On the Sunny side 誰にでも居場所がある

On the Sunny side 誰にでも居場所がある

2007/06/08
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カテゴリ: 障害者と働く
07:30AM
施設に着く、チビ太が立っている、寝ておきたら施設がなくなっているのを心配するように。

すぐ新人のI君が現れる、彼は前の会社が倒産して、7年の自宅待機を経てうちへ来た。

 「でけへん」 チビ太が入職して程なく、指導に対して抵抗した。出来ないのかやりたくないのか、とにかくうちでは嫌がるものにはやらせない。皆が仕事をしていると傍にきてやらせろと喚く。
返事をしないと「アタマ、イタイ、ネツアル、タイオンケイ」、具合が悪いなら帰れと言うと「ナオッタ、シゴト」 指導すると「デケヘン」。

思い通りにならないと「アタマ、イタイ、ネツアル、タイオンケイ」、その当時ウチにいた集配担当のS氏がいた。彼は温厚な人で障害者のことだからと一人優しく接していた。

 チビ太にS氏が優しく指導した、でもスキルアップしない、周りの誰よりも遅い。
「自分が満足に出来ないとこのコたちの指導なんてできないのよ」 と魔女に言われS氏の顔がゆがむ。

魔女の基準ではS氏はドレスアップした仕事が出来ないらしい。


 そんなある朝いつもより早くチビ太がきて、私の机の前で「でけへん」 手には昨日できなかった仕事の材料、もう一度顔をみると、目を潤ませて「でけへん」、一週間、毎朝指導した。
     それから毎朝、チビ太が一番に来る。

「なめんなよ」S氏と元請の専務が立ち話をしている時、通りすがりにチビ太に指示したとき、そう答えたらしい、その事を元請の専務から聞いた時、S氏に対して問うた。
大人が話す傍で、子供が「なめんなよ」って何にも思わないのかって

<そらあかんでしょうな>じゃどうして叱らないの
<言っても分からん者にしゃあないでしょ>
<専務と話してたし、あとでええやろって> やらかしたらその場で俺たちは解決してるんだしあんたにもそうしてくれと言ってるよね。
<聞いてますけど、後で話したら分かりますやん、社長のやりかたはまちごうてますよ>
<障害者が言うことに一々目くじら立ててどないしまんねん、こんなんしょっちゅうでんがな、健常者で大人なんやから、長い目で見たりましょうな>  君が社長ならチビ太を雇うのか
<あほなことを、そんなんワシの仕事とちゃいますがな>

「Sさん、今日はもういいから帰って」


S氏の指示にチビ太は聞こえないふり、もしくは従わなくなった。
そんな日々が続き、S氏は連絡なく休み、4日目の夕方に電話で<社長のやり方にはついていけませんわ>と辞めた。 暮れで忙しくて人手の足りない時期に辞めたのはわざとだといまでも思っているが、魔女は止めてもらえるって思ったんじゃないと。

いまも、チビ太は朝は一番、そして少しでも人の前に出ようと、悪戦苦闘している。 朝、私に「でけへん」って言いながら。

              という今日この頃です。





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Last updated  2007/06/08 07:51:37 AM
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