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2026年09月10日
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カテゴリ: 教育

「台所が汚れるから」と断り続けた僕が、次女の「なんで?」に引きずられて始めた科学実験が、忘れられない理由


次女が小学3年生のある土曜日のことです。


次女が「ねえ、重曹とお酢を混ぜると泡が出るって本に書いてあったんだけど、やってみたい」と言いました。


僕の最初の反応は「台所が汚れるからダメ」でした。


次女は「じゃあ外でやる」と言いました。


「外でやっても片付けが大変だから」と言いました。


次女は「じゃあお風呂でやる」と言いました。


次々と解決策を出してくる次女に、僕は返す言葉がなくなりました。


「この子の『やりたい』のエネルギーを、僕はずっと潰してきたんだ」


そう気づいた瞬間、「わかった、一緒にやろう」と言いました。




洗面台の前に二人で立って、重曹とお酢を混ぜました。


シュワシュワと泡が出てきた瞬間、次女が「わあ!」と叫びました。


「なんで泡が出るの?」と次女が聞きました。


「えっと、化学反応で二酸化炭素が出るんだよ」と答えると、次女は「二酸化炭素って何?」と聞きました。


「呼吸するときに吐き出すやつだよ」と答えると、次女は「じゃあ植物が吸うやつだ! 光合成で習った!」と言いました。


たった一つの実験が、化学・生物・日常生活をつなぐ会話になっていきました。


「なんで?」が次の「なんで?」を生む。その連鎖が、学びの本質だと気づきました。


■ 家庭内でできる科学実験、我が家の定番3つ


あの日をきっかけに、週末の「実験タイム」が我が家の習慣になりました。特に盛り上がった実験をご紹介します。


① 重曹×お酢の炭酸ガス実験


これが最初の実験でした。材料は家にあるもので揃います。量を変えると泡の量が変わることを娘たちが発見して、「多い方が泡が多いから、比率があるかも」と自分から実験を発展させていきました。


② 水と油と洗剤の層の実験


コップに水と油を入れると層が分かれる。そこに洗剤を加えると混ざる。「なんで洗剤を入れると混ざるの?」という疑問から、界面活性剤の話に発展しました。「食器洗いのときに油が落ちるのはそのせいだ」と長女が言ったとき、日常と科学がつながった瞬間でした。


③ 片栗粉のダイラタンシー実験


片栗粉に水を少しずつ加えていくと、叩くと固まり、ゆっくり触ると液体のように流れる不思議な物質ができます。


娘たちが「固い! 柔らかい! 固い!」と交互に触りながら大興奮していました。次女が「これ、宇宙人の体みたい」と言ったことを、今でもよく覚えています。


■ 工作が育てたもの


科学実験と並行して、工作の時間も取り入れました。


長女が特に夢中になったのは、「段ボールで何でも作る」でした。


小学4年生のとき、長女が段ボールで「お菓子の販売機」を作りました。投入口、取り出し口、小さな仕切り——2日かけて完成させました。


「なんでこのくらいの角度にしたの?」と聞くと、「傾けないとお菓子が出てこないから」と言いました。


試行錯誤しながら「なぜそうするか」を考え、自分で答えを出す。これが工作の本質的な学びでした。


長女が今、大学でデザインを学んでいることの原点の一つが、あの段ボールの販売機にあると、今の僕は思っています。


■ 「台所が汚れる」より大切なものがあった


あの日、次女に「台所が汚れるから」と言い続けた僕は、何を守ろうとしていたのでしょうか。


台所の綺麗さです。


でも台所の綺麗さと、次女の「やりたい」のどちらが大切だったか。


今の答えは明確です。


次女の「やりたい」です。


台所が汚れても、片付けに30分かかっても、それを補って余りある何かが、実験の中にありました。


次女の目が輝く瞬間。「なんで?」が連鎖する会話。失敗して「もう一回やってみる」と言う姿。


あれらの経験が、次女の「知ることへの喜び」の土台になっていたのです。


今も次女は「知らないことを調べることが好き」と言っています。大学で環境について学んでいる次女の原点の一つが、あの重曹とお酢の実験にあると、今の僕は確信しています。


「台所が汚れるから」と言い続けていた日々を、少しだけ後悔しています。でも「わかった、一緒にやろう」と言えたあの日を、誇りに思っています。





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最終更新日  2026年09月10日 21時29分48秒
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