一人暮らしが恋しくて早々にマンションに戻った。

しばらくは安静にしたいと思ったが、運がいいのか悪いのかマンションに戻った次の日には仕事の依頼が舞い込んだ。私が入院したことなど知るよしもない、イレギュラーな得意先だった。

その後、入院の事実などなかったかのように、毎日違う得意先から連絡が入り、忙しい日々に戻っていった。

しかし、月に1度の検診はしばらく必要で、そのときばかりは自分が3ヵ月の長きにわたって入院していたことを思い出さざるを得ない。

何度目かの通院後、マンションに戻った私は、何かに導かれるようにエレベーター横の階段を上がって、エレベーターの裏側を見た。そこにあったのは、苔むした「灯籠」だった。ポツンと一つだけ。なぜだかゾッとした。
そして、灯籠と反対の位置にある、階段ホールの裏側に目を向けた。ギョッとした。祠(ほこら)があった。しかも、新しいものだった。

部屋に戻った私は考えた。灯籠と祠の理由を。安土桃山時代には戦場だったその土地に住んでいた人は、戦火に巻き込まれた家族がいたり、落ち武者の悲惨な姿を見たりしたはずである。そうした家庭では、庭に灯籠など仏に灯火を献ずる習慣が生まれた。時代が移り、古い家を壊してマンションに立て替えようとしたが、灯籠を撤去しようとすると、それに手をかけた人間が次々と具合が悪くなったり、死亡したりした。撤去を諦め、灯籠を隠すようにマンションを設計した。しかし、災いが広がらないように手だてを講じる必要に迫られ、祠を立てた。さしずめそうした流れではないかと想像した。

妄想に過ぎないかもしれないが、そんなストーリーが
隠されていてもおかしくないと思えた。

灯籠を見てゾッとした感覚は、心に薄じみをつくった。「もしかしたら…」と想像する思考範囲を激しく広げた。そして、それが現実になるときは、間もなくやってきた。


                     〈つづく〉

その3【新築マンションに潜む者】

母の奇行の後に見た、灯籠と祠の怪を解明できないまま数日を過ごした私は、その理由の一端を体感することになった。

そのころ私は、事務所スペースを設けた自宅で仕事をしていた。神経を集中しないとできない仕事をある程度こなし、一休みして気持ちをリフレッシュしようとしたときのこと。

リビングのコーナーにある和室の部屋に寝転んで、腕枕をして壁に向かって考え事をしていると、聞こえてきたのだ。遠くから。

ピタピタピタピタ。

玄関からこちらに向かって廊下を歩く音。裸足だ。

ピタピタ…ヒタ。

キッチンに入った!

キュッ(蛇口をひねる音)、ザーーッ(水が出る音)。

確実に水が出ていると思った。慌てて言った。
「もったいない! 止めなさい!!」

キュッ!!(蛇口をしめる音)

少し置いて、ピタピタピタピタと、玄関に向かって歩いていく足音がした。

立ち上がって、キッチンの流しを見た。洗い桶の中に、たまっていないはずの水がたまっていた。

この事件を皮切りに、歴史をいまに映すような事件が多数起こる。ピタピタの意味も早晩わかるのだ。こうして、長い闘いが始まった。

                      〈つづく〉

その4【新築マンションに蠢く気配】

昼の日中から、裸足で侵入してきた謎の物体のことが心の奥にタールのようにへばりついたまま数日を過ごした。

まだまだ時間がかかると思われる仕事にキリをつけ、事務所の灯りを消してリビングに行き、テレビをつけて寝室の準備を始めた。当時の自宅は、寝室のコーナーを開放するとリビングのテレビが見えるようなレイアウトになっていたので、布団に入った私はしばしテレビ画面を見ていた。が、頭の中は仕事のことでいっぱいだった。
目に入る空虚な画像が意味をなさないと気づいた私は、リモコンでテレビをOFFし、灯りを消して眠ることにした。

真っ暗な中でもまぶたの内側に文字や画が浮かぶ。企画の仕事のことが頭から離れないのだ。
そうしてしばらく過ごしていると、また、あの音だ。

ピタピタピタピタ。

玄関側から寝室の方へ歩いてきている。しかし、それだけではなかった。

シャシャシャシャ。

何か、繊維質のものが挟まっているような、濁った音がした。さらに、

パタ、パタ、パタ、パタ。

少し硬質なものの音がした。ピタピタに比べると、テンポがゆっくりしているように思える。寝室の横のフローリングのリビングを歩き回っているような気配がする。正確に聞き分けることはできないが、10人くらいいるような気がする。

はたと気がついた。寝室を開放していたので、リビングと一続きの状態になっている。足音の主には私が見えているはずである。私には何も見えない。外から入るおぼろげな灯りのせいで、家具やテレビのフレームくらいは見えているが、侵入者の姿は見えない。

予想どおり、足音が寝室に入ってきた。畳がわずかにしなるような音がする。頭の上に回った。そのまましばらく音がやんだ。

パタ、パタ、パタ。

まず硬質な音がし、

ピタピタピタピタピタ。
シャシャシャシャシャ。

明らかに先ほどよりは速いテンポで幾つかの音がうごめく。頭の上の足音も、慌てたように寝室から離れた。音は再び玄関側へと消えていった。

音や気配のなくなった部屋で、いましがた起こったことを思い返した。いまのは、一体何だったのか…。

「ピタピタ」は裸足の小姓、「シャシャ」は藁草履の傭人、「パタパタ」は武将……そんな想像をした。
すぐ隣にある「国立病院」や、その東隣の打首及びさらし首場の存在が、戦国武将にまつわるようなストーリーを考えさせてしまったのだ。

しかし、その想像がほぼ間違いではないということがこの後に起こった事件で立証されることになる。


                     〈つづく〉

その5【新築マンションに棲みつく者ども】

10人ほどの人間(落ち武者と推察した)がどやどやとやってきた事件からほどなく、私は正月の帰省で部屋を5日ほどあけた。

夜になって久々に部屋に帰ってきた私は、解錠してドアレバーをおろし、何気なくドアをあけた。するとドアの隙間から、ふわっと抜け出てきた空気は、おおよそ私の部屋のものとは思えない、臭気というか、温度というか、よくわからない違和感にいやな感じがした。

ドアの前でたじろいでいる私の耳に、ふいに何かが届いた。男の声である。大勢で何かを話し合っているのか、同時に何人もが話しているといった感じの声が確かに聞こえる。暗闇の向こうに、一体何があるのだろうか。

「落ち武者だ!」
とっさにそう思った。そのままでは中に入ることができない。思い切って声を出した。
「ただいま!」
すると声がピタッとやんだ。

灯りをつけた。当然だれもいない。足音もしない。

「すんませんな。皆さんでお集りのところ。申し訳ありませんけど、きょうからまた生活させてもらいます」

空間に向かって大きな声で言った。その夜は、無事何もなく過ごすことができた。

しかし……、さらなる出来事が襲ってくる予感がした。なぜなら、落ち武者たちは、確実にマンションの敷地のどこかにいると思えたからだ。
言い換えれば、落ち武者たちの棲み家の上に断りもなくマンションを建て、勝手に住んでいる無礼者はこちらなのだ。

よきにつけ、悪しきにつけ、落ち武者たちが出没することは、想像に難くなかった。

怒らせることも、おだてることも禁物だと思った。

そうして、落ち武者たちとの共生が始まった。私はそれでよかった。しかし、うちに遊びに来た友人を恐怖に陥れるという事件がたびたび起こった。

小学生時代からの友人が来たときは……。

                   〈つづく〉

その6【新築マンションへの来訪者】

●ラップと不思議な灯り
すっかり落ち武者たちの出没が当たり前になったころ、長年の友人がわが部屋に遊びに来た。テレビをつけて話をしているときはよかったのだが、元来、怖がりのこの友人は、耳や目を異常に働かせる。

布団に入ってスタンドだけにし、二人して寝転んで話し込んでいると、ラップ音がする。私は気付かぬふりをして話を続けようとしたが、
「ちょ、ちょっと待って! 何か音がした…」
「どこにぃ」
「あのあたり…」
彼女が指差したのは、正確な位置だった。いつもラップ音がする向こう側がトイレという位置の壁だ。
「あの向こう側、何?」
「トイレ」
「えっ、だれか入ってるんとちがうん?」
「そんなわけないやん」
「見てきて!」
「はい、はい」
何もないことはわかっていたが、見に行った。トイレのドアを開けると、背後から
「ギャッ」
という声が聞こえた。ラップ音よりその声の方がよほど怖い。うつ伏せになったまま固まっている彼女の背後から言った。
「今度は何?」
「ス、スタンドの灯りが…」
「どうしたんよ」
「暗くなった…」
それもよくある現象である。スタンドのみならず、部屋の灯りが細くなる現象が以前から起こっていた。
「古いスタンドやから、通電がおかしくなっているんよ」
「ほんま?」
「怖がりやなぁ」
そう言って彼女をなだめて、布団に潜り込んだ。ラップも灯りも、落ち武者が自分の存在を示すためにやっているいたずらなのだろう。

それから朝まで、幾度となく彼女の「ギャッ」「えっ!」「うそぉ」といった驚嘆の声が聞こえてきた。
翌朝、目の下にクマをつくっている彼女を見て、申し訳なく思った。


●カギの怪
前出の彼女とともに、小学時代からの級友がもう一人いる。彼女は保母で、前出の彼女は看護師である。
ある日、保母の級友と、彼女の部屋に宿泊した看護師の級友の二人が私の部屋にやってきた。
しばらく談笑した後、食事に行くことになり、玄関まで歩を進めた私はあることに気がついた。
「あれぇ、カギ閉めてくれへんかったん?」
「え、閉めたよ…」
保母の級友が顔をこわばらせた。
「開いてるよ。ひょっとして、○○さんの部屋とつまみ(サムターン)の動作が反対なのかな」
「違う、一緒よ。確認して閉めたもん」
「そう」
看護師さんの親友は無言である。以前体験したラップやスタンドの件を思い出してゾッとしているのだろう。

以前、何回か鍵が開いていることがあったのだが、自分のかけ忘れや勘違いとして処理していた。落ち武者の仕業であると確信した。


私の部屋に来た人は皆ラップ音を聞いている。何かの気配を感じた人もいたかもしれない。そして皆、二度とわが部屋には来たがらなかった。

この部屋には10年間住んでいた。幾度となく落ち武者たちが出没したが、引っ越しが決まってからの出没は、ほかの場合と違って、とても迫力があった。

それは、寒い夜のこと……。

                   〈つづく〉

その7【新築マンションの先住の者ども】

マンションの一室にあったわが部屋は、玄関横の部屋を事務所スペースにあてていたが、事業拡張計画に伴って事務所を別に移したため、住まいとしてのみ使うことになった。
しかし、一人暮らしの部屋としては広過ぎた。住まいだけとなって5年ほど経過したとき、強姦まがいの侵入者があったり、空き巣に入られたりといった事件が立続けに起こり、不用心であることもあって、住まいを移そうと決意。不動産屋に物件を見にいった寒い日の夜のこと。

のんびりテレビを見ているときから、どうも騒々しいと気付いていた。具体的にはラップ音くらいなのだが、周囲を動き回る何かの気配がする。「何か」といっても、例の「落ち武者」であることは明白なのだが、これほど早い時間から騒々しいというのは初めてのことだった。

シャワーを浴びているときも、私の回りにだれかがいる。
「エッチやなぁ。だれ? 出て行ってよ」
そう言うと、出ていったのか静かになる。かなり素直で真面目な人物のようだ。

いよいよ就寝の時間になった。灯りを消し、布団に入る。すると、さきほどまでの喧騒がうそであるかのように静まり返っている。
「あれ、おかしいなぁ」
と不思議に思ったのも束の間、布団の外に出していた手をムンズとつかまれた。何をしたいのかがわからず、つかまれたまましばらく動かなかった。しかし、次のアクションがないので、
「痛いなぁ、放してよ」
と腕を引いた。すると、意外にもあっさり放してくれた。

このことを皮切りに、部屋じゅう再び騒々しくなった。大勢が歩き回っている。何人くらいいるのかを分析しようと耳を済ましていると、足元に違和感を覚えた。

私の体を挟むようにして両側に重みを感じる。布団が凹んでいるのがわかる。ゆっくり上がってくる。足だ。私の体の左右を踏みながら、頭側に上がってきているのだ。腰のあたりまできたとき、足がとまった。目を開けても何も見えないが、あっちからは私が見えているのだろうな、そんなことを考えていると、お腹から胸にかけて、ずっしりと重くなった。
「ま、まさか、乗ってきたの?」
ということは、私の顔のすぐ前に落ち武者の顔があるということになる。さすがにそれは気持ち悪い。布団から出たいのだが、重くて動けない。
「ちょ、ちょっと、苦しいやんか! どいてよ」
すると、すぅっと重みが消えた。これまた素直な人物のようだ。

「で、何しにきたん。大勢で」
しかし、騒々しさはおさまらない。
「あ、そうや。もうすぐこの部屋から出て行きます。長い間住ませてもらって、ありがとうございます。次の住人とも仲よくやってください」
そう言うと、にわかに静かになった。
『挨拶をしろ』ということだったようだ。
入居のときもきちんと挨拶をしておいたらよかった。そうすれば、もう少しおとなしくしてくれていたかもしれない。

しかし、ちょっとエッチな行為はどういうことだろう。自分たちの生きた時代と余りにも違う現代にいることから、現代の女に興味を持ち、私のことを少し知りたかったのかもしれない。
ひょっとしたら、私に恋をしてしまった落ち武者がいたのかも……。

                   〈つづく〉

その8【愁える来訪者】


私の事務所に遊びにくるタレントさんがいる。テレビやイベントなどに声や顔を出す、売れっ子のナレーター&MCである。関西圏の人なら、一度は彼女の声を耳にしたはずというほどあちこちの媒体に登場している。

その彼女は霊感が強いらしい。強いといっても、“見える”とか“お告げが聞こえる”というポジティブなものではなく、“憑かれる”系のようだ。

彼女が言うには、「ここに来ると、必ず持って帰ってしまう」そうだ。「ここ」は私の事務所を指す。家のみならず、事務所にもいるのかとまいった。後に、違う人にもっとハードな話をされたのだが、それは後日。

最初に遊びに来たときは、帰るときにどうも肩が重い、と感じていたそうだ。疲れが取れないし、やる気も出なくて「どうしたのかな」と不思議に思っていたら、訪れたカットサロンで「すごい強いのが憑いてるよ」と美容師さんに言われたとか。その美容師さんは強烈な人で、自分の中に霊を入れて(吸い出す、といった感じだろうか)、外に吐き出すことができるらしい。そうしてもらったら、重かった肩もよくなり、見違えるように気力がみなぎってきたと。でも、そのときは、うちで憑いたとは思わなかったそうだ。

2度目に遊びに来たときも同じ症状が出たが、折よくロケで香港に行くことになり、「環境を変えればよくなるかも」とほっとした気分になったそうだ。香港についてすぐ、プライベートタイムにお寺に詣ったら、すっかり元気になり、ロケの間じゅう楽しめたとのこと。日本に戻って、くだんの美容師さんに話したら、「あなたの恵方にあるお寺だったからよかったのよ」と。お寺が彼女を守ってくれたということか。

2度目の事件で、彼女はわが事務所に何かがいたのだと、そして、それが自分に憑いたのだと確信したそうだ。

3度目以降は、わが事務所に来る前に何か防衛策を取っているようで、恨みつらみを言われたことはない。

食事のために外で会うときは、私から
「きょうは私の肩にのせてきたから、そっちに上げるわ」
と肩を近づけて言う。彼女は本気で逃げる。

彼女は「事務所にいる」と言うが、実際は、私の肩や背中にいて、彼女が来ると、彼女にのり移るのかもしれない。

いずれにしても、ぞっそしない話である。

きょうも来客が数人来た。もしかしたら、皆、何者かを
のせて帰っていったのかもしれない。合掌。

                   〈つづく〉



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

「心霊現象な日々」の補足
当ブログ内で連載している「心霊現象な日々」について知人から指摘され、補足しなければならないと思われる事項を幾つか解説します。
本来なら、最初にしなければならないところ、遅くなってしまい、申し訳なく思っております。

●「霊道」って?
霊の通り道です。亡くなった方があの世に行くための通り道、ということらしく、現世の状態に関係なく敷かれているようです。うちの中に通っているであろう霊道は、出口がよくなく、霊が滞留することが多くて心霊現象が起こりました。

●霊は、電波?
そうです。異様な周波数を持っていて、電気製品が影響を受けます。というか、うちでは、多くの電気製品が壊れました。テレビ局でも、器機の集まる編集室に霊がよく出ます。電波を感じ取って集まってくるというのが通説です。

●霊は臭い?
空気清浄機が反応します。鼻に感じる匂いではなく、匂いの“成分”を持っているのだと思います。うちでは、霊道が開く朝4~5時になると、空気清浄機が反応し、ゲージがぐんぐん上がっていくということがあります。「来たな」と思います。

●「憑く」という現象
うちの母に多いのですが、霊が憑いたとき、意味不明な反応をします。顔つきが変わり、通常の母がしないような行動をしたり、言動を放ったり。憑きものが出た後はケロッとし、「そんなこと言うてないよ」「そんなことしてないよ」と言ったり。私の場合は、肩や背中が重くなり、無口になります。霊感が弱く、霊の望む行動(母のような)ができないので、重さの圧迫に耐えるしかない、という状態です。

●「生霊(いきりょう)」って?
行きている人が放つ「怨念」「執念」が、相手に届く現象です。生きているだけに、その波動は強烈で、人を死に至らしめることもできるほどだとか。地縛霊(土地についている霊。その地で無念な最期を迎えた人が霊となって、地に憑きます)、背後霊(人の背につきまとう霊。霊のうごめく
ところに足を踏み入れて、厄介な霊を背中にのせて帰ってくるというのが多いようです)、守護霊(自分を守ってくれる霊。祖先の霊が多いようです)などと比べ物にならないほどのエネルギーを持っている、最も怖い霊魂です。

いかがでしょう。
「心霊現象な日々」はすべて実話です。こうした知識をもって、さらに楽しく読んでください。

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