男のくせに

男のくせに

August 25, 2006
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
コピーライターをやっていると思うことがあります。


言葉は、すぐ腐る。

夏場の寿司より、すぐ腐るのです。



修飾語をつけて、

レトリックを用いて、

言葉と文章をこねくりまわすと、

「らしい」ものは出来上がる。



でも、ものすごくウソの匂いがする。

世の中の99%はだませるかもしれないけど、



99%に捨てられ、1%に拾われることほど嬉しいことはありません。

でも、その逆は、99%が全て吹き飛ぶほどに寂しいことです。



むやみに飾られた言葉は、

派手に着飾った女のように、

心を芯から醒めさせます。



人が酔いしれるのは、

言葉そのものではなくて、

言葉が伝えるものによってです。


言葉はドミノの最初の一押しであり、

水面に落ちる朝露の一滴でしかありません。


それ自体は、何でもない。



手をひいて出かけていくのです。


全ては向こう側で起こること。

吐き出す側は、

もちろん色々と思考をめぐらし、

あれこれいじくるのだけど、



最後に全て脱がす努力をしなければいけません。


受ける側にとって、自分以外の全ての人にとって、

こちらが考えたことなどどうでもいいからです。


押し付けがましいのはいけません。

確か、僕が嫌いなタイプの人間も、たいていはそういう奴です。

片手に持った一つの物差しで全部測る人間になってはいけません。

センチメートルなのかフィートなのか、レモン何個分なのか、

測り方なんて人次第・気分次第なんです。



なんだ、最後に脱がしたら意味ないじゃないかと言う人がいるかもしれません。

あなたは非常に鋭い人なので、とんがり君と呼びましょう。


でもね、とんがり君、そんなことは無いですよ。


一見すると、取り立てて何も無いような物事や人間でも、

それが経てきた思考や経験や天国や地獄によって、

必ずどこかに差が出るんです。


それが、ほんの少しの間の取り方の違いや、

助詞の選び方の違いであったり、

微笑むタイミングであったり、

扉を開けるタイミングであったり、

とにかく色んな瞬間に差として現れるのです。


サブリミナル効果ではないけれど、

五感で捉えられないくらいの些細な差でも、

ちょっとずつ、ちょっとずつ違いは蓄積されて、

いつか明らかな違いになって心に届く。



全てを削ぎ落として、

全てを蓄えた文章が書ける日が来たら、

僕はブログもコピーライターもやめるでしょう。






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  August 26, 2006 02:05:59 AM
コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Profile

como.h

como.h

Comments

いまさらですが@ Re:横尾さん怒る(04/07) 横尾忠則が滝のインスタレーションをする…
como.h @ Re[1]:あの時、ここで。(12/16) はにこさん >初めて日記をよませてもら…
はにこ@ Re:あの時、ここで。(12/16) 初めて日記をよませてもらいました。 あ…
ペット総合サイト @ アクセス記録ソフト 無料 楽天 アクセス記録ソフト! <smal…
王様@ 潮 吹 きジェットw サチにバ イ ブ突っ込んだ状態でジェット…

Favorite Blog

まだ登録されていません

© Rakuten Group, Inc.
X

Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: