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こんにちは。
少し間が空きましたが、本日も、最新刊 「 おもしろ歴史ウォーキング 東京編3
」
からのネタです。
今回、ご紹介するのは、 第5章の 『 村上春樹、松尾芭蕉ゆかりの場所と知る人ぞ知る美術館、美しい日本庭園をめぐる美術・文学散歩 東京都文京区 』
前回もそうでしたが、東京都文京区は、知る人ぞ知る観光スポットがいっぱいあるのですよ。
東京に長く暮らしている私の知り合いも、これから紹介するスポットに行ったことがない人が少なくないのです。
江戸時代から昭和にかけて、歴史の教科書に登場するビッグネームゆかりの場所がたくさんあるのにもったいないような。
…ということで、今回も、歴史のみならず、文学や芸術など文化スポット満載の文京区をご紹介しようと思います。
諸事情があって、冒頭の部分だけですが…。
すべての記事は、 こちら ですよ。
是非、本書もご覧いただければ幸いです。
1.名門出版社の社長が集めたコレクションが魅力の野間記念館
今回も、東京都文京区の歴史ウォーキングを続けます。東京カテドラルマリア大聖堂と目白通りを挟んではす向かいにあるのが、講談社野間記念館。
ここは、講談社の初代社長野間清治が、大正期から昭和初期にかけて収集した「野間コレクション」と呼ばれる美術品を中心に展示している美術館ですな。 2000 年 4 月に設立されたそうで、展示品は、日本画・洋画・彫刻・陶器・刀剣・刀装具など多岐にわたっているらしい。
ほかにも、母体の出版社の出版事業にかかわった出版文化資料や多くの画家に依頼して描いてもらった 5000
点を超える色紙なども収蔵しているそうですね。
ここは以前来たことがあるので、今回はパスしました。小ぶりですが、内装もおしゃれで、庭園を見ながらゆっくり休めるコーナーもありますので、時間のある方は是非。
2.大ベストセラーの舞台になった寮がある
目白通り沿いに立つ野間記念館の横の道を歩き、神田川方面に向かいます。その道沿いにあるのが、和敬塾。
ここは、昭和 30
年創設の男子大学生・大学院生向けの学生寮ですね。約 7,000
坪の敷地に、 6
つの寮があり、さまざまの大学の学生や留学生が暮らしているらしい。もちろん観光スポットではなく、内部の見学はできませんので念のため。
ではなぜ、ご紹介するのかと言うと、ここはノーベル賞候補作家の代表作の舞台になったところだから。『ノルウェイの森』を読むと、主人公の大学生がここで暮らしているシーンが登場します。実は、村上春樹も少しの間、ここで暮らしたことがあったらしい。寮の生活が肌に合わず、大学一年の春から秋までしかいなかったそうですが…。
それでも、小説の中では生き生きとここでの暮らしの様子が描かれていますから、かなりの影響は受けたのかもしれませぬ。
3.けわしい胸突坂には文化スポットがいっぱい
和敬塾の建物を右手に見ながら歩いて行くと、道は徐々に下り坂に…。
右手に、緑あふれる森が現れ、その入り口には「永青文庫」の文字がありました。
文庫とは書かれていますが、こちらも美術館なのですね。肥後熊本 54
万石のお殿様、細川家伝来の美術品や歴史資料、細川家の当主が集めたコレクションなどを展示・研究しているのだとか。
細川家と言えば、最近総理大臣を務めた細川護煕氏で知られますが、鎌倉時代から江戸時代にかけても歴史の教科書に度々登場する名家。室町時代の三管領・四職の家柄と戦国時代到来のきっかけとなった応仁の乱で東軍の総帥を務めた細川勝元が有名ですね。
所蔵する国宝 8
点は刀や鞍、重要文化財 32
点は絵画や武具、書跡が多いことからも、その由緒ある歴史が伺えますね。

パッと見では美術館に見えませんが、建物は昭和時代初期に細川家の事務所として建てられたものらしい。一見、地味に見える建物の中に、とんでもないお宝が眠っているのですな。
永青文庫を出ると、道はますます急こう配に…。
実は、ここは胸突坂といって、自分の胸を突くようにしなければ登れないことから名づけられたらしい。もっとも、高台から来たので、私は階段を降りるだけでしたが…。
そして坂の途中にあるのが、水神社。神田上水の守護神として祀られたそうですが、境内には二本のイチョウの古木が存在感を持って聳え立っておりました。

4.現場監督?時代の松尾芭蕉が暮らした関口芭蕉庵
胸突坂の隣にあるのが関口芭蕉庵。
この場所は、俳人・松尾芭蕉が、神田上水の改修工事に携わっていた 1677 年から約 3 年間住んだらしい。当時、旧主筋の藤堂家が神田上水の改修工事を行う際、この付近の水番屋に住んで、現場監督みたいな仕事をしていたのですか。
松尾芭蕉は忍者だという説もあるそうですが、土木技術のスキルを持っていたのは知りませんでした。最初は、俳句の師匠だけでは食べて行けなかったのかも。この辺は、今も同じようなケースがあるようで。
その後 1726
年の芭蕉の 33
回忌にあたる年に、「芭蕉堂」と呼ばれた松尾芭蕉やその弟子らの像などを祀った建物が敷地内に作られたらしい。

庭園は、草が茂って野趣あふれる風情。ここで一句と行きたいところですが、ひねり出すのに数時間もかかりそうだったので断念しました。
5.見事な景観が無料で楽しめる新江戸川公園
関口芭蕉庵から神田川沿いを少し遡ったところにあるのが新江戸川公園。
この場所は、幕末に細川家の下屋敷になり、明治時代には細川家の本邸となったのですか。その後、東京都の所有を経て、 1975
年に文京区に移管されたのですな。

この見事な池泉回遊式庭園は、細川家下屋敷の庭園の景観を復元したのですか。解説板には、目白台台地が神田川に落ち込む斜面地の起伏を活かし、変化に富んだ景観をつくり出していると書かれていました。
(以下、「 おもしろ歴史ウォーキング 東京編3 」に続く)
このあと、新江戸川公園の日本庭園を堪能しました。園内にある、明治時代に細川家下屋敷跡に学問所として建設されたという松聲閣(しょうせいかく)なども興味深かったですね。
そして、今回のウォーキングのハイライトである椿山荘へ。
ここは、江戸時代は久留里藩黒田氏の下屋敷で、明治時代には元勲・山縣有朋の屋敷となった場所です。
庭園は、無料で一般公開されていて、施設利用者ではなくても見学できるのがうれしい。

起伏のある園内には、驚くほどの巨木や室町時代に作られたという三重塔など、見どころが目白押しですよ。
東京の歴史ウォーキングの醍醐味が味わえる続きは、是非、こちらをご覧いただければ幸いです。
「
おもしろ歴史ウォーキング 東京編3
」
(参考)
目次より
第1章 江戸時代の風情が残るだけではない 理学、音楽の歴史にも関係が深い街・神楽坂を歩く 東京都新宿区
1.今も古い町名が残る飯田橋・市ヶ谷周辺
2.江戸城の巨大さを体感できるスポットがある
3.夏目漱石の「坊ちゃん」の母校がある
4.物理学校時代の木造校舎を模した「東京理科大学近代科学資料館」
5.「現代邦楽の父」と言われる宮城道雄の記念館がある
6.住宅街に埋もれてしまった牛込城
7.神楽坂の代名詞となっている石畳の小道
第2章 歴史上の有名文化人ゆかりの場所を歩き、完成したばかりの漱石山房記念館へ 東京都新宿区
1.独特の応援風景が記憶に残る熊谷組野球部
2.「金太郎」の作曲者の石碑がある筑土八幡神社
3. 2011
年度グッドデザイン賞を受賞した赤城神社
4.若き日の尾崎紅葉と泉鏡花が暮らした街
5.東大のルーツとなる学校を作った? 一族が眠る墓地
6.数学の大家と戦前の大女優が眠る場所
7.夏目漱石の旧宅跡に作られた「漱石山房記念館」
第3章 未来都市・二子玉川にある歴史的建築物とセレブな農村風景をめぐる旅 東京都世田谷区
1.再開発で、昭和の風景が一新した二子玉川
2.人気のパワースポット・地下霊場のある玉川大師
3.国分寺崖線上に立つ豪邸・旧小坂家住宅
4.綾辻行人の館シリーズに出て来そうな洋館の静嘉堂文庫
5.東京で古い農家の暮らしを体感できる岡本民家園
6.かつての暴れ川の近くにある大蔵の鎮守と古刹
7.昔の世田谷の農村風景を満喫できる次大夫堀公園
8.成城学園駅の近くに深山幽谷の世界が
第4章 アカデミックな気分で、日本の近代政治の舞台になった御殿や世界的建築家設計の大聖堂を歩く 東京都文京区
1.ヨーロッパの由緒ある広場をイメージした彫刻がある
2.名門国立大学の跡地にある教育の森公園
3.江戸時代のベストセラー作家と徳川幕府最後の将軍ゆかりの土地
4.日本の近代政治の舞台になった御殿がある
5.世界的建築家が設計した東京カテドラルマリア大聖堂
第5章 村上春樹、松尾芭蕉ゆかりの場所と知る人ぞ知る美術館、美しい日本庭園をめぐる美術・文学散歩 東京都文京区
1.名門出版社の社長が集めたコレクションが魅力の野間記念館
2.大ベストセラーの舞台になった寮がある
3.けわしい胸突坂には文化スポットがいっぱい
4.現場監督?時代の松尾芭蕉が暮らした関口芭蕉庵
5.見事な景観が無料で楽しめる新江戸川公園
6.日本の自然と史跡めぐりがコラボで楽しめる椿山荘庭園
第6章 ストレス解消に最適! 癒しスポット満載の板橋区高島平周辺を歩く 東京都板橋区
1.都営地下鉄ワンデーパスを利用したお得旅
2. D51
や都バス、ミニ SL
が無料で見放題の城北交通公園
3.国民栄誉賞を受賞した冒険家の生涯がわかる植村冒険館
4.かつての農村風景をイメージできる散歩道に現れる見どころの数々
5.創建千年以上、板橋区最古の神社・徳丸北野神社
6.迫力ある水車とユニークな案山子が魅力の水車公園
7.城跡や大噴水、グランドなど見どころ満載の赤塚公園
8.日本最初の西洋式砲術調練が行われた場所にある徳丸ヶ原公園
9.格安料金で、熱帯のジャングルにワープできる熱帯環境植物園
第7章 開運祈願! 東京メトロ 1
日乗車券で行く、東京レトロな神社仏閣めぐり 東京 23
区
1.東京にある日本各地の御利益スポットを激安でめぐる旅
2.「高輪結び大師」と親しまれる高野山東京別院
3.「東京のお伊勢様」と親しまれる東京大神宮
4.「関東の金毘羅さん」と親しまれる金刀比羅宮東京分社
5.落語の「王子の狐」の舞台としても有名な王子稲荷神社
6.都内最古の富士塚がある鳩森八幡神社
7.日本の学校教育発祥の地・湯島聖堂
8.商売の縁結びをもたらす、江戸の総鎮守・神田明神
9.災難を除き、波を乗り切るご利益のある波除神社
第8章 歴史ファン必見! 昔の東京へタイムスリップできる江戸東京たてもの園 東京都小金井市
1.上野公園の 1.4
倍の広さの小金井公園
2.昔の東京のハイカラな暮らしが実感できる
3.江戸時代の民家がいっぱい
4.2・26事件の舞台のひとつ、高橋是清邸がある
5.大正時代の大名家の門と江戸時代の名主の家
6.昔の商家、銭湯、居酒屋などが古い町並みとして残る
第9章 近くて遠い高級住宅地・田園調布は、巨大古墳と大ヒット曲ゆかりの場所がコラボで楽しめる 東京都大田区
1.イギリスの田園都市構想を参考に開発
2.下町と高級住宅地、どっちが住みやすい?
3.多くの文化人、有名人の家がある
4.カモもセレブに見えてしまう宝来公園
5.田園調布には都内有数の古墳群がある
6.時代によって古墳の大きさの変化が興味深い多摩川台古墳群
7.多摩川台公園の思い出
8.古墳の上にある富士浅間神社
9.昭和の子供たちの歓声が聞こえてきそうな静かな公園
10
.江戸時代の大プロジェクト・六郷用水
11
.桜と福山雅治の曲でも有名な桜坂
12
.古墳の石室が見られる鵜の木松山公園
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