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chiko619 @ Re:新参者(09/22) 「新参者」読みました。 東野圭吾さんは、…
kimiki0593 @ 相互リンク 初めまして、人気サイトランキングです。 …
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ はじめまして^^ 先ほどこのロングインタビューを読み終え…
2009.04.11
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カテゴリ: 教育・子育て

 親の学歴が高いほど、子どもも高学歴になる。
 これは、データを使った厳密な実証研究で、世界的に確認されている。
 それは、高学歴の親が、教育費用の負担を、それほど重く感じないから。

 つまり、高学歴の親は、遠い将来の便益を高く評価しているので、
 20年後に得られる400万円のために、現時点で100万円を教育投資するが、
 そうでない親は、現時点での100万円のほうが大切と考え、投資を控える。
 高学歴の親は「時間選好率が小さい」と、経済学的には表現される。

   *** 


多くの知識や技能を習得してきた。
それ故、高学歴者の能力は高く、生産活動に従事したときの生産性も高くなる。
生産性が高い人が、高い賃金を得るのは当然である。

これが、「人的資本論」の主張するところ。
しかしながら、「教育が生産性を高める」という主張を実証した研究は、
実際には、ほとんどないという。
なぜなら、生産性の計測というものが、極めて難しいから。

そこで、高学歴者が高賃金を得ることを説明するためには、
人的資本論とは、別の理由からでなければならないこということになる。
その最有力候補が、シグナリング理論。

   ***


能力は観察できないが、学歴は簡単に観察でき、そこから能力が推定できるという考え。
これに従い、企業は始め、「大卒者は高能力、非大卒者は低能力」という信念を持っている。
そして、企業は、その信念に基づき、大卒者に高賃金、非大卒者に低賃金を支給する。

すると、高能力者は大学へ進学しようとし、逆に、低能力者は進学を断念するようになる。
なぜなら、高能力者は低費用で大学を卒業でき、卒業後には高賃金を得られるが、


そして、就職後、何年か経ってみると、
高能力者である大卒者は、きっちりと、高生産性を実現しているが、
低能力者である非大卒者は、やっぱり、低生産性しか示せていないことが判明。
かくして、企業の信念が正しかったことが確認される。

   ***

その他、第1章では、女性の教育の重要性が説かれており、たいへん興味深い。
また、第2章では、学校選択制と教育バウチャー制度に対して、
経済学的視点から、的を得た、説得力のある批判が為されている。
さらに、いじめを経済学で解決する方法も示されているが、やや押しが弱い。

それに比べると、「教師と学級規模の経済学」は、本著の中で最も面白かった。
「学級崩壊の根本原因」や「望ましい教師像・授業」、
「学級規模と学力」「小学校における英語教育」についての論述は、
正確な実態把握に基づく、説得力あるものだった。





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Last updated  2009.04.11 19:33:35 コメントを書く
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