音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2016年11月09日
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テーマ: Jazz(2004)
カテゴリ: ジャズ




 パーカー没後の1956年、ヴァーヴに吹き込まれた比較的初期の盤の一つが、ソニー・スティット・カルテット(The Sonny Stitt Quartet)名義のこの『ニューヨーク・ジャズ(New York Jazz)』という盤。ソニー・スティットのワンホーン盤はサックスの名手らしさが反映された盤がいくつもあり、そもそもワンホーンの吹込み数が多い。よく知られているように、スティットは“チャーリー・パーカーの模倣”と言われ(実際には真似をしていたわけではないが)、パーカーの存命中はアルトではなくテナーで独自性を出していこうとする。結果、アルトででもテナーでも必要に応じて持ち替えられるという強みは、本盤を含め様々なアルバム作品で発揮されることとなった。テナーとアルトの両方を用いているこの盤もまた、スティットの演奏に聴き惚れることができる1枚である。

 安定したピアノトリオをバックにひたすらワンホーンで楽しませるという、スティットお決まりのパターンが展開されるのだが、実を言うと、初めて聴いて1曲目だけで筆者は見事に魅了されてしまった作品だったりする。その1.「ノーマンズ・ブルース」はと言うと、急速調のブルースで、そのソロは実に気持ちよく爽快に演奏している様子が自然と目前に浮かんでくる。

 全体としてはスタンダードが多めで部分的に自前の曲といった配分になっている。スタンダードでは、3.「イフ・アイ・ハド・ユー」や4.「アローン・トゥゲザー」、8.「アラバマに星堕ちて」や9.「ボディ・アンド・ソウル」なんかが一貫してそうだと思うのだけれど、腰を据えてじっくりとアドリブを展開しようという意識が見られるように思う。そうは言っても、結局は音数の多い“スティット節”な演奏になっているわけだけれど、本盤の聴きどころは、こうした部分ではないような気がする。これらはどちらかというと“箸休め”になっていて、もっと勢いのあるところが実は聴きどころではないか。勢いよく爽快に吹くスティットは、雄弁でもあり気持ちいい。少なくとも筆者はそんなことを考えながらスティットのサックスを聴くことがある。そうした観点に立つと、上記1.のほかに続く2.「アイ・ノウ・ザット・ユー・ノウ」、5.「12番街のラグ」、10.「絶体絶命」なんかが案外、本盤の主役ではないだろうかと思えてきたりするのだけれど。


[収録曲]

1. Norman's Blues
2. I Know That You Know
3. If I Had You
4. Alone Together

6. Down Home Blues
7. Sonny's Tune
8. Stars Fell on Alabama
9. Body and Soul
10. Between the Devil and the Deep Blue Sea


[パーソネル、録音]

Sonny Stitt (as, ts)
Jimmy Jones (p)
Ray Brown (b)
Jo Jones (ds)

1956年9月14日録音。






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Last updated  2016年11月09日 21時08分52秒 コメントを書く


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