活き活きPC&園芸三昧

活き活きPC&園芸三昧

March 30, 2019
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カテゴリ: 天文


  思い返せば、20年前の頃、勤めていた会社で、当時の社長がその頃流行っていた「選択と集中」の時流に乗り、価値ある事業部を潰してしまいました。私は、新規事業の産みの苦しみを知っていましたので、あれだけ大きな事業を廃業にすること自体が信じられませんでした。当時の社長は、若いころの直属の上司だったこともあり、性格や考え方は良く知っていました。一言で言えば、「八方美人」「時流を先取りする新しもの好き」で、反りが合いませんでした。そんな価値ある事業を潰して、集中した事業は大失敗。会社は、存亡の危機まで落ち込みました。半田教授は結論として、「多様性」が肝心だと。しかし、自分の中では「選択と集中を決断しないこと」と「多様性を重んじること」が同じことなのかと、未だに結論付けが出来ていません。

  前置きが長くなってしまいました。今回のお題は、結露防止用のフード作りをした時の奮闘記を記したいと思います。天体観望や撮影の際に気になることは、レンズが曇ったり、結露したりすることではないでしょうか。特に暖かくなった季節、湿気が多くなった頃に、結露は避けられない問題となります。一応、バンドヒーターは準備していますが、どれだけの温度にすれば良いのか、電源には余裕があとどのくらいなのか、など気を使ってしまいます。結露の問題が、フードで解決すれば落ち着いた気持ちで天体観望、撮影が出来ます。ネットで調べるとFTフードが迷光防止と結露対策フードの決定版ということで紹介されていました。FTとは、製作者のイニシャルであると三基光学への問い合わせで分かりました。

  筆者は、FTフードにお目にかかったことはありません。ネットの情報で段ボールが結露防止素材であることらしい。ということで、段ボールを主体にしたフードを作ることにしました。フード作製の手順は、次の二通通りです。

【作製法-1】
  1-1.芯の作製
  1-2.円盤骨格の作製と湿気吸着ヒダの固定
  1-3.芯とヒダ付き円盤骨格を段ボール紙で巻く
  1-4.上の作業を繰り返して伸長させる
  1-5.外装とテープ止め


【作製法-2】
  2-1.芯の作製
  2-2.芯と段ボール紙との結合
  2-3.段ボール紙を巻き付けて前方へ延長する
  2-4.外装とテープ止め
  2-5.円盤骨格と湿気吸着ヒダの筒への設置


【作製法-1】
1-1.芯の作製
  フードとレンズとの橋渡しをするフードの芯は、下の写真のようなポリプロピレンのシート(厚み:1mm)が好都合です。ホームセンターで1枚、1000円くらいで入手できます。

         フードの芯に使うポリプロのシート【 写真クリックで拡大 】

  シートを鏡筒の先に合わせて切断、ポリプロピレンが接着可能な接着剤で筒状に張り合わせます。

                         芯の作製


1-2.円盤骨格の作製と湿気吸着ヒダの固定

                   段ボールから円盤のくり抜き

                 円盤リング2個を直交方向で張り合わせ

                    リングを画用紙で巻く


                 段ボール紙を10~15mm幅のひも状に切断


                 ひも状段ボール紙をリング内側へ張り合わせる


1-3.芯とヒダ付き円盤骨格を段ボール紙で巻く

  上記の方法で出来上がったヒダ付き円盤をポリプロ芯と一緒に段ボール紙で巻く。ちょうど、巻寿司の要領である。煩雑な作業なので写真を撮り忘れてしまいました。


1-4.上の作業を繰り返して伸長させる

  ヒダ付き円盤段ボールを3~5回巻き付けて、長くしてゆきます。この作業も写真を撮り忘れてしまいました。


1-5.外装とテープ止め

  外装は、アルミニウムが蒸着された発泡ポリエチレンシートを接着剤で張り、ビニールテープで固く止めました。小型のフードは全部この方法で作りました。下がその写真です。

                       完成した小型フード



【作製法-2】

  最初に作った方法は、この方法です。何も分からず始めたので、段ボール巻きだけの方法では、円形を保った筒に仕立てあげるのが困難で、後付けで円盤骨格を埋め込むことになりました。しかし、この方法は作製法-1より簡単です。


2-1.芯の作製

  作製法-1と同様に、鏡筒との橋渡しをする芯はポリプロピレンのシートを使います。下の写真は、大型のEdge HD800用フードの芯です。ドブテイルバーの切れ込みを入れて作製します。

                       芯を丸めて接着


2-2.芯と段ボール紙の結合

  段ボール紙を巻き付けます。ほとんどが2重に巻き付けます。間には、部分的にアラビアゴム糊で接着します。

                      芯に段ボール紙を巻き付ける


2-3.段ボール紙を巻き付けて前方へ延長する

                     段ボール紙をずらして重ねてゆく


  7~8回の巻き付けで終了です。

                      段ボール紙の巻き付け終了


2-4.外装とテープ止め

  段ボール紙を切り替えたところで段差が出ます。この場合は、2回の切り替えで、芯の箇所を含めて3段の段差があります。この段差は、見てくれが悪いので何かで隠す必要があります。今回は最初だったので、シリコンシーラントでコーキングしました。しかし、この方法は良くありませんでした。素人では見てくれ良くコーキングすることは無理です。ビニールテープで張力を調整しながら段差を埋めることが可能です。

                   段差をコーキングしたフード

  次に、表面をアルミニウム蒸着発泡ポリエチレンシートで覆ってゆきます。シートの張り合わせは接着剤で行いました。最後はビニールテープで止めます。この作業の中で段ボールの段差をビニールテープでうまく隠します。

                  アルミ蒸着シートを張ったフード


2-5.円盤骨格と湿気吸着ヒダの筒への設置

  段ボール紙を巻き付けただけのフードは、少しの力で変形します。強度を付けるために筒の中に頑丈な円盤骨格を入れることにしました。段ボールで円形リングを切り取り、2個を直交させて貼り合わた円盤骨格を3個作製しました。

                    円盤骨格を入れようとしているフード


  上の写真を見ておわかりの通り、フード内部の段ボール紙のヒダは数が知れています。この表面積では、湿気を吸い取る力は弱いはずです。そこで、段ボール紙を10~15mmの幅でひも状にしたものを、フード内部に出来るだけ多く貼りつけてゆきました。接着はアラビアゴム糊で行いました。最終的には50mくらいの長さのひも状段ボール紙を貼りつけた形になり、重さは950gにもなりました。

                   筒内部に多くのヒダを貼りつけたフード


総 括

  今回のフード作製奮闘記をスライドショーにまとめました。

​ ​          結露防止用フード作製奮闘記【 写真クリックでYouTubeへ飛びます 】


  FTフードは結露防止効果絶大とのネット情報で、段ボール紙でフードを作製してみました。小さいものはPoleMasterから、大きいものはEdge HD800用のものまで、あらゆる鏡筒の結露防止レンズフードを工作した奮闘記でした。以上、「選択と集中」とは程遠く、気の向くままに天文の淵をさまよっています。








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Last updated  April 1, 2019 07:54:34 AM
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