自己中心的恋愛模様

2007.05.13
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カテゴリ: 突発的な作品
※雨戦後 直後に書いた作品です









助けてあげれなかった
あともう少し・・・手を伸ばしていれば
助けられたかもしんねぇのに

(紅く染まる水)

助けられなかったのが悔しくて
何も出来なかった自分が憎くって
涙を隠して 声を殺して
歯を食いしばって 泣いた

(さっきまで感じていた人のぬくもり)

モニターの向こうで

獄寺が そんな俺の姿を見て傷付くって分かってても
俺の心は罪悪感と後悔でいっぱいで

あの同じ 銀色の髪が赤で染まるのを想像したら
俺は 自分が怖くなってしょうがなくなったんだ・・・


(そんな事 ありえねぇって思っているのに)

(嗚呼 なんで)
(獄寺の紅く染まった姿が脳裏から離れられないんだろう・・・)
















- 鮮血の月 -
















白で統一された部屋
手当てが済んだ俺は一人 ベットに座っていた
片目を怪我し 視界がいつもと違うが
そんな事 今ではどうでも良かった

(フラッシュバックする さっきの光景)

頭が痛かった
刀で怪我した傷が疼くのではなく


そんな状態で眠れるわけない
いや・・・目を瞑る事だって
今の俺には 無理な事だ

(思い出すのは 鮮血の水)

一人は怖かった
けど 傍に人がいるのも怖い


そんな時 ドアをノックする音が聞こえた
時刻は 真夜中
誰が来ているのか分かるはずもないのに
直感的に なんとなく獄寺だと思った


「山本、入るぞ。」


案の定 俺の直感通りだった
白い肌には 生々しい傷痕に包帯
けど 幾分治っているみたいで 少し安心した

獄寺は煙草を口に銜えながら
眉間に皺を寄せながら
いつもの表情で俺を見た

(いつも通りなのが すごく嬉しかった)

・・・俺は どんな顔で獄寺を出迎えたのだろう
きっと俺は笑っていたに違いない
・・・獄寺を安心させるために 笑ってたに違いない
けど 獄寺は一瞬驚いた顔をし、
次の瞬間 一瞬だけ悲しそうな顔をした

すると 獄寺が俺に抱きついてきた
一人用のベットのスプリンクラーがギシッと鳴った
獄寺の胸がすぐ傍にあって
獄寺の腕が 俺の頭を話さないように抱きしめる
傷口に当たって 多少痛かったけど
微かに震えている獄寺に なんて声をかければいいのか分からなくて
俺は獄寺にされるがままに 抱きしめられていた

(泣いてんの?獄寺・・・)

微かに聞こえてくる 獄寺の声
何を言っているのか はっきりと聞こえなかった
けど・・・これだけは分かった
獄寺は 後悔している
俺と出逢ったことを
俺に人を殺させた事を

つい最近まで“マフィアごっこ”だと
今だ信じ続けていた振りをしてたけど
この前の黒曜中との対戦に
今回のリング争奪戦で

俺は もう振りなんて出来なくなってしまった
今日から 俺もマフィアなんだなぁ・・・なんて
自嘲しがちに笑ったら 獄寺が俺から離れた

途端 獄寺の顔が近くなったと思ったら
俺は 獄寺とキスしていた・・・

女みたいな柔らかく弾力のある唇ではないけれど
舌と舌を絡ませて 紅く染まる唇は
まるで紅玉のように綺麗で 俺は好きだ

唇と唇が離れた時 一筋の銀色の糸が伝う
官能的で煽情的な光景
甘い甘い誘惑

けど 決定的な何かが無くて
俺の理性を取っ払ってくれる何かが無くて

嗚呼 いますぐにでも忘れたいのに
ほんの一瞬だけでもいい
せっかく獄寺と過ごしているんだから
ほんの一瞬だけでもいい
獄寺だけを考えていたい
獄寺だけを感じていたい


「っ、獄寺・・・。」


「・・・山本っ、良かった・・・。」


彼から溢れ出たのは血ではなく涙
無色透明な水 涙だった

その涙が物語るのは 不安からの開放
獄寺は悪態を吐きながらも 俺の事を心配してくれてて
俺の生きている姿を見て 何かが溢れ出たんだろう・・・


「獄寺・・・。」


「、生きてて・・・っ、よかっ・・・た、。」


その途端 何かが外れた
理性とか そんなものじゃない
もっと・・・もっと野生的な・・・
そう あえて言うなら
“本能”というものが溢れ出た

嗚呼 紅い月夜が俺たちを照らす・・・











連載1終了 





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Last updated  2007.05.13 15:59:14
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