自己中心的恋愛模様

2007.05.03
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カテゴリ: 突発的な作品
※山本が最低な奴です。






あの頃のお前は どこに行ってしまったんだ?

俺の名前を呼ぶ、凛々しい声
俺の頬を撫でる、大きな手
俺を抱きしめる、たくましい腕
俺とは対照的な、温かいぬくもり
・・・俺は すべて愛おしかった・・・

(けど もう、ここには無い)

なんで・・・?
なぁ なんで・・・?


(嗚呼 お前にとって俺は遊びだったんだな)
(だから・・・お前は俺の前から消えたんだな)


(なぁ・・・俺との約束、まだ・・・覚えている?)















- 6月の赤 -

















「♪~♪~♪」


機嫌がいいと 鼻歌を歌っちまう
だって・・・今日は 俺の結婚式

高校ん時に知り合った彼女と そのままゴールイン
小柄で愛らしい笑顔
華奢な身体に優しい性格
料理も上手で家庭的
野球の知識も豊富で
同じ野球チームが好き
容姿・性格・相性 どれもばっちり


俺は 慣れない背広に四苦八苦しながら
ようやく着れた 白いウェディングスーツ
・・・やっぱ 俺、白って似合わないなぁ~・・・
鏡に映った自身の姿を見て呟く
すると ドアをノックする音が聞こえた





「その声・・・ツナか!はいれよ!」


久々の親友とのご対面
中学卒業以来 全く逢っていなかった親友は
背がとても伸びてて どこか大人の雰囲気を醸し出していた
黒のスーツに赤のネクタイ・・・その手には 大きな花束
白薔薇を基調とした すごく綺麗な花束だった


「久しぶりだな!いつ日本に着いた。」


「あはは さっきだよ。空港から直行で来たんだ。」


中学卒業後 ツナはイタリアに向かった
・・・もちろん あいつも一緒に

それから10年間、全く連絡もしなかったから
結婚式の招待状が ちゃんと届いた時は安心した

(あいつは・・・招待出来なかった・・・)


「武。」


ふと ドアのの方を見ると
白いウェディングドレスを着た、彼女がいた
その傍には 彼女の友達、つーか俺の同級生もいた
ベールで顔ははっきりとは見えないが
かすかにベールの隙間から見える 紅潮した頬
・・・嗚呼 なんて可愛いんだ


「クス じゃあ俺、会場に行くね。」


「おう、じゃあ また後でな!」


ツナや同級生達が会場に向かい、
俺は 彼女と待合室で2人っきり
あまりにも綺麗過ぎて なんて声をかければいいのか分からない
けど こんな空気を漂わせてる方が嫌だった


「・・・よく似合うぜ。」


「た、武の方こそ・・・似合ってるよ。」


お互い 相手の顔を横目でちらりと見ながら言った
ふと 視線がばっちり合ってしまい、
お互い なんだか恥ずかしくなって
思わず顔を紅く染めてしまった

そしたら 一瞬の沈黙の後、
俺の笑い声と彼女の笑い声が待合室に響いた

そして・・・俺たちは 手を握り
共に 式の会場である、教会の本堂に向かった・・・・・


(嗚呼 俺、世界で一番幸せな奴だな)


















□□□□□□


数ヶ月前
俺は山本に捨てられた

いくらイタリアと日本の遠距離と云え、
あいつは急に 一方的な別れを言ってきた

なんだそれ、ふざけんな

俺は当然怒った
けど それ以上に悲しかった

『どんなに遠く離れていても 同じ空の下、離れてても 想いは同じ』
そう・・・空港で言ってくれたのは あいつだった
別れを切り出したかったのに・・・
あいつが そんな事を言うから、
俺は 山本を信じ、日本を発った・・・

なのに・・・
あれは・・・今年の春だった
・・・約1ヶ月ぶりの電話だった
仕事でドタバタしていたせいか 全く連絡を取れなかった俺
やっと仕事に余裕が出てきて、お前に電話した時だった

お前に言われた、衝撃的な言葉

『ごめん、俺 結婚するんだ。』

何かの冗談だと思った
仕事で頭が参ってるから 聞き違いだと思った
けど・・・お前は さらに衝撃的な事を言ったよな

『彼女のお腹の中にさ・・・3ヶ月になる、俺の子がいんだ。』


















何かが・・・音を起てて 壊れた・・・・・

それから あいつは俺に何度も謝ってきた
けど 最後には俺が一番聞きたくない言葉を言って
お前は電話を切った
・・・ツーツーと無機質一定の音が鳴る
ただ・・・ただ 俺は呆然と涙を流す事しか出来なかった・・・・・


(『さよなら』なんて・・・空港で別れた時でも聞かなかったのに・・・)












何かが・・・音を起てて崩壊した・・・













だから 俺は向かう
あいつの・・・山本の結婚式場に・・・
左手には 真っ赤な薔薇を
右手には・・・黒く光る約束を
もう俺を止められる者は誰もいない・・・

(たとえ 十代目でも俺を止める事は出来ない・・・)

黒のスーツを身に纏い
赤のシャツを身に纏い
向かうは 恋人の元に
愛しい恋人の元に

会場である、教会のドアを 勢いよく開けた
その音に 誰もが俺のほうへと振り向く
・・・もちろん、あいつも・・・


「獄、寺・・・・・。」


「えっ 隼人・・・?」























鮮 血 の 青 年 を 君 は 見 た 事 が あ る だ ろ う か ?


『あははははははははは!!』

一弾の銃弾
人々の叫び声
血の雨に染まる 神の領域
倒れた男の服は 紅く染まる・・・・・

(嗚呼 これでおそろいだ・・・)

床に横たわった あいつを抱き寄せる
あいつの白いスーツは紅く染まり・・・
俺のシャツと同じ色
あいつの隣にいた、女とは違う色

嗚呼・・・これで俺たち、ずっと一緒だな・・・
なぁ そうだろ?山本・・・




(嗚呼 彼は知らなかったのだろうか?)
(どんなに真っ赤な血でも いずれは・・・酸素に触れて黒く染まるという事を・・・)


『どんなに離れてても ずっと一緒なのな、俺たち』

(優しい笑顔で言った彼の面影を抱きながら 男は瞳を閉じた・・・)
(次の瞬間 もう一発、銃声が教会に鳴り響いた・・・)







管理人の戯言

●・・・このネタ・・・絶対身内なら分かる!!・・・そうです!サンホラの『stardust』の曲を聴きながら打ちました!!案の定!!

まぁ・・・多少 山獄っぽくするために、いじった部分もありますが・・・。笑

えー・・・獄寺好きさん&山本好きさん、ごめんなさいっ!!

こんな山獄誰も読みたくないでしょうが・・・これが六条の妄想の一部です。【ヤバイ】

それでは これで。感想とかいただけたら 死ぬ気でお返事したいと思いますww





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Last updated  2007.05.04 04:24:31
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